創業55周年を迎える日本自動ドア株式会社。自動ドアの製造・販売・施工・メンテナンス・保守点検までのサービスをトータルで行っている会社です。
同社の事業の目的は、「仕事を通じて全ての人達が幸せになる社会づくりを目指す」。「人格を磨き、人として正しく振る舞う」ことなどの6つの「コア・バリュー」を掲げ、ステークホルダーを大切にする経営を実践されています。
今回は、同社のコア・バリューの考え方を実践し、勤務中に人命救助を行った日本自動ドアの社員・札幌営業所マネージャー寺﨑さん(39)にインタビュー。コア・バリューを体現することとは、どのようなことなのか。社員の立場から日本自動ドアを語っていただきました。
■代表取締役社長 吉原二郎さんから寺﨑さんへのメッセージ
世の中には、仕事よりも大切なことがあります。人として正しく振る舞うことです。寺﨑さんは、勤務中に心臓マッサージをし、人の命を救いました。人として最も大切なことを行った社員です。私としては、仕事よりも人命第一を実行してくれたことが嬉しいですし、寺﨑さんが当社の社員であることを誇りに思います。
寺﨑さんは、ある種、当社が進める「コア・バリュー」の考え方を実践してくれた存在です。本当にありがとうございます。ぜひ、会社への思いを率直にいろいろと語ってください。
自分の仕事が「役に立っている」という手応えが得られるのがやりがい
-寺﨑さんは、どういったきっかけで日本自動ドアに入社されたのでしょうか?
私は、工業高校出身で、もともと機械いじりが好きだったんですね。
「自動ドアって面白そうだ」と興味を持ったことがきっかけです。
日本自動ドアでは、自動ドアの設計・開発から保守・メンテナンスまで全ての工程を行っているため、お客様の声をすぐに商品開発に活かせる、より良いものを安く提供できるという点にも惹かれました。
-寺﨑さんは、日本自動ドアで普段どのようなお仕事をされているのでしょうか?
私は、札幌営業所に勤務して今年で15年目です。
現在はマネージャー職として、お客様のビル建物の自動ドアの施行・メンテナンス、保守契約の担当のほか、後輩の指導にもあたっています。
業務開始はだいたい朝の8時半ごろ。その日の状況によって、午前中は点検、午後には工事というようにお客様のところを回ることが多いですね。
札幌営業所は3名編成。北海道全域が担当です。そのため、釧路や根室、阿寒や函館など、遠方のお客様を訪問するときは、出張で工事や点検を行うこともあります。
-日本自動ドアで「働いていて良かった」と思うことはありますか?
自動ドアは、もはや日常生活にかかせないものになっているため、お客様の反応もすぐにいただくことができます。
例えば、私がメンテナンスに伺った後に、自動ドアの調子・具合が改善されていたらその場ですぐにわかるわけです。
「動きが良くなった」とお礼を言われたり「便利になった」と感謝の言葉をいただけたりすると、とても嬉しいです。
お客様にとって、自分の仕事が「役に立っている」という手応えが得られることに、やりがいを感じています。
自分の普段の生活でも、手でドアを開けるのが大変なときなど、「自動ドアって便利だな」と感じることが多いのです。
そんなときに「自分の関わっている仕事が世の中を良くしている」と実感することができて、「この会社で働いていて良かったな」と感じます。
日本自動ドア株式会社の記事はこちらからも読むことができます。
勤務中に人命救助、救急隊員と携帯電話をつなぎながらの心臓マッサージ
-寺﨑さんが人命救助を行ったのは勤務中だったそうですが、どんな状況だったかをお聞かせいただけますか?
もう5年ほど前でしょうか。外出先の江別市(札幌から車で30分ほど)での出来事でした。
お昼前に仕事が一段落して「そろそろ休憩を取ろうかな」と、ふと公園の前を通りかかったときです。
そこで「倒れて呼吸をしていない人がいるんです!」と助けを求められました。
自分で役に立てるかどうかわかりませんでしたが、ともかく行ってみると、50代後半くらいの男性が顔面蒼白で倒れていて、心臓が止まっていたのです。
「これは大変だ」と、すぐに救急連絡をしました。
救急隊員の方から男性の状況を聞かれ、心臓が止まっていることを伝えたのですが、その場にはAEDもありません。すると「電話で指導するから心臓マッサージをやってほしい」と言われたのです。
私は、心臓マッサージなんてやったことがありませんでした。しかし、目の前の人は一刻を争う状況で、私たちしかいないのです。やるしかありません。
「押したときに手のひら1枚分くらい沈む感じで、テンポはこのくらいで」と、携帯電話越しに救急隊員の方に指導を受けながら、心臓マッサージを施しました。
言われたとおりにやっているつもりですが、合っているかどうかはわかりません。第一発見者の方と交代しながら、無我夢中でした。救急車が来るまでは、実際は5分ほどだったのですが、とても長く感じたことを覚えています。
「大丈夫だろうか……」と心配に思いながら、救急車を見送りました。
人として当たり前のことをしただけ
-いつもの勤務中に遭遇した思いがけない出来事だったのですね。その方はどうなったのでしょうか。
私は、救急車を見送った後、その方がどうなったのか、ずっと気になっていました。
1か月ほどたったころ、江別消防本部から連絡をいただき、その方が無事に一命を取り留め、歩けるまでに回復して日常生活に戻ることができた、とのことでした。本当に良かったと思いました。
-その連絡とともに、人命救助の件で表彰したいという申し入れがあったのですね。
はい、連絡をいただいたときに、表彰したいという申し出をいただきました。
私と第一発見者の方で、救急にすぐ連絡したこと、救急隊員の方から指導を受けながら施した心臓マッサージの応急手当が、人命救助につながった、というのが理由でした。
消防署の担当の方が、直接会社に来てくださって、皆の前で表彰されました。救助のときはとにかく必死で、そんなすごいことをしたという意識はなかったので、なんとも面はゆい気持ちでしたね。
-会社には人命救助の件は当日報告されていたのですか?
はい、社長からも直接「良いことをしたね」と声をかけていただきました。ただ、自分としては、そこまで大きなことをしたという気持ちはありません。第一発見者の方から、助けを求められたので応じたまでです。
その場に居合わせた者として、当たり前のことをしただけだと思っています。
とにかく、その男性が意識を取り戻して、元通りの生活を送れるようになったことは、本当に良かったです。
-社長の吉原さんは「人として正しく振る舞う」というコア・バリューを「仕事よりも大切」とおっしゃっていましたが、日常的にコア・バリューを意識されることはありますか?
札幌営業所では、朝礼でコア・バリューを読み上げていますので、日常的に意識する機会は多いですね。会社で毎年配布される手帳にも、コア・バリューの内容が書かれています。ただ、実際にその内容を普段の行動の中でしっかりやれているかというと、自分はまだまだかな、と思います。
より良くなってほしいところ……考えてみたのですが
-寺﨑さんにとって、会社はどのような存在ですか?
会社の人たちはみんな良い人ばかりなんですよ。困ったり、疑問に思ったりしたことがあれば、ちゃんと相談に乗ってくれます。
悩みがあっても上司に打ち明けられますし、同僚とも情報共有がスムーズで相談できるところがあちこちにあるのです。良い環境の中で働けていると思います。
入社後に結婚して子供も生まれたのですが、子供が風邪のときなどは、急遽休みもとりやすくて、とてもありがたいです。
-日本自動ドア様に、より良くなってほしいところがあればお聞かせください。
より良くなってほしいところ……考えてみたのですが、思いつかなくて(笑)。
入社した当時はあったような気がするのですが、毎年良くなってきているので……。特にここ5~6年で、仕事と生活のバランスを取れる制度がどんどん整ってきて、働きやすい職場だと思います。
自分にとっては、今の環境で十分働きやすいので、これ以上は特にはないんですよね。
-ご家族には自分の仕事についてお話ししたりしますか?
家族は、妻と息子が2人、娘が1人です。
自宅では「今日はこんなことがあったよ」と話したりしますね。
家族で出かけたときも「ここの自動ドアはお父さんがつけたんだよ」とか、新しく施工したお店に行ってみたりもしています。
もし、自分の子供が「将来、お父さんの会社で働きたい」と言ってくれたら、嬉しいですね(笑)。
<プロフィール>
日本自動ドア株式会社 札幌営業所 マネージャー寺﨑和也
<企業概要>
日本自動ドア株式会社
〒165-0031 東京都中野区上鷺宮3-16-5
電話番号:03-3970-2511
創業:昭和41年6月30日