中国SNSマーケティングを活用し、中小企業の海外進出のサポートで成果を出し続けるJC Connect株式会社。立ち上げをしたのは、現在も代表取締役を務める井上勉さんです。
井上さんは、現在のグローバルパートナーズ株式会社(以下、GP社)であるアリババマーケティング創業メンバーの一人。山本社長のもとで、営業責任者として働いていました。
山本社長との出会いが転換期となり、仕事への取り組み方や視野の広げ方などを学び、独立の道を歩んでいます。
今回は、離れてから実感した山本社長の魅力や、約18年の長い付き合いだからこそ話せる山本社長に改善してほしいことを伺いました。
中国のマーケットに魅力を感じ独立。狙いどおり、おもしろい。
井上
簡単に言うと、日本の法人向けに、中国のインターネット広告を提供する会社です。たとえば飲食店や百貨店、ホテルなどを経営する企業が、中国人観光客を集めたい場合に我々の広告サービスを利用します。
具体的には、WeChat・Weibo・RED・大衆点評など、中国の有名SNSをフルに活用したマーケティングが得意です。日本企業が、公式アカウントの発行や公式広告の出稿をするサポートをしています。
中国向けに幅広く事業を展開しているのですね。なぜ、中国をターゲットにしようと思ったのでしょうか。
井上
日本のほとんどの中小企業のニーズが、中国に偏っているのを感じていたからです。山本社長と一緒に始めたアリババマーケティングで、営業部門の立ち上げをしていたときに気づきました。
中国は、14億の人口を抱えており、メディアも急成長している国です。しかし、日本とは違って、閉鎖的なインターネット事情を抱えています。
そんな状況のなか、中国へのプロモーション方法がわからないという日本企業からの声を聞いていました。
なんとか解決したいと思ったのですが、マスメディアの利用やホームページ立ち上げは、広告を出すハードルが高いのが現実。そこで、中国でも影響力の高いSNSに目をつけ、開拓を始めました。
これだけ大きくておもしろいマーケットが、東京から3時間で行ける距離にありますからね。いま思うと、本当に手を出さない理由が見当たらないぐらいです。
御社のサービスを利用して、どのくらいの広告効果が出たという事例はありますか?
井上
とある家電量販店では、4倍を超える売り上げアップを記録しました。マーケット自体の成長もありますが、とてつもない数字だと思います。
中国の有名SNSを余すことなく活用したのが、成果を出せた理由の一つですね。複数社のインターネットの有力メディアの広告を出し、公式アカウントの発行までできるのは当社独自の強みです。
ほかにも、インフルエンサーの役割を持つKOLの利用もして情報発信するなど、さまざまな取り組みをおこないました。
一石三鳥。未来を見据えつつとことん合理的に
井上
2005年、株式会社光通信での出会いがきっかけです。私が法人向けのサポート部門の事業部長をしていたときに、山本社長が本部長として就任されました。
そこから上司部下の関係が始まったのですが、はじめてお会いしたときには「合理的な人がきた」という印象でしたね。
私の事業部は、契約内容に関する大きな問題の対応に追われ、何年も前向きに仕事ができない状態が続いていました。
しかし、就任早々にその様子を見た山本社長が、「現在のものは損失にして良いから、新しいことをやろう」と言ってきたのです。
ただの思い付きではなく、理想像を描いたうえでの合理的な判断だったと思います。実際に、新規事業はたった半年で利益転換していました。
私の事業部だけでなく、ほかの部門に対してもあらゆるメスを入れて、しっかり前を歩いていける状態に改善していたようです。
井上さんは、山本社長からどのようなことを学んだと思いますか。
井上
たくさんあるんですけど、「一石三鳥以上を狙え」と言われたことが、私のいまの事業でも活きています。
これは、山本社長に新しい企画を持っていったときに言われた言葉です。一つの取り組みで、どれくらい周囲と相乗効果を見込めるかを意識するという意味が込められています。
おかげで新しい事業をやるときには、利益が出そうだからとすぐには飛びつかなくなりました。かならず、既存顧客とのシナジーがあるのかを考えてから行動するようにしています。
現在の私は、一石三鳥だけでなく、四鳥、五鳥も狙います。先々の事業展開をふくめて、幅広い視野で物事を見るようになりました。
仕事の取り組み方を教えてくれた山本社長から離れて、なにか気づいたことはありますか。
井上
山本社長は、経営視点の“脳みそ“で話をしていたことに気づきました。私自身、独立して一人の社長になってから、いままで見ていた方向の違いをとくに感じています。
一緒に働いていたときは、山本社長と意見がぶつかることがありました。いま思うと、社長は経営者の立場で物事を考えていて、私は現場だけの視点で話をしていたからだったんです。
ほかにも経営しているなかで、さっき自分がした行動は、山本社長の教えがもとになっていると気づく場面が多々あります。
常にかっこいい。だからこそ、弱い部分を見せてほしい
井上
兄貴。いや、兄ちゃんですね。俺についてこいってタイプではなく、面倒見がいい兄ちゃんに近いのかな。
他人の世話をするのが好きな方だと思うんです。古い部下とか仲間とも、いまでも付き合いが続いているようですし。
そして私自身は、兄ちゃんのやってることを見て育ってきた弟みたいな感覚です。すべての真似ごとはできないけど、本当に学ぶことばかりで。
部下として長く働いてきた井上さんの立場から見て、山本社長のおすすめポイントがあればお聞きしたいです。
井上
新しい事業をやろうと思ったときに、いろいろな視点で物事を考えて相談に乗ってくれるところですね。ビジネスモデルの作り方に関しては、天才的な部分があると思います。
もちろん、いろいろな経験をされているからなのですが、普通の人だったら思いつかない発想ができてしまう方なんです。やっぱり尊敬しますよ。そして、本当にいろんなところで勉強されているんですよね。
営業・企画・財務など、どの部門においても責任者ができるほど、さまざまな知識を持っています。なのでビジネスのすべての面で、山本社長から学べることは多いです。
ここまで良いところばかりを聞いてしまったので。なにか、山本社長に改善してほしいところはありますか?
井上
うーんなんだろう。もっと、弱い部分を見せてくれてもいいとは思います。常にかっこよくて、豪快で、この人は大丈夫って印象が強いので。
山本社長がどのようなことに悩んでいるのか部下はわからないまま、自分だけで解決している気がします。当時感じていたことなので、いまは違うかもしれませんが(笑)
本音が見えないところもあるので、もっと周りのメンバーに相談してもいいんじゃないでしょうか。
とにかく、体育会系で気合根性だけでやってきた自分が、経営者の脳みそに変われたのは、山本社長のおかげです。
気づけば同じ事業の経営者。ともに企業と個人のグローバル化を
井上
日本の中小企業が、海外に目を向けるきっかけを作る企業であり続けてほしいです。
また、GP社から海外志向を持つ若者がどんどん輩出される環境にしてもらえると、非常に嬉しいですね。私の経営理念である「企業と個人のグローバル化の支援」とも合致します。
日本のマーケットは、今後どうなっていくかわからない状況です。GP社さんとは、グローバル化を意識した経営者が育つような企業づくりを、ともにできることを期待しています。
◎企業概要
JC Connect株式会社 [ジェーシーコネクト] JC Connect,Inc.
https://www.jc-connect.co.jp/
設立:2016年6月17日
所在地:東京都新宿区四谷2-12-5 四谷ISYビル4階
TEL:03-5360-7066
FAX:03-5360-7067
Group CEO:井上 勉
主事業:Weibo・Wechat/Weixin・大衆点評プロモーション。飲食店向けDX化支援
◎プロフィール
井上 勉 1977年生まれ 兵庫県神戸市出身
2000年4月 (株)光通信 入社
2009年3月 アリババマーケティング(株)<現:グローバルパートナーズ(株)> 設立
常務執行役員としてAlibaba.com事業(グローバルB2B)の立ち上げに従事。
2010年12月 FindJapan(株) 設立
代表取締役社長として中国新浪社とWeibo.comにおける日本企業の公式アカウント発行業務を受託。同プラットフォームを活用した広告事業を立ち上げ。
2012年5月 FJSolutions(株)設立
代表取締役としてFindJapan社の営業部門として新設。約600社のWeibo公式アカウントを発行。
2016年4月、中国テンセント社と日本国内初の広告オフィシャルパートナー契約を締結。日本企業のWeChat公式アカウント発行および広告サービスの提供を開始。
2016年6月 JCConnect(株)設立
代表取締役としてWeChat事業会社として新設。2017年12月、中国美団点評社と事業提携。中国最大の口コミサイト「大衆点評」の公式店舗開拓および広告サービスを販売開始。
2018年、2019年の2年連続でグローバルセールス世界No.1を受賞。
2020年4月 Xplorer Holdings(株)設立
代表取締役としてFJS社、JCC社のホールディングカンパニー。新型コロナの影響によりインバウンド集客支援事業を停止。中国向け越境ECプラットフォーム「タオズイジャパン」、飲食店向けテーブルオーダーシステム「スマホdeMENU」をリリース。現在に至る。ここまで中国向け広告支援実績6,500社以上を誇る。