「プロジェクトの責任が曖昧でリーダーになれるメンバーがいない」「社内に相談できるブレインおらず次の一手が打てない」「目前のことに一杯で新プロジェクトに手がまわらない」
こうした課題を抱える中小企業の心強い味方となるのが、プロジェクトドライブ株式会社だ。
同社代表取締役の大森洋介さんは、外資系生命保険会社の営業職時代に培った幅広い人脈と、組織活性化のための様々なノウハウを用いて、中小企業のプロジェクトを成功に向けて加速させている。
「人手不足の中小企業では、どうしても見過ごされがちな従業員の話の中にボトルネックが隠れていることが多い」と話す大森さん。
同社の事業内容や今後の展望を伺うなかで、様々な企業の成功・失敗例を見てきた大森さんだからこそわかる、プロジェクト成功のために必要なヒントを探っていく。
強みは「距離感」と「人脈」
御社のホームページに、「企業のプロジェクトの8割は失敗に終わる。」とあります。何かを変えようと思っても大抵は上手くいかない、そんな現実を変えるのが御社の事業ということでしょうか?
大森
はい、プロジェクトを成功へ導くのが仕事です。私のやり方は独特です。コンサルタントやアドバイザー的な立ち位置ではないので、外からああしろ、こうしろとは言いません。
経営者や役員にとっての右腕や壁打ちとなり、潜在的な課題を聞き出し、解決に向けた手段を内側から探り出していきます。
従業員にとってはメンターとなり、同僚や上司には言えない悩みを傾聴し、精神的な支柱となって成長に貢献します。
そう聞くと、経営陣・社員と一体になり寄り添うタイプのコンサルタントと思われるかもしれません。しかし、私の強みは、ある種「よそ者」としての距離感は保つことです。
財務諸表を見ながら経営者や役員にとって耳の痛いことを進言することもあれば、従業員に「それは現場のやるべき役割です」と発破をかけることもあります。
「組織の潤滑油」という内側に入り込んだ機能と、「プロジェクトの起爆剤」という外側からの刺激としての機能を持つ。この絶妙な距離感が生む2面性が私の強みになっています。
近すぎて依存を生むのでもなく、遠すぎて相談しにくいのでもなく、ちょうど良い距離感でプロジェクト成功まで伴走してくれる存在であるのが強みなのですね。
大森
もう一点、プロジェクトドライブの大きな強みがあります。それは、人脈です。
私が働きかけて組織全体のモチベーションがいくら上がったとしても、そもそも社内にプロジェクトを成功させるリソースが無ければ失敗に終わってしまいます。
そのため、長年培った人脈から必要に応じてその分野の専門家を招聘してチームをつくり、人脈を駆使して最適な営業先や販路の拡大を適宜行います。
プロジェクトドライブをご利用していただくと、私が主催する『プロジェクトドライバーズCLUB』という、私の既存コミュニティをビジネス仕様にアップグレードしたコミュニティに参加することができます。
その中から必要な人脈をお繋ぎし、プロジェクトに必要なノウハウの提供を月例セミナーなどのかたちで届けており、これがプロジェクトの成功の重要な鍵となっています。
「絶対に保険の話をしない」と決めたら人が人を呼んだ
モチベーションの向上や戦略づくりだけでなく、人脈を活用して現実的に事業を動かしていくところまでサポートできると。失礼かもしれませんが、なぜ大森さんはそのようなことができるのでしょう?
大森
約16年間、生命保険業界にいた経験が大きいです。生命保険は無形商材であり、高額かつ継続的に支払いが続くため、成約率が非常に低いのが特徴です。
距離感を間違えれば鬱陶しく思われることもよくあること。もし、「会いたくない営業ランキング」なんてものがあれば、生命保険の営業は相当上位にくるでしょう。
そんなシビアな業界に長年いた結果、相手が何をボトルネックに感じているかを短時間で把握する能力が身につきましたこちらも生き残るために必死ですから、毎日本気で相手の話を聞いているうちに、どんな関わり方をすれば信頼してもらえるかが分かってきました。
おかげで、コンサルに入ると従業員からは、「誰にも言っていないのですけど」というコアな情報が入ってくることもしばしばです。
「この情報って上司は知っている?」「言えないです」「じゃあ私が言うから大丈夫」という感じで、従業員からすると私がいると物事がスムーズに進むので楽なのだと思います。
生命保険営業マン時代にその傾聴力や信頼関係構築力を身につけたということですね。人脈はいかがですか?
大森
そちらも前職が関わってきます。生命保険の営業先は、1年もすれば尽きます。ですから私は2007年に外資系生命保険会社に入社し、2008年に「大森会」というコミュニティを作りました。
「大森会」は今では900名以上に参加いただいています。新規開拓をするうえで営業マン時代の大きな武器だったのですが、実は保険の話は一切しないと決めていました。
大森会は正式名称を、「大森が日々出会った人脈をみなさんに還元する会」といって、とにかくコミュニティの皆さんに役立つ情報を届けることだけを意識していました。
こんな面白いサービスあったよ、この事業は絶対に話題になるから知っておいた方がいい、今こんな人が伸びているといった情報を共有したり、ブロックチェーンやメタバースといった時事的な話題をわかりやすく説明してくれる専門家を講師に迎えて研修会を開いたり。
とにかくギブの精神で運営していったら、人が人を呼び、各分野の専門家やプロフェッショナルが集まるコミュニティになったというのが本当のところです。
自分の介入で物事が解決に向かって加速するのが楽しくて仕方ない
素晴らしいですね。しかし、人脈もあり、営業力もあるとなると、前職の生命保険の営業マンを続けた方が良かったのでは?と思ってしまいます。
大森
人脈が増えるにつれ、「こういう人知らない?」「こんな業界に転職したいんだけど」といった保険に全く関係のない困りごとを相談されることが増えていったんです。
数百名も人脈があれば大抵解決できるので、本業の傍ら年間70〜80件ほど課題解決に尽力していたら、そっちの方が楽しくてしょうがなくなってしまった(笑)。
最初は、「これだけ貢献したら将来保険が必要になったら私に声をかけてもらえるだろう」という下心もありましたし、実際「保険に入るなら大森のところで」と言っていただけることも増えて仕事もどんどん楽しくなりました。
ですが、次第に保険業よりも、自分が絡むことで物事が解決に向かって加速することにより楽しさを覚えるようになったんです。無償にもかかわらず、解決に向けてかなり奔走する日々を送っていました。
そんな時に新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、自分の生き方や働き方を根本から見直すようになりました。
当時は40代前半で、子どもも2人いたので、不安もあったのですが、動かない方がリスクだし怖いなと。
そう思ってからは、2年間ほどかけて事業モデルを色々な人に壁打ちしてもらい、時には先輩経営者の方々にボコボコにされながら、何とか形にしていったのがキャリアドライブです。
今年2月に起業したばかりですが(取材:2023年7月)、有難いことに保健営業マン時代のお客様も利用してくださり、顧客は順調に伸びています。
大森さんが介在したことで改善した事例を教えていただけますか?
大森
『和食日和おさけと』という和食居酒屋を営む会社で、初の360度評価を取り入れた人事評価制度構築プロジェクトに携わらせていただきました。
社員増加に伴って困難になったマネジメントを可視化する目的だったのですが、制度を構築したのはもちろん、毎月の店舗の従業員個別面談のサポートと、従業員の困りごと相談窓口の担当という部分でも評価をいただいています。
飲食店の店長という立場上、誰にも言えなかった悩みの吐き出し口となり、店舗で把握できていなかったボトルネックを炙り出していっています。
人手不足になりがちな中小企業では、従業員の話を丁寧にヒアリングできる余力がないことが多いです。そこに重大な問題が隠れていることが多々であるため、私は非常に重要視しています。
40代が元気になる働き方に人生を賭けて挑戦する
それでは最後に、今後の展望を教えていただけますか?
大森
会社としては、志が高くても様々な問題で困難を抱える中小企業のよき伴奏者でい続けたいと思います。
月に10時間の実働(4回程度のミーティング)で月額5万5千円(プロジェクトドライバー契約)というライトな価格設定にしているのも、中小企業の味方でいたいからです。
前述したビジネスコミュニティを単体で利用したい場合は、月額10,000円です。1社5名から参加できるので、実質1名2,000円。自分で言うのも何ですが、このクオリティーでこの価格は相当お得だと思います。
大森
個人的な目標でいうと、保険業界で培った経験値を他業界にPIVOT(ピボット)できることを立証したいです。40代は守るべきものも多くなるので、攻めの姿勢でいられないのも仕方ない部分はあります。
自分が他の業界で通用するのか?という怖さもあるでしょう。
私もありました。だからこそ、「40代がもっと元気になるような働き方を自分の人生を使って挑戦するから、同世代の方々ぜひ見ていて!」と思っています。
やる気がみなぎっているので、今後の動向を見守っていただけますと幸いです。
プロジェクトドライブ株式会社のステークホルダーとの向き合い方
感謝を伝えたい相手は、スターブランド株式会社の村尾隆介さんです。
村尾さんは、ブランディングを日本で当たり前のものとしたブランド戦略の第一人者。私にとってのブランディングの師匠であり、もう7〜8年のお付き合いになります。
村尾さんの言葉で印象的なのが、「ビジネスが上手くいっている人は、何事も自分にベクトルが向いている」というもの。逆をいえば、上手くいっていない人には、人もお金も情報も集まらない。
村尾さんと出会った当時の私がまさにその状態でした。
「普通の保険屋さん」から一歩抜けるためにも、今後「大森洋介」としてビジネスをしていくためにも、変化しなければいけないと強く感じ、村尾さん主催のブランディング勉強会に毎月のように参加するようになりました。
村尾さんのもとで、保険に携わる人間としてどのように社会に役立つべきかといったあり方を追求させていただきました。
村尾さんを目指し、がむしゃらに学んでは、実行、改善を繰り返していったことで、ようやくベクトルが自分に向く兆しが見えてきました。
そんな時に起こったのが新型コロナウイルスの感染拡大です。世間の状況もマーケットも混乱に陥るなか、私は再び働き方を考え直し、起業を視野に入れて2年間ほど事業コンセプトを練っていました。
しかし、何かしっくりこない。アクセルを踏めず、モヤモヤしていた時に導いてくれたのが村尾さんでした。
「洋介さんは今まで、保険を通してお客さんの人生を支え、より良い方向にドライブさせるライフプランナーとして活躍してきた。その幅を広げよう。個人の人生だけでなく、会社を支え、大きくしていく。そういったプロジェクトドライブという生き方が向いているのでは?」
この言葉が腹落ちし、プロジェクトドライブ株式会社が生まれました。村尾さんは「洋介さんが本気なら一肌脱ぐよ」といって、起業のリアルを教えてくれました。
そのお力添えがあり、今はどんどんお客様が増えている状態です。私の事業は村尾さんの存在無しでは成り立っていません。心から感謝しております。
◎会社概要
会社名:プロジェクトドライブ株式会社
URL:https://your-projectdriver.com
代表:大森洋介
所在地:〒150-0001東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号桑野ビル2階
設立:2023年1月26日
代表電話:03-4363-0852
メールアドレス:info@your-projectdriver.com
◎プロフィール
大森洋介
2004年慶應義塾大学大学院卒。リクルートグループで、学びの情報誌と不動産情報誌の制作ディレクターを経験。その後、外資系生命保険会社の営業職に転職。約16年間で、約40社の中小企業および500世帯ほどの個人顧客を、紹介と自身が発足したコミュニティ「大森会」によるご縁で開拓した。「大森会」は生涯学習と生涯人脈を形成できるコミュニティであり、900名以上が参加し、延べ300回以上のセミナーを実施している。