
海洋ゴミ問題の解決を目指す繊維カンパニーが、水産卸と連携して使用済み漁網から次世代ユニフォームを開発した。服作りの技術で循環型社会を後押しする先進的な挑戦に迫る。
カイタックトレーディングと水産卸が創る海洋保全の新たなる一手
深刻化する海洋プラスチックゴミ問題に対して、アパレル業界から新しい解決策を提示する動きが広がっている。
繊維やアパレルを幅広く手掛けるカイタックトレーディング株式会社は、水産卸大手のザフィッシュファクトリージャパン株式会社と手を組み、使用済み漁網を再資源化したオリジナルユニフォームを共同で企画した。
日本の海岸に漂着するゴミの11%を占めるとされる漁網問題に着目し、長年培った服作りの知見を活かして資源循環の仕組みを形にした取り組みである。
最新のケミカルリサイクル技術が生み出す高い機能性とデザイン

海洋生態系へ悪影響を及ぼす漁網の中でも、ポリエステル素材はリサイクルの難易度が高く、再生手段の開発が遅れていた経緯がある。
同社は推進協議会の理事企業として参画し、分子レベルまで分解する最新のケミカルリサイクル技術を活用することで、高品質なアパレル素材としての再生を可能にした。
完成したポロシャツは使用済み漁網を17%使いながらも、水産の現場で求められる軽さと動きやすさを兼ね備え、従来の作業着のイメージを刷新している。
志を同じくする企業と共に目指すミッションウェアの普及と理念
同社が目指すのは、単に衣類を提供することだけではない。着用すること自体が環境問題への意思表示となるミッションウェアという考え方を広めている。
海で使われた道具がゴミになるのではなく、現場で働く人々の誇りを包む新たな価値へと生まれ変わる。
持続可能なモノづくりを通して、パートナー企業の価値向上や採用活動における魅力付けにも貢献するという明確な目的意識を持っている。
異業種連携の可能性と衣類を通じた持続可能な社会づくり
同社の挑戦は、アパレルの技術と現場の課題が噛み合った時に生まれる大きな可能性を示している。
業界の垣根を超えて「海を守る」という共通の目的で力を合わせる姿勢は、これからの産業界にとって貴重な示唆となる。
資源を捨てることなく循環させる製品開発を軸に、同社が推進する持続可能なビジネスモデルは今後さらなる広がりを見せそうだ。



