企業や団体におけるサステナビリティの追求として、SDGs達成に向けた事業や取り組みをアピールするケースが増えてきました。実際にSDGsへの取り組みを行うとなると、どの目標に向けてどのような施策を企画したら良いか悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
cokiでは、皆さまのSX(サステナビリティトランスフォーメーション)のお役に立つべく、SDGsに対して積極的な企業の取り組みをピックアップしてご紹介しております。
今回取り上げる事例は、日清オイリオグループ株式会社です。
本ページをご参考に、事業におけるサステナビリティ、SDGsに関する活動を進めるヒントにしていただければ幸いです。
SDGsについては、“ 「SDGs」と「サステナブル」の意味|私たちはなぜSDGsに取り組む必要があるのか ”を、ご覧ください。
日清オイリオグループ株式会社のSDGsへの取り組み
- 日清オイリオグループ株式会社 (The Nisshin OilliO Group, Ltd.)
- 業種:油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業 等
- 創業:1907(明治40)年
- 従業員数:3,001名(2021年3月31日現在)
- 参照公式サイト:https://www.nisshin-oillio.com/
日清オイリオグループでは、将来にわたって持続的に成長し、持続可能な社会の実現に貢献するため、6つの重点領域を設定しています。
- 6つの重点領域
- すべての人の健康
- おいしさ・美のある豊かな生活
- 地球環境
- 食のバリューチェーンへの貢献
- 信頼でつながるサプライチェーン
- 人材マネジメント
それぞれの重点領域にどのSDGsの目標が関連しているかは、公式サイトをご覧ください。
日清オイリオのサステナビリティならびにSDGs目標への取り組みは非常に多岐に渡ります。ここでは最近の取り組み事例をピックアップして見ていきましょう。
※取り組み事例の中には、複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表的な目標を掲げて記載しています。
目標3「すべての人に健康と福祉を」への取り組み
目標3の ゴール は「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。
日清オイリオでは、2017年に「健康経営宣言」を制定。会社にとって最大の財産である社員とその家族の心身の健康を維持・増進することこそ、経営における重要な「投資」であり企業経営の基盤であるという考えを打ち出しています。
生活習慣病予防・禁煙促進・こころの健康の3点を重要施策として設定。労働生産性(アブセンティーイズム、プレゼンティーイズム)の改善に向け、健康指標を設けて取り組みを行っています。予防については、健康保険組合と一体となり、各種がん検診の実施、人間ドックの費用補助、無料歯科検診、予防接種といった疾病予防事業のほか、社員食堂において、「健康な食事・食環境」認証制度の審査・認証を取得した「スマートミール」の基準に沿った定食メニューの提供や、フィットネスクラブや社内部活動などの運動・コミュニケーション促進などです。
また、それぞれの取組について数値目標を掲げ、生活習慣病予防に対しては、BMI25以上の肥満リスク者の割合を低減させたり、喫煙率の割合を下げることを目指しています。こうした取り組みは外部からも評価され「健康経営優良法人2021 大規模法人部門」に認定されました。
目標12「つくる責任つかう責任」への取り組み
目標12の ゴール は「持続可能な生産消費形態を確保する」です。
アプラヤシの果実から得られる植物油であるパーム油は、食用油だけでなく、化粧品・パーソナルケア用品、洗剤、医薬品など生活用製品からバイオ燃料に至るまで幅広く利用されています。しかし、パーム油を生産する赤道近辺の東南アジア諸国では、熱帯林の破壊やそれに伴う生物多様性の喪失、土壌汚染や現地の労働者問題などが大きな問題となっています。
日清オイリオでは、2018年6月に、持続可能な社会の実現・発展を目指したサプライチェーン全体における取り組みを推進するべく「日清オイリオグループ調達基本方針」を制定。パーム油産業の健全な発展への貢献に向けた「パーム油調達方針」を制定しました。
2018年12月には森林破壊ゼロ、泥炭地における新規開発ゼロ、先住民、労働者への搾取ゼロ(NDPE:No Deforestation, No Peat and No Exploitation)へのコミットメントを行い、、2019年7月からはトレーサブルで透明性のあるパーム油調達を推進するために「認証油割合」と「搾油工場までのトレーサビリティ割合」などを公開しています。例えば、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証油のSG比率については、2020年1-12月までで46.8%。この割合を半分以上に高めることを目標としています。さらに日清オイリオグループHPにて、搾油工場リストを公開し、半年毎に更新。持続可能な方法で生産された原料を用い、将来にわたって安定した供給を行うことができるように取り組んでいます。
目標13「気候変動に具体的な対策を」への取り組み
目標13の ゴール は「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」です。
日清オイリオグループ株式会社では、2030年に向けた環境目標「環境目標2030」を制定。2021年2021年3月より「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明。国内賛同企業等による組織「TCFDコンソーシアム」に参画しています。
環境分野においては、すでに2017年にはエネルギー調達から供給までの最適化を行うコージェネレーションシステムを活用し、横浜磯子工場など主要生産拠点のエネルギーネットワークを構築。2019年度には、年間約700トンのCO2排出量を削減、他にも工場内照明のLED化や製造工程ブロアーのインバータ化、ラインコンベア輸送の効率化など、省エネの取り組みを実施して、約1,280トンのCO2排出量を削減しています。この取り組みは「第7回ヨコハマ温暖化対策賞」も受賞しました。
また、サプライチェーンの温室効果ガス排出削減を推進するため、インターナルカーボンプライシング(ICP:排出の削減を目的として、企業が自主的にCO2の価格付けを行うこと)の導入を表明。ら再生可能エネルギー活用によるCO2排出量削減の推進に期待が寄せられます。
SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」への取組事例~cokiの記事より
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参照: coki
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