
それぞれの事情と向き合い、住民や管理組合の想いに寄り添いながら、そのマンションにとっての最善策を導き出す。長く住み続ける住まいのための選択を支える、大阪に本社を置く株式会社AK建築設計(以下、AK建築設計)。修繕、建替え、敷地売却――AK建築設計が提案するのは、住まいと人のこれからを見据えた、オーダーメイドの選択肢だ。
総合コンサルティング会社として、幅広い選択肢を提案し、ワンストップで実現できる会社は前例がない。まさに、業界の先駆者として新たな道を切り開いている最中だ。そんな同社の価値観や理念、展望についてAK建築設計 取締役の二木氏に伺った。
“住まいの再生”に寄り添い続ける。AK建築設計の信念
私たちの暮らしを支える住まい。日々の生活を見守り、ライフステージの変化を共にする存在でもある。そうして長く付き合っていく住まいは、建てて終わり、住んで終わりではなく、定期的に修繕を行い、時には建て替えという選択も必要になる。マンションの場合、10~15年ごとに大規模修繕工事を行うのが一般的だ。
そんな“住まいの再生”を提案するのが、総合コンサルティング会社のAK建築設計だ。分譲マンションの大規模修繕をはじめ、建替え、敷地売却、耐震補強といった“再生”も手掛けている。年間の依頼件数は年間45棟。関東・関西最大級のプロジェクト実績を誇る。
AK建築設計が考えるマンションの再生の基本は「修繕・改修による対応」。しかし、長く住んでいると老朽化が進み、修繕積立金の増額や耐震性能の不足、設備の劣化といった問題が発生し、修繕や改修だけでは限界を迎えてしまう。
そんな時に次の一手となるのが、建替えや敷地売却といった選択肢だ。改修以外にどんな選択肢があるか、それぞれのマンションに寄り添い、多様な将来の選択肢をオーダーメイドで提案するのがAK建築設計の“マンション再生”の形だ。

そして、様々な選択肢を提案からその実現まで、ワンストップでできるのも総合コンサルティング会社であるAK建築設計ならではの強みだ。
専門のコンサルティング会社の場合、修繕を担当する会社から建替えを担当する会社への移行が必要になり、マンション情報や住居者様の意向が共有されなかったり、調査のやり直しやコミュニケーションによる時間がかかったり、コストが増えたりする。
一方、総合コンサルティング会社であれば、建替えを見据えて修繕計画を立てて予算をバランス良く配分したり、修繕から建替えへの移行もスムーズに進んだり、残った資金を美観向上や設備強化に活用したりすることもできる。そうした「お客様の“手間”を減らして、“選択肢”を増やす」ことこそ、AK建築設計のこだわりなのだ。
「弊社は、ワンストップでサービスを提供し、最後までお客様とご一緒することを大切にしています。そして、ワンストップであったとしても情報が偏らず、全ての情報を公平に伝えることも私たちの基本です」(二木氏)
このようにワンストップで大規模修繕工事と建て替え、再生のコンサルティングを並行してできるのは、全国を探しても数えるほどしかないという。住まいの再生は10年単位で時間がかかり、新たに参入しようとしても事業を完成させるのに最低でも10年はかかってしまうからだ。また、マンション建替えの事例は全国で200棟ほどしかなく、それを手がけているのも大手のデベロッパーがほとんど。そういう意味でも、参入のハードルは高い。
その中でAK建築設計は「総合コンサルティング」に力を入れ、独自の強みとノウハウを確立してきた。
“生涯のコンサルタント”としての自信と挑戦
マンションの大規模修繕は、管理組合や管理会社だけでも進めることができるため、コンサルタントを無理に入れる必要はない。しかし、AK建築設計はそこへあえて参画している。
「多くのお客様は建築が専門ではありませんから、『分からない』ことによって選択肢が狭まったり、余計に修繕費がかかったりしてしまう可能性があります。そこで、弊社が建築専門の会社として代わりにコーディネートすることによって、当初の予算を維持しながら適正な価格と適正な工事を実現し、お客様に大きなメリットを提供します」(二木氏)
実際、工事中の継続的なコスト見直しによって約15%のコストを削減したり、修繕コスト削減によって予算内でのエントランス改修したりといった実績もある。そうした確かな実績とノウハウがあり、それに自信を持っているからこそ、“あえて”参画することを選んでいるのだ。
長く住み続けるための、まさに「生涯のコンサルタント」とも呼べる存在のAK建築設計。それと同時にお客様との付き合いも10年、20年…と長い期間になるため、信頼できる会社であることはもちろん、「寄り添うこと」をとても大切にしているという。
「そのマンションの住民のような意識を持ち、当事者の立場で考えることが、パートナーシップにおいては最も重要だと思います。寄り添うパートナーであることを常に意識し、『仕事の一環で関わっている』のではなく、『自分が住んでいたらどう感じるか』という目線で考える姿勢が社内にも浸透しています」(二木氏)
「仲間」と共に作り上げる楽しさがやみつきに
ー働く上で大事にしていることは何ですか?
仕事をする中で、自身の評価において「成果」が先行する方がいます。もちろん、個人の働きぶりはきちんと評価しています。ただ、評価というものは、人に寄り添って対話し、専門性を発揮してできることをしていった先にあるものだと思うのです。「誰のために何をしているか」を見失わず、全体を見て動ける人材を育てること。それが私の使命であると考えており、大事にしていることです。
ーこれまで、仕事の中で印象的だった出来事はありますか?
今までの仕事で一番印象深いのが、駐車場の問題で困っていたマンションのプロジェクトです。維持費がかかり財政を圧迫する機械式駐車場をやめたいと相談をいただき、隣の土地を購入して平面駐車場を作ることになったんです。そのプロジェクトの間はマンションの管理組合と協力しながら、一緒に事務所に交渉しに行ったり、周りと折衝したりしながら、3年ほどかけて平面駐車場を作り上げました。
そうやってプロジェクトの中に入って一緒に動くものですから、最終的にはお互いに同志のような関係になるんですよ。最初は仕事の関係だったのが、だんだんと仲間になっていくような感覚ですね。仕事を通じて仲間が増えることがこの仕事の醍醐味であり、それを強く感じたプロジェクトでした。
ーこの仕事の面白さはどんなところだと思いますか?
お客様と共に作り上げることによる達成感を味わえるのが一番の面白さです。
私たちの仕事は人との関わりがとても大切で、その場、そのプロジェクトでの人との関わり方によってかなり密度の濃い仕事になるんです。そもそも、建物が人と切り離せない関係にありますから。だから、ある時は踏み込んで話をしたり、時には対立したりすることもあります。そして、プロジェクトが終わった時には一緒に喜んでお酒を飲み交わしたりもします。
さらに、プロジェクトが終わって何年かして、また新築や建替えの依頼をいただくこともありまして。そういう時は、自分の仕事が誰かに必要とされているのだと自信を感じます。そういう楽しさや面白さを覚えると、やみつきになってしまう仕事なんです。
業界を切り拓く先駆者になりたい
ー社会も急速に変化している中で、この業界に対してどのような課題を感じていますか?
建築業界には新築を手がける分野と、既存の建物を修繕する分野があります。新築分野は最先端の建築技術をどんどん取り入れているのに対して、修繕分野は既にある建物のリフォームや増築をするため、新築分野より一歩技術が遅れているという認識を持たれがちです。
実際、技術力やコンプライアンス意識、社会からの認知を高めていくことを急がなければ、修繕分野は置いていかれてしまうでしょう。建物を修繕して長く使っていくのはとても大切なことですから、新築の技術力をいち早く導入して追いつき、新築分野にも引けを取らない業界にならなければならないと常々思っています。
ーその中で御社はどのように貢献したいですか?
あらゆるマンションの未来に選択肢を提供するため、様々な分野にワンストップで幅広く対応できるコンサルティング会社の先駆けになりたいです。そういう会社はまだないので、私たちが先駆けとなって業界を切り拓いていきたいですね。
ー今後の目標をお聞かせください。
これまで20年ほどこの業界で働いてきて積んだ経験や得たノウハウを次世代に伝え、新しい企業形態と独自性を確立する。これが私の人生の目標です。必ず達成できるという確信を持って日々取り組んでいるので、これからも変わらず目標に向けて邁進してまいります。
◎会社情報
社名:株式会社AK建築設計
住所:〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4-11-28-4F
設立:2011年2月
代表者:山本 侑介
社員数:25名
URL:https://ak-sekkei.co.jp/
◎インタビュイー
株式会社AK建築設計 取締役
二木勉