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株式会社エース・リフォーム

https://ace-reform.jp/

〒399-3105 長野県下伊那郡高森町牛牧56-1

恩と感謝が会社の地盤。様々な地域に寄り添う、住まいのお医者さん

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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エース・リフォーム 代表取締役 大谷公昭氏

私たちの身体が定期的な検診や治療が必要なように、住まいも定期的な点検やメンテナンス、時には修繕が必要だ。そんな「住まいのお医者さん」として寄り添うのが株式会社エース・リフォーム(以下、エース・リフォーム)だ。

同社は長野県を中心に関東圏へも拠点を展開し、今後は他の地域への拡大も予定している。一方で、会社が大きくなっていく中でも、人をないがしろにせず、地域も大切にしていきたいと語るのは、代表取締役の大谷公昭氏だ。

地域や人に寄り添いながら、幸せになる人を全国で増やしていく同社の取り組みや思いとは。大谷氏に伺った。

胸を張れる会社でありたい。地域で“価値ある仕事”を

長野県下伊那郡に本社を置くエース・リフォーム。一般住宅の外回り工事を中心に、住宅の内外装のリフォームを手がけている。長野県の小さな町からスタートした会社だが、現在は長野県内に複数拠点と岐阜県中津川市、山梨県甲府市、東京都八王子市にも展開している。

同社の経営理念は「未来の環境と豊かな暮らしのために『全力を尽くして価値ある仕事』を行い、塗装・外構・リフォーム事業を通じて地域社会に貢献すること」。大谷社長にとっての「価値ある仕事」とは、どのようなものなのだろうか。

「建築業は『クレーム業界』とも言われるほどクレームが多い業界です。例えば、風や地震で家が揺れたり、寒暖差の激しさで収縮したりして、その伸び縮みによって完成から数年経って初めて現象が現れることがあります。だから、どれだけ一生懸命作ったとしても、クレームは起こりうるものなのです。ただ、だからといってそれに甘んじてはいけません。クレームがないように仕事をするのは当然の話。大切なのは、必死に精一杯仕事をしてもクレームになってしまった時に、どう対処するかだと思います。だから、クレームがあった時にお客様が安心できるような体制づくりまでを含めて、価値ある仕事だと考えています」(大谷社長)

その考えを体現するのが、同社の最大の強みである、迅速かつ丁寧なアフターフォローだ。アフターメンテナンス専門の部署を構え、完工後に不具合が生じた時にはすぐに駆けつけ、適切に処置を施す体制も整えている。

そんなエース・リフォームは、お客様だけでなく地域も大切にする会社だ。設立当初から地域に寄り添い続け、ボランティア活動や青少年育成事業に積極的に取り組んできた。飯田動物園への塗装ボランティア活動から始め、現在は松本城公園、甲府市遊亀公園動物園、高尾山薬王院などに塗装ボランティアを実施。2006年からはミニバスケットボールの「エースリフォーム杯」をスタートするなど、活動は多岐に渡る。大谷社長は、地域密着型企業として誰に見られても恥ずかしくない会社であることが自らの“生命線”だと自覚しているという。

「この会社は地域に育てられていると思っています。だから、家族やきょうだい、両親、親戚に自慢できる会社でありたいんです。そのために、価値ある仕事はもちろん、地域貢献も大切にしています。例えば、八王子支店の従業員が高尾山のボランティアをしていることを家族に話したら、『いい会社だね』と安心してもらえたという話もありました。そのように従業員やその周囲の人が安心して働ける環境を作り、地域へ胸を張れる会社でありたいです」(大谷社長)

エース・リフォーム 地域での活動

初めて飛び込んだ塗装の世界で、社長になるまで

大谷社長は十代で塗装会社に就職。初めて飛び込んだ世界で、先輩たちの背中を見ながら学んできた。高い技術力を持ち、自分の仕事にプライドを持っている姿に憧れを感じ、自身も腕を磨いていったという。

「現場に入ると目が変わるんです。さっきまで私が運転している隣で眠そうにしていたのに、現場に着いた途端にスイッチが入って、すっと仕事に入っていくんですよね。淡々と仕事をこなして、しかもやり直しがない。すべて完璧に仕事をこなしていく姿はすごかったですね」(大谷社長)

その後、建設会社に転職し、材木の加工や土木、整地、基礎工事などの業務に従事して家づくりのスキルを習得。営業職を経たのち、とある塗装会社にヘッドハンティングされて営業職を極めることになった。

そんな中、昔から抱いていた「お金持ちになりたい」という思いから、その手段として独立を視野に入れていたという大谷氏。当時の会社の社長に「将来、独立するつもりです」と話したという。すると、社長は応援してくれ、その3年後には長野県の支店を格安で譲渡してくれた。

「その方には感謝しきれないほどの恩を感じています。でも、会社を譲ってくれた理由は未だにわからないんです。だから、その方に恥じないように、そして『あんな奴に譲ったからこんなことになったんだよ』と言われることがないように、今の会社を作っています。また、その方が困った時に今度は自分が助けられるように、今の会社をしっかりと築き上げていきたいと思っています」(大谷社長)

人や地域への思いを持ち、あたりまえのことを確実に、そして丁寧にこなしてきたエース・リフォーム。地道に、でも一歩一歩確実に、お客様や関わる人を増やしてきている。今後は沖縄県や新潟県でも拠点を立ち上げる計画を立てているという。

「沖縄や新潟は気候条件が厳しく、塗装に関しては難しい地域です。だからこそ、多様な現場で培ってきたノウハウを存分に生かして、貢献していきたいと考えています。また、拠点を広げることで、当社を通じて幸せになる人も増やしていきたいです」(大谷社長)

エース・リフォーム 代表取締役 大谷公昭氏

「やっと人間になれた」アメリカでの経験が大きな変化に

ー大谷社長は2017年にアメリカ・ロサンゼルスへ移住し、現地でも工務店やレストランを立ち上げられています。その後、2021年に帰国されていますが、当時の背景を教えてください。

従業員が育って現場を託せるようになったことを機にアメリカへ渡り、オオタニ工務店を立ち上げました。一からの立ち上げだったので最初こそ苦戦したものの、徐々にお問い合わせをいただけるようになっていきました。最初の3ヶ月は日本から連れてきた従業員がいたのですが、ビザの関係で帰国せざるを得なくなりまして。その後は私が自分で現場に行き、いろいろな工事をしていました。

また、寿司レストラン「MUTSUMI SUSHI」もオープンし、順調に伸びていました。しかし、コロナ禍が訪れ、否応なしに休まなければならなくなってしまい…。売上は悪化して人も解雇しなければならなくなり、自分のお金を会社に入れても枯渇していくばかりでした。

加えて、当時は現地の日本人のコミュニティが日本人を食うためのコミュニティになっていて、同じ日本人に何度も何度も騙されたんです。日頃、汗だくになって人の汚物にまみれてウォシュレット設置の工事をして、コミュニティでは同郷の人に騙されて。こんなところに何しに来ているんだろう、と周りの環境に押しつぶされそうになっていました。

それでも働いていたのですが、2年を過ぎたころ、とうとう奥さんに「こんなところはもう無理だ。周りにいる人間全部が嫌だ。帰りたい」と泣いて話したんです。すると奥さんに「子どもたちはあんたのわがままでアメリカまでついてきたんだよ。あの子たちが必死に頑張ってくれているんだから、あんたも必死になったらどう?」と言われたんです。

その時に腹の中で何かがバンって落ちたんですよ。腹が決まった感覚がありました。それで腹を据えて動き始めたらそれまでと行動が変わったのか、いろいろなことが好転し始めたんです。工務店では毎日お客様のところへ行けるようになり、レストランもお客さんが増え始め、国からの補助金で損失が戻って以前のように続けられるようになりました。

それから1年は楽しくてしょうがなかったのですが、日本に戻ることを決めていたので、工務店もレストランも現地のスタッフたちに任せて帰国しました。任せながらも日本でできることはやりながら、今でも定期的にミーティングを続けています。そうして今は、オオタニ工務店はロサンゼルスでは知らない人がいないぐらいの工務店に成長し、レストランは私が行かなくてもマネージャーが良いお店作りを一生懸命にやってくれていています。

ーアメリカでの経験から、何を得ましたか?

最初は何の気なしに行ったアメリカでしたが、人として本当に成長させてもらいました。何よりも一番勉強させてもらったのは「人の大切さ」です。何度も何度も人に騙されたけれど、最後に助けてくれたのは人だったんです。人ってこんなに大事なものだったんだ、とようやく気が付きました。

正直に言うと、アメリカに行く前はエース・リフォームの社員たちを駒のように扱っていたんです。でも、人の大切さを学んでから、何があっても人への感謝を忘れないようにしようと思うようになり、ちょっとしたことでも「ありがとう」と伝えるよう心がけています。

そうしていたら、アメリカに行く前から長く働いている従業員の一人が「社長、アメリカから帰ってきて変わりましたね。正直、アメリカへ行く前の社長は大嫌いでしたよ。でも、今の社長は大好きです。それぐらい変わりました」って。もう、涙が止まらなかったです。周りからも、以前と顔つきや目つきが全然変わったと言われます。
これがアメリカを経ての一番大きな学びと変化です。腹を据えた2019年ぐらいから、やっと人間になれたような気がしています。今ようやく5歳になったところですね(笑)。

エース・リフォーム 代表取締役 大谷公昭氏

地域に寄り添い、幸せになれる人を増やしていく

ーこれから、どんな会社になりたいと考えていますか?

今、それを必死に考えているところです。というのも、拡大していった先で人がないがしろにされる環境が増えていくんじゃないかと思っていて。でも、幸せになれる人をもっと増やしたいという思いもあるので、葛藤しています。

エース・リフォーム 地域での活動

ーこれから取り組みたいことはありますか?

地域の子どもたちがいろいろな世界を見られるような支援をしていきたいです。2016年には長野県飯田市上郷黒田の古民家を再生したシェアスペース「桜咲造(さくらさくぞう)」を、高校生の学びの場として開設しました。空き家再生や青少年育成、地域貢献を軸に活動し、長野県知事を交えたタウンミーティングなどのイベントも開催し、子どもたちの自信につながるきっかけが作れたと思っています。

その取り組みを前身として、2022年からは飯島町で「桜咲代(さくらさくよ)」という無償のシェアスペースを手がけています。飯島町は人口8,000人の小さな町で、「陸の孤島」とも呼ばれる場所です。この町で多世代が学べることをコンセプトに、いろいろな取り組みをしています。

今後は、ここを利用者たちに無料で価値ある場所を提供し続け、利用者が利益を上げることができるようになった時に、ここへ還元してもらえる循環を生み出せるような場所にしたい。それは私たちだけでなく、様々な会社や人を巻き込んでいかなければなりません。そのために、地域つくりカンパニーの設立を目指して、関わってくれている方々と共にミーティングを重ねています。

飯島町は2つのアルプスが見える町で、空気も人も良く、水も食べ物も美味しく、子どもたちも素直に育つ場所だと思います。この場所といろいろな地域、人とがつながっていってほしいです。これからも私たちは、地域とともに歩んでいきます。

◎プロフィール
大谷 公昭
株式会社エース・リフォーム 代表取締役

◎会社概要
会社名:株式会社エース・リフォーム
代表者名:大谷 公昭
住所:〒399-3105 長野県下伊那郡高森町牛牧56-1
設立:平成17年(2005)9月22日
URL:https://ace-reform.jp/

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ライター:

フリーライター。昔から感想文や小論文を書くのが好きで、今なお「書くこと」はどれだけしても苦にならない。人と話すのが好きなことから、取材記事の執筆が主軸となっている。新潟県で田んぼに囲まれて育った原体験から、田舎や地方への興味があり、目標は「全国各地で書く仕事をする」こと。

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