LANYは「すでにSEOで80点が取れている企業」をターゲット層にしている。
オールアバウトも、すでにSEOで80点が取れている企業だった。インターネット上に落ちている情報だけでも、80点は取れるという。しかし、80点から100点にするのは難しい。
例えばSEOの順位を3位から1位に上げるためには、オーダーメイドなことをやるべきだという。
そこでLANYには、80点のSEOを100点に持っていくためのノウハウがある。海外の情報や様々な領域のコンサルで得た知見を活用し、100点にしているのだ。
「ギブの精神」で無料コンテンツを蓄積
LANYが安定して成果を出し続けられるのは、ギブの精神を強く持っているからである。
LANYは、大量の情報を無料で出している。社員が3人であるにも関わらず、ブログ120本、YouTube100本、メルマガ200通、ウェビナーを25回も開催した。
これらは全て無料だ。竹内さんいわく「正しいことを、速く、大量に実行してきた」結果、LANYの有益なコンテンツが蓄積したという。
コンテンツ経由で仕事が頂けるため、営業に費やす時間を削減でき、お客様と向き合う時間を増やせたのだ。その結果、お客様の満足度向上に繋がっている。
さらに「竹内に仕事を任せたい」から「LANYに仕事を任せたい」と思ってもらえるように、社員や業務委託者を増やした。
最初は、竹内さんへの信頼からいただいた仕事を他の人に任せることに、葛藤があったようだ。しかしこの葛藤を乗り越えることで、LANYのブレイクスルーに繋がった。
”共感”によるお客様選びが、全身全霊のコミットと社会貢献を可能に
LANYには、毎月20件程度の新規問い合わせが来る。しかし、心からお客様のサービスに共感できなければ仕事を受けないようにしており、毎月5〜6件は断っているという。
その理由は担当者が全身全霊で案件にコミットできず、成果が出にくい場合があるからだ。
そうなると、ご依頼頂くお客様にも迷惑をかけてしまう。LANYのようなマーケティングの支援会社は、お客様のプロダクトやサービスを通さないと、世の中に価値貢献できない。
そのため「クライアントの考えに共感できない場合は、自分たちも納得がいく社会貢献はできない」と考えているのだ。
お客様に共感できるかどうかは、会社の成り立ちや背景を徹底的に調べるという。会って話した雰囲気も大事にし、お客様を選んでいる。
そこで「世の中に必要とされており、自分たちが助けたい!」と思ったプロダクトやサービスを展開している会社であれば、一緒に仕事をするようにしているのだ。
価値があるものを世に出すためにプロボノを開始
LANYは2023年11月から、プロボノを始めている。現在支援しているのは、1社のみ。プロボノとは、社会的な貢献や支援のために自発的に活動することだ。
そこにお金は発生しない。竹内さんは、創業当時からプロボノに興味があったという。
価値あるものを作っている人の中には、まだお金にできていない人も多いはず。そういった人を助けて、世の中を良くする手助けをしたいと考えたようだ。
しかしLANYのコンサルプランは、月に50〜60万円。安い費用ではないため、払えない人が多いのも当然だ。
LANYもビジネスを成り立たせる必要があり、無料でコンサルティングをしたら既存顧客は怒るだろう。
そこでお金のために運営していない非営利団体であれば、LANYが非営利で助けても問題ないと思い、プロボノ活動開始に踏み切った。
社員自らが社会課題を見つけてプロボノできる環境に
「現在は1社しか支援していないが、今後は年間で社員1人につき1〜2件はプロボノ案件を持つようにしたい」と竹内さんは語る。竹内さんは、地方と都会の両方に住んだ経験があるという。
そこで地方は情報量が限られているため、生きていくための選択肢が少ないと感じたのだ。
竹内さん自身は、地方と都会の情報格差を解消するために、培った知識や経験を活かして社会貢献していきたいと考えている。
「LANYの社員も興味がある社会課題を自分で探し出し、LANYで得たスキルや経験で社会貢献するようなプロボノ活動をして欲しい」と竹内さんは願う。
そのために、お金にならなくても一定のリソースをプロボノに費やせるような仕組みを整えていくつもりだ。社会に対して優しく、事業としても伸ばしていくのが目標である。
社会に価値貢献したい人もLANYを選んで欲しい
プロボノには、採用活動を活発にする狙いもあるという。現在の20代は、すでに満たされている人が多いと言われている。
「たくさん仕事をして、たくさんお金を稼ぎたい!」という人は少数派ではないか。しかし「世の中に価値を与える仕事をしたい」と考えている人は増えているという。
世の中に価値貢献したい人は、LANYのようなマーケティングの支援会社は選ばない。
専門性をマネタイズしているように見えるからである。そこで「プロボノができるマーケティング支援会社というのは、魅力的に見えるはず」と考え、竹内さんはプロボノ活動を大々的に進めているのだ。
「デジタルマーケといえばLANY」の環境を作る
クライアントとクライアントのサービスを愛せる人と、竹内さんは一緒に働きたいと願っている。共感力があって根が良い人は、専門性を伸ばせると信じているそうだ。
今後は1人で担当を10社20社持つのではなく、1人5社までと決めて、クライアントのことを好きになる環境を整えていくとのこと。
現在は「SEOといえばLANY」というイメージがある。
しかし今後は「デジタルマーケといえばLANY」と言われるように会社を作っていくとのこと。社員には、マーケティング全般をできるようになってもらうのだ。
例えば、SEOが不要なお客様へは、広告やメルマガの提案を行う。
もしマーケティングで解決できないのであれば、人材紹介やM&Aの仲介もできるようになってもらいたいようだ。包括的なプレーヤーを目指すのであれば、LANYはうってつけの環境である。
マーケティングの力で素晴らしいサービスを届けたい
LANYは今後も「価値あるものをインデックスさせる」をミッションにしていく。
そのために、自分たちが愛せるお客様やサービスに絞って支援していくことは変わらない。「我々の思いに共感して、世の中に価値貢献したい人がいれば一緒に働きたい」と竹内さんは話す。
世の中に価値があるプロダクトやサービスはたくさんある。
しかしマーケティングやデジタルの力がないため、クローズしている事例は多い。竹内さんは「世の中に埋もれてしまった素晴らしいサービスを、マーケティングの力で届けたい」と語る。
創業から右肩上がりに成長してきたLANYは、これからどのような働きをしていくのか。LANYの働きで価値あるものがインデックスされた世界を楽しみにしたい。