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北尾吉孝フジテレビ会見が招いた“波紋” 箕輪厚介のガッカリ動画、近藤太香巳人選にSNS騒然

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会見直後に株価急落、批判コンテンツが一気に拡散

北尾 近藤
北尾氏と近藤氏(提供:株式会社NEXYZ.Group)

4月17日午後、SBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝氏は、ダルトン・インベストメンツが株主提案したフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の社外取締役就任を正式に受諾すると表明した。

だが会見が配信されるや、FMH株は朝方の上昇分を吐き出して反落し、終値は前日比1%安の3,031円。「意外性に欠ける」と冷めた投資家の売りが優勢となり、市場には失望ムードが漂った。

 

会見で語られた“フジHD再生”シナリオ

SBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝氏は17日、都内で記者会見を開き、米アクティビストファンドのダルトン・インベストメンツが株主提案したフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の社外取締役就任要請を正式に受諾したと表明した。

北尾氏は「広告一本足打法から脱却し、知的財産(IP)を核に世界展開を図るべきだ」と強調。不動産・持ち合い株売却で得た潤沢な資金をデジタル化とコンテンツ投資に振り向けるよう提案し、「自らの報酬は受け取らず、世のため人のために汗をかく」と語った。​

役員人事をめぐっては「会社側は体制を練り直すべきだ。清水賢治社長は残ってもよい」としつつ、ダルトン側が挙げたネクシーズグループ近藤太香巳社長の起用には「最もメディアに精通した経営者」と賛同。一方で、ダルトンが示唆する不動産売却益の株主還元については「議論は必要」と含みを持たせた。​

 

株価は乱高下、社内外に広がる動揺

会見開始直後にFMH株は一時年初来高値を付けたものの、質疑応答が進むにつれ失望売りが膨らみ急落。「時が止まった20年」という日経ビジネス電子版の見出しが象徴するように、市場は改革の実効性に懐疑的な視線を向けた。​

箕輪厚介「抽象論ばかり」――ガッカリ動画と“激怒”説

出版プロデューサーの箕輪厚介氏は同日深夜、自身のYouTubeで《フジテレビ北尾さんの会見にガッカリした話》を公開。「20年前の企画書かと思うほど抽象的」と酷評した。この動画が瞬く間に拡散すると、関係者経由で「北尾氏がめちゃくちゃ激怒しているらしい」との噂が流れ、箕輪氏は「怖い。もはやフジテレビよりフジテレビ」と苦笑。ガジェット通信も経緯を詳細に報じ、再生数は急伸した。​

田端信太郎・下矢@広報支援ら識者も次々参戦

 

元LINE幹部の田端信太郎氏はXで「謝罪動画→謝罪の謝罪動画までが様式美」と皮肉を重ね、SNS上の論戦を加速させた。広報コンサルタントの下矢一也氏は「こんなに中身のない会見は、なかなかない」と投稿し、構想の古さと独裁的な物言いを批判。「株主総会前に準備不足が露呈した」と手厳しかった。​

近藤太香巳起用の真意“信頼できるメディア経営者”か

ネクシーズの近藤さん
提供:株式会社NEXYZ.Group

会見で北尾氏は、ダルトン側の人選にネクシーズグループ代表の近藤太香巳氏を推した理由を「メディア・エンタメ分野で最も知見があり、長年のビジネスパートナーとして信頼している」と説明した。PR TIMESには、近藤氏が同日公開した「フジテレビの放送・メディア事業の改革」資料と動画が掲載され、IP活用策や広告依存脱却のプランが示されている。

もっとも、市場やSNSでは「得意の営業力は評価するが、地上波の構造改革は未知数」(アナリスト)との懐疑的な声も多い。

冨山和彦「基礎工事が欠落」ガバナンス論争はヒートアップ

 

日本取締役協会会長の冨山和彦氏はXに「ガバナンスの土台が壊れている。基礎工事をやり直さねば上モノは簡単に倒壊する」と警鐘を鳴らし、候補者層の薄さと“女性取締役比率アップ”だけの対症療法を批判した。投稿は瞬く間に拡散し、「昭和型トップダウンでは改革は進まない」との意見が多く寄せられた。

総会は“公開オーディション”へ アクティビスト vs. 旧経営陣

6月の定時株主総会に向け、ダルトン提案12人、会社側提案13人が入り乱れる前例なき“総選挙”が迫る。北尾氏と近藤氏のタッグが示す「IPドリブンの世界展開」が株主・社員・クリエイターの支持を得るのか、それとも「ガバナンス崩壊」を指摘する専門家の懸念が勝るのか――。会見後に広がった波紋は、フジテレビの未来図を占うリトマス試験紙になりつつある。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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