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瓶牛乳の終焉と今後の展望――100年の歴史が示す未来

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瓶牛乳の終焉と今後の展望――100年の歴史が示す未来
DALL-Eで作成

長年にわたり日本の食卓や銭湯、学校給食で親しまれてきた瓶入り牛乳が、相次いで販売終了を迎えている。明治、森永乳業、小岩井乳業といった大手乳業メーカーは、需要の低迷やコスト増を背景に瓶牛乳から撤退する決断を下した。一方で、オロナミンCやラムネ瓶など、一部の瓶容器は根強い支持を受けている。なぜ瓶牛乳は姿を消しつつあるのか。その背景と今後の展望を探る。

 

瓶牛乳が主流だった理由

瓶は密閉性が高く、雑菌の侵入を防ぎやすかった。牛乳は腐敗しやすい食品であり、特に冷蔵技術が未発達だった時代には、瓶が品質保持に適していた。また、昔は資源の有効活用が重視されており、ガラス瓶は回収・洗浄して再利用が可能だった。特に日本では、瓶のデポジット制度(返却時に一部料金が戻る仕組み)も一部で導入され、エコな選択肢として機能していた。

牛乳は主に宅配や銭湯、学校給食といった形で提供されていたため、小分けの瓶が適していた。特に戦後は、牛乳配達が一般的であり、瓶の形状が運搬や受け取りの利便性を高めていた。紙パックやプラスチック容器が登場する前は、液体を安全に保存・流通させるための手段として、ガラス瓶が最適だった。紙パックの耐久性や密封技術が向上するまで、瓶はほぼ唯一の選択肢だった。

瓶牛乳の販売終了が相次ぐ理由

明治は2025年3月末をもって、「明治牛乳」「明治コーヒー」など瓶入りの乳飲料の販売を終了する。約100年の歴史を持つ商品も、需要低迷と瓶の調達難を理由に姿を消す。森永乳業も2024年に宅配向け瓶牛乳の販売を終了。小岩井乳業は2021年に瓶商品の一部を廃止している。

瓶牛乳の生産量は、この10年で大幅に減少した。農林水産省の統計によれば、500ml未満の瓶入り牛乳の生産量は2023年時点で10年前の3分の1に減少し、全体のわずか1.6%に過ぎない。特に学校給食における瓶牛乳の採用は減少しており、現在採用している自治体は全国で13道県のみとなっている。

瓶牛乳の撤退と他社との差別化

 

瓶牛乳の販売終了の主な理由は、需要の低迷とコスト増だ。従来、瓶容器は再利用可能なため環境負荷が低いとされていたが、実際には瓶の回収・洗浄・再利用に多額のコストがかかる。宅配向け瓶牛乳を終了した森永乳業は、瓶の返却手間を減らし、洗浄・乾燥といった設備維持の負担を軽減することが目的と説明する。

一方で、瓶を維持する企業もある。オロナミンCを製造する大塚製薬は、瓶が製品の品質保持に適しているとして現在も瓶容器での販売を継続している。また、ラムネ瓶は海外需要の拡大により、生産量が10年で約3倍に増加している。特に欧米ではガラス瓶が環境に優しいと評価され、輸出が拡大している。しかし、ビー玉を製造する国内メーカーが2社しかないなどの課題も抱えている。

瓶牛乳が消える背景にある消費者行動

瓶牛乳が消える背景には、消費者のライフスタイルの変化がある。かつては宅配や学校給食で定着していた瓶牛乳も、スーパーで手軽に購入できる紙パック牛乳の台頭により、次第に需要が減少した。また、衛生管理や利便性の向上から、飲食店や銭湯でも紙パックやペットボトルが主流となり、瓶牛乳の役割は縮小していった。

企業にとっては、コストの最適化も重要な要素だ。瓶牛乳の再利用には高額な設備投資が必要であり、物流や回収の手間も増える。こうした背景から、多くの企業が瓶入り製品の見直しを進めてきた。

瓶牛乳の終焉が示す未来のトレンド

 

瓶牛乳の終焉は、単なる商品の消滅ではなく、消費者の行動や企業の経営判断の変化を映し出している。環境負荷を考慮すれば再利用可能な瓶は有効な選択肢だが、それを持続させるにはコストや利便性とのバランスが求められる。

一方で、オロナミンCやラムネ瓶のように、商品特性に適した容器は今も支持されている。企業にとって重要なのは、単なる環境配慮だけでなく、消費者のニーズや市場動向を見極めた最適な容器選択である。瓶牛乳の終焉が示すのは、持続可能性とは単なるリユースの推進ではなく、総合的な視点で選択肢を模索することの重要性だ。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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