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ポケモン訴訟、異例の調停成立 中国企業の謝罪で幕引きへ

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ポケモン訴訟
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株式会社ポケモンは、中国のゲーム企業との知的財産権侵害を巡る訴訟で調停が成立したと発表した。『ポケットモンスター』の要素を無断使用したゲームが問題となり、被告側は謝罪声明を公表。今後の知的財産保護に向けた動きが注目される。

盗用ゲームへの法的措置、ポケモン側の勝訴確定

株式会社ポケモンは、中国のゲーム開発企業である広州麦馳ネットワークテクノロジー株式会社および霍爾果斯方馳ネットワークテクノロジー株式会社との間で、知的財産権侵害に関する調停が成立したと発表した。

問題となったのは、2015年にリリースされたモバイルゲーム『口袋妖怪:復刻(Pocket Monster: Remake)』である。同作は『ポケットモンスター』シリーズのキャラクターやデザインを無断で使用しており、サトシやオーキド博士といった登場人物、さらにはヒトカゲやピカチュウなどのポケモンも、原作のデザインそのままに登場していた。

ポケモン社は2021年にこれらの企業を相手取り知的財産権侵害の訴訟を提起し、2024年9月に中国・広東省の中級人民法院で勝訴。被告には1.07億元(約23.4億円)の損害賠償支払いが命じられた。その後、被告側が控訴し、2024年12月に広東省高級人民法院の主導で調停が成立した。

知財侵害の根深い問題、ブランド価値への影響

本件は、中国におけるゲーム業界の知的財産侵害問題の一例として注目された。中国ではこれまでにも、日本や欧米のゲームやキャラクターが無断で使用された事例が多く報告されている。

また、本件は単なるデザインの模倣にとどまらず、『ポケットモンスター』のブランド価値そのものを利用し、正規品と誤認される可能性がある点が問題視された。ポケモン社にとっては、知的財産の保護とブランドイメージの維持が重要な課題であり、今回の調停成立はその取り組みの一環と言える。

なぜ中国では模倣品が多いのか

中国企業が模倣品を多く生み出す背景には、いくつかの要因がある。経済発展のスピードが速く、新興企業が市場競争に生き残るため、既存の成功したデザインやアイデアを活用することが一つの戦略となっている。知的財産の意識が低い時期が長く続いたことも、模倣品が多発する要因となっている。

法整備の遅れと執行の不透明さも問題視されている。中国では知的財産権保護の強化が進められているが、地方政府が地元企業の成長を優先するケースもあり、知財侵害が見逃されることも少なくない。

さらに、「模倣から学ぶ」という文化も背景にある。中国では成功したビジネスモデルを素早くコピーし、さらに改良を加えることが一般的な手法として認識されてきた。そのため、独自性よりも市場でのスピードとコスト削減を優先する企業が多い。

加えて、消費者側の意識も影響を与えている。中国市場では価格が重視されるため、正規品よりも安価な模倣品が選ばれる傾向がある。この需要に応える形で、企業側もコストを抑えた模倣品の生産に走るケースが多い。

しかし、近年では中国政府も知的財産保護を強化し、大手企業は独自のブランド価値を高める方向へとシフトしつつある。今後、こうした動きが模倣品問題の抑制につながるかが注目される。

SNSでは「当然の結果」「これで終わりではない」と賛否

今回の調停成立について、SNSではさまざまな反応が見られる。「パクリのレベルを超えてたから当然の結果」「中国のコピー問題は根深い」「知的財産の侵害には厳しく対応すべき」といった意見が多く見られる。

一方で、「調停成立という形で幕引きになったが、結局類似の事例は減らないのでは?」「中国国内の企業がどこまで本気で知的財産権を守るのか疑問」と、今後の対策の実効性を懐疑的に見る声もある。

企業はどう動くべきか、ポケモン社の今後の戦略

今回の調停成立は、ゲーム業界における知的財産権保護の重要性を改めて浮き彫りにした。ポケモン社は「知的財産を守る取り組みを継続する」との方針を示しており、今後も類似の侵害行為に対して法的措置を講じる可能性が高い。

また、企業側は自社の知的財産を守るため、監視体制を強化する必要がある。加えて、ユーザー側も正規のコンテンツを支持し、模倣品の利用を避けることが、健全な市場の維持につながるだろう。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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