
東芝テックは2025年2月18日、国内支社の従業員が約2億円を着服していたことを発表した。不正は2017年度から2024年度にかけて行われ、顧客を装った架空受注を通じてパソコンを転売する手口だった。社内調査を経て不正が発覚し、同日付で従業員を懲戒解雇としている。
東芝テック 従業員による2億円の不正行為が発覚
東芝テックは2025年2月18日、国内支社に所属する従業員が2億円にのぼる着服を行っていたと発表した。同社によると、この従業員は顧客からの注文があったように装い、架空のパソコン受注を計上。その後、受領した商品を転売し、私的利益を得ていた。東芝テックは同日付で当該従業員を懲戒解雇処分とした。
不正の手口と発覚の経緯
同社発表によれば、不正は2017年度から2024年度までの7年間にわたって行われていたようだ。発覚の契機は、債権確認プロセス中に本人が自白したことである。これを受けて社内調査が行われ、長期に及ぶ架空受注と転売行為が明るみに出た。
損害額は約2億円、業績への影響は軽微
不正による損害額は2017年度から2024年度までの期間で約2億円にのぼるという。ただし、2025年3月期第3四半期の決算においてすでに修正を反映済みであり、当期の業績予想には影響しないとしている。
東芝テックの再発防止策
今回の事態を重く受け止めた東芝テックは、再発防止に向けた具体的な取り組みを発表した。同社は「業務プロセスの見直しやコンプライアンス教育など、内部管理体制の一層の強化に努める」とコメントしている。また、社内規程に基づき、不正を行った従業員には厳正な処分を行った。
企業の信頼回復への課題
東芝テックは、POSシステムなどのITソリューションで国内外に事業展開しており、親会社である東芝グループの一翼を担う企業である。今回の事件は、同社のコンプライアンス体制の課題を浮き彫りにした形だ。顧客や投資家をはじめとするステークホルダーの信頼回復に向け、内部管理の徹底と透明性の確保が求められる。
参照:「当社従業員による不正行為に関するお知らせ」(東芝テック)