
タレントで動物愛護活動家のデヴィ・スカルノ氏(85)が2月12日、東京都内で記者会見を開き、犬猫の食用禁止法制化を目指す政治団体「12(ワンニャン)平和党」の設立を発表した。スカルノ氏自身も日本国籍を取得した上で、今夏の参院選全国比例区からの立候補を目指す考えを示した。
犬猫の食用禁止を主要政策に掲げる
「12平和党」は、犬猫の食用禁止を最優先課題とし、動物虐待や不適切な多頭飼育の厳罰化、警察犬やセラピードッグの引退後の支援、ブリーダーの免許制導入などを政策に掲げる。共同代表には、動物愛護団体「世界愛犬連盟」の創設者である堀池宏(本名・彭宏陵)氏が就任した。
スカルノ氏は記者会見で「日本では一部で犬肉が提供されている現実を多くの人が知らない。動物は人間の家族であり、共生する社会を目指したい」と語った。世界愛犬連盟は、ペットの盗難や違法取引を防ぐためにも、犬猫の食用禁止が必要だと訴えている。
選挙対策には「石丸旋風」の参謀を起用
選挙対策委員長には、2024年の東京都知事選で次点となった石丸伸二・前安芸高田市長の参謀を務めた選挙プランナー、藤川晋之助氏を起用。藤川氏は記者会見で「全国比例と都市部の選挙区で10〜30人の候補者を擁立する。最低でも2議席、できれば5議席を獲得し、政界で影響力を持ちたい」と意気込んだ。
SNSでは賛否両論、メンバーへの不信感も
デヴィ夫人の政治参入について、SNSでは賛否が分かれている。 「動物愛護の観点は重要だが、それよりも国民生活の向上を優先すべきではないか」との意見や、「動物愛護活動を続けてきた方なので期待している」という声が上がっている。
一方で、スカルノ氏がかつて高級毛皮のコートを愛用していたことや、帰化申請を経ての政治参加に対する疑問も呈されている。「外国人が日本の政治に参入するのはどうなのか」との懸念や、「犬猫よりもまず人のための政治をしてほしい」といった批判も目立つ。
堀池宏氏と藤村晃子氏の噂
また、共同代表を務める堀池宏氏が中国出身であることに対し、「中国の影響力が及ぶ可能性があるのでは」との不安の声もある。堀池氏は過去に慈善活動や動物愛護活動を展開してきたが、政治進出に対しては警戒感を示す意見が少なくない。
堀池氏は、中国上海出身で、企業家・慈善家として活動してきた経歴を持つ。彼が設立した「世界愛犬連盟」は、犬肉食の廃止を求める国際的なロビー活動を行っており、アメリカや韓国、中国政府に対しても政策変更を求める働きかけをしてきた。しかし、その政治的影響力の拡大に対し、一部では「中国共産党とのつながりがあるのでは」との疑念が広がっている。
というのも、2022年、NHK党の立花孝志氏が、堀池氏(通名・玄陵)が「参院選に当選した際には10億円支払う」と持ちかけたことを暴露し、大きな波紋を呼んだことに由来する。この件はSNS上では「中国共産党の影響が政界に及ぶのでは」との憶測が飛び交っていた。
また、堀池氏は中国の教育機関「上海大学」の名誉理事や客員教授にも就任しているという噂もあり、政治的背景についての疑念が根強く残っている。動物愛護活動を掲げながらも、過去の発言や政治的な関与が指摘されていることで、その立場には賛否が分かれている。
さらに、党のもう一人の主要メンバーとして名を連ねる藤村晃子氏にも疑問の声がある。藤村氏は過去に日本保守党や参政党を批判してきたことが知られており、「既存の保守勢力を牽制する意図があるのでは」といった指摘もSNS上で広がっている。また、藤村氏は動物愛護活動家として知られているが、一部のSNSユーザーからは「政治的な活動を通じて自己の影響力を拡大しようとしているのではないか」との懸念も寄せられている。
政界進出の行方は?
著名人が率いる新党はこれまでにもいくつか存在したが、長期的な影響力を持つことは難しいと指摘される。1990年代には、プロレスラーの故アントニオ猪木氏が設立した「スポーツ平和党」が参院選で議席を獲得したが、後に解党した。
デヴィ夫人率いる「12平和党」がどこまで支持を広げ、実際に議席を獲得できるか、今後の動向が注目される。