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品川区の予算案が話題!制服・修学旅行無償化で子育て負担軽減 ウェルビーイング予算で

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品川区25年予算発表
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東京都品川区が発表した2025年度(令和7年度)予算案が注目を集めている。区立中学校の制服と修学旅行の無償化を含む大幅な子育て支援策が打ち出され、保護者の経済的負担を大きく軽減する内容となっている。さらに、医療系や理系の大学生向けに給付型奨学金を新設するなど、子育て世帯への支援が拡充される。

区立中学校の制服・修学旅行費を無償化

品川区は2月5日、品川区役所第二庁舎4階の災害対策本部室で2025年度当初予算案を発表した。

その内容によると品川区は、2026年度(令和8年度)から区立中学校に進学する生徒の制服を無償化すると発表。東京都23区内で初めての取り組みであり、所得制限は設けられない。無償化の対象となるのは、ブレザーやジャケットなどの上衣、およびスラックスやスカートのボトムス類。制服は公費で一括購入し、新入生に配布する仕組みを導入する予定とのこと。現在、品川区立中学校15校の制服費は約3万3000円~5万2000円とされており、この施策により各家庭の負担が大きく軽減される。

また、2025年度(令和7年度)からは、中学校の修学旅行費も無償化される。これも所得制限なしで実施され、1人あたり最大7万5000円の費用が補助される。修学旅行の目的地は京都や奈良を予定しており、約1700人の生徒が対象となる見込みだ。

給食のオーガニック化と朝食支援

品川区は、すでに2023年度から区立学校の給食を無償化しているが、新たに給食の質を向上させる施策も打ち出した。2025年度から、区立小中学校の給食に使用する野菜をすべて有機農産物や特別栽培農産物に切り替える「オーガニック給食」を導入する。都内の自治体では初の取り組みとなる。

さらに、2025年度から小学校に「朝の居場所」を設置し、希望者には無償でパンなどの朝食を提供する事業を開始する。これにより、朝食を十分に摂れない児童の支援が強化される。

医療・理系大学生向けの給付型奨学金を新設

高額な学費が課題となる医療系や理系の学部に進学する大学生を支援するため、2026年度から新たに給付型奨学金制度を創設する。対象は品川区に在住する大学生で、所得制限は設けられない。選考により毎年100人が選ばれ、国立大学の標準授業料に相当する年間54万円が支給される。奨学生には、地域貢献を目的としたボランティア活動への参加が求められる。

「ウェルビーイング予算2.0」でさらなる支援

品川区は、24年に品川区民の幸福に財源を振り分ける「ウェルビーイング予算」を初めて導入。

この「ウェルビーイング予算」を継続し、住民の幸福度向上を目的とした「ウェルビーイング予算2.0」を推進しており、2025年度の当初予算案では、約20億円の財源を捻出し、次のような施策を実施するようだ。

「ウェルビーイング予算2.0」4つの柱

  1. 安心・安全を守る:災害時の水循環型シャワーや避難所の段ボールベッドを導入し、防災対策を強化
  2. 社会全体で子どもと子育てを支える:子育て世帯の経済的負担を軽減するため、制服・修学旅行の無償化、学校給食のオーガニック化、朝食支援を実施
  3. 生きづらさをなくし住み続けられるやさしい社会をつくる:高齢者や障害者向けの住宅確保支援を拡充し、ひとり親家庭への支援を強化
  4. 未来に希望の持てるサステナブルな社会をつくる:デジタルプラットフォームの導入や、子育て中・非正規雇用の女性求職者へのIT・デジタル人材支援を推進

「ウェルビーイング予算2.0」未来志向の社会づくりといった幅広い分野をカバーしており、住民の幸福度向上を目指す先進的な取り組みといえる。

このような取り組みが他の自治体にも広がる可能性はあるのか。今後の動向が注目される。

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ライター:

新聞社で記者としてのキャリアをスタートし、政治、経済、社会問題を中心に取材・執筆を担当。その後、フリーランスとして独立し、政治、経済、社会に加え、トレンドやカルチャーなど多岐にわたるテーマで記事を執筆

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