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医療脱毛クリニックのトイトイトイクリニック突然閉鎖、またか! 業界に広がる波紋

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東京都内の医療脱毛クリニック「トイトイトイクリニック」が突如として営業を停止し、多くの利用者が返金を求めて混乱している。経営会社は自己破産の意向を示しており、この閉鎖は医療脱毛業界全体に不安を広げる結果となった。

営業停止の影響と利用者の困惑

原宿や新宿など都内3店舗を展開していたトイトイトイクリニックは、2018年に設立され、「家族にも勧められる医療脱毛」をコンセプトに急成長を遂げた。しかし、1月31日をもって営業を停止した。この突然の事態により、多くの利用者が未施術分の返金を求めているが、現段階で具体的な返金対応は明らかにされていない。ある被害者は約50万円をクレジットカードで支払っており、そのうち未施術分の15万円の返金を希望している。このような状況は、利用者に経済的な負担だけでなく、精神的なショックも与えている。法的措置を検討する動きも見られ、業界の信頼性が問われている。

経営破綻の背景にある構造的問題

今回のトイトイトイクリニックの閉鎖は、医療脱毛業界の経営基盤の脆弱さを示す一例となっている。2024年12月には大手アリシアクリニックが倒産しており、業界全体に共通する課題が明らかとなっている。日本脱毛安全普及協会の山岸純元代表理事は、過度な広告投資が経営破綻の要因であると指摘する。前払い金を広告費に充てることで資金繰りが悪化し、新規顧客の確保が難しくなると経営は一気に悪化する。また、急速な事業拡大が固定費の増加を招き、結果として経営の圧迫につながっている。

業界全体に広がる危機感

脱毛サロン業界は、美容意識の高まりとともに急成長を遂げてきたが、その反面、倒産件数も増加している。東京商工リサーチのデータによると、2023年度のエステティック業の倒産件数は95件と、前年から69.6%増加している。特に、競争の激化、顧客ニーズの変化、そしてコスト増加の三つの要因が業界全体に影響を与えている。

競争の激化は、美容業界全体の注目度が高まる中で、新規参入が相次いだことに起因している。特に、接骨院や整体院など異業種からの参入が増加し、市場全体の供給過多が深刻な問題となっている。脱毛サービスは差別化が難しく、結果として価格競争が激化し、利益率が低下している。

一方で、顧客ニーズの変化も業界に影響を与えている。物価上昇や新型コロナウイルスの影響により、消費者は低価格志向を強め、高額なプラン契約を敬遠する傾向が見られる。さらに、セルフケアの需要が高まり、家庭用脱毛器の性能向上により、顧客の選択肢が広がっている。

加えて、広告宣伝費の増加や都心部での店舗運営費用、人材育成コストの増加が経営を圧迫している。有名インフルエンサーを起用した広告キャンペーンや、多店舗展開による固定費の増大が財務負担を重くしており、多くのサロンが経営難に陥っている。

前払い方式のリスクと業界の課題

医療脱毛業界では前払い方式が主流となっており、この仕組みが突然の閉鎖時に利用者に大きな経済的損失をもたらしている。特に、高額な一括払いで契約した利用者は、返金の見込みが立たない場合が多く、法的手続きを余儀なくされることも少なくない。こうした状況から、前払い方式の規制強化や分割払いの普及が求められている。一方で、安価で高品質な施術を提供していたクリニックも存在し、利用者の間での評価は分かれている。

今後の対応と業界の行方

医療法人社団雪焔会は東京地裁への破産申請を準備しており、法的手続きにより利用者の返金対応が進められる見込みである。しかし、返金が全額保証されるかどうかは依然として不透明であり、利用者の不安は続いている。クレジットカード会社を通じた返金請求や破産管財人の対応次第で補償額が左右される可能性があるため、今後の進展が注目される。今回の事例は、医療サービスの契約形態に対する法的整備の必要性を明らかにしており、業界全体での対策が急務である。

なお、一部のクリニックでは、倒産したクリニックの契約者を救済するための特別プランを設ける動きも見られる。これにより、被害を受けた利用者が少しでも負担を軽減できるような支援策が講じられている。業界全体でこのような救済措置が広がることで、消費者の信頼回復に繋がることが期待される。

安全なサービス選択に向けた提言

今回のトイトイトイクリニックの閉鎖は、医療脱毛業界の構造的な問題を示している。利用者は契約前にクリニックの経営状況や評判を慎重に確認し、一括払いではなく分割払いを選択するなどの対策が求められる。また、価格だけでなくサービスの質や企業の信頼性を重視することが重要である。業界全体としても、透明性の向上と前払い方式の見直しが急務であり、法規制の整備や業界団体によるガイドラインの策定が求められている。特に、顧客満足度の向上と信頼性の確保が、長期的な経営安定の鍵となるだろう。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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