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アイシン、世界最小クラスの微細水粒子「AIR」で美容医療に参入

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レーザー治療との併用で効果、他分野への応用も

自動車部品大手のアイシンは、独自技術で開発した世界最小クラスの微細水粒子「AIR(アイル)」を活用し、美容医療分野へ参入を進めている。

同社は9月1日、第42回日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて、「AIR」を用いた最新の臨床研究成果を発表。シミやシワの治療において、レーザー治療と併用することで、治療効果を高めながら、ダウンタイム(治療後の肌の回復にかかる期間)を軽減できることが明らかになった。

「AIR」は、医療機関向けに導入を進めており、将来的には、医療・ヘルスケア分野をはじめ、幅広い分野への応用を目指す。

自動車部品の技術を応用し、世界最小クラスの水粒子を実現

世界最小の微細水粒子AIR(アイル)のメカニズムと特徴
世界最小の微細水粒子AIR(アイル)のメカニズムと特徴(提供:アイシン)

「AIR」は、直径約1.4ナノメートルという、スチームの約600分の1、毛穴の大きさの約40万分の1という極小サイズを実現した水粒子。このサイズは、一般的な水粒子に比べて、生体組織との親和性が高く、浸透性にも優れていることが特長だ。アイシンは、長年培ってきた自動車部品の精密加工技術や流体制御技術を応用することで、この極小サイズの「AIR」の生成に成功した。

同社は2022年に美容医療分野への参入していることが報道されている。空気中の水分子を目に見えないほど小さな水粒子に変換し、髪の内部と地肌に届ける装置「Hydraid(ハイドレイド)」を開発し、有名サロンと協同し、実証実験を重ねてきたとのこと。今回の「AIR」も本技術を応用したものと考えられる。

レーザー治療との併用で、効果と安全性を両立

今後、美容医療分野において、「AIR」は、レーザー治療や光治療と併用することで、高い効果を発揮することが期待されている。日本美容皮膚科学会総会・学術大会では、HILLS GRACE CLINICの奥謙太郎院長と、M&Mスキンケアクリニック副院長で石井クリニック院長の今野みどり先生による臨床研究の成果が発表された。

奥院長の研究では、レーザー治療や高周波治療後に「AIR」を照射することで、治療後の紅斑(皮膚の赤み)が早期に軽減される効果が確認された。

AIRを適用した症例写真。左から、施術前、 施術完了2週間後、         施術完了4週間後
AIRを適用した症例写真。左から、施術前、 施術完了2週間後、       施術完了4週間後(提供:アイシン)

今野院長の研究では、「AIR」を用いて美白成分や美容成分を肌に導入することで、シミ、シワ、たるみの改善効果が見られた。これらの研究成果は、「AIR」が、美容医療において、治療効果の向上とダウンタイムの軽減、という患者にとっての大きなメリットをもたらす可能性を示している。

美容医療分野にとどまらず、幅広い分野への応用に期待

アイシンは、「AIR」の医療機関への導入を積極的に進めるとともに、大学や研究機関との共同研究を通じて、さらなるエビデンスの蓄積と技術開発を進めていく方針だ。将来的には、美容医療分野にとどまらず、医療・ヘルスケア分野、食品産業など、幅広い分野への応用を目指している。

「AIR」は、その極小サイズと生体親和性の高さから、医療分野では、薬剤の体内への効率的な送達システムや、選択的な薬剤投与などへの応用が期待されている。また、食品産業では、食品の鮮度保持や栄養価の向上などへの応用が考えられている。

「美容・理容・医療・ヘルスケア・バイオ・食品・工業など、生活のさまざまな場面で活用できる可能性を秘めている」(アイシン)

「AIR」は、アイシンの新たなコア技術として、人々の生活の質の向上に貢献していくことが期待される。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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