
外国人人材の紹介を手掛けるZenkenは、インドの政府系機関であるNSDCIと組み、8月から宿泊業の人材育成に乗り出す。NSDCIがインドの3か所に設立した全寮制日本語研修センターで学んだインドの学生を日本企業に紹介する。
NSDCIとZenkenは今後、宿泊分野の特定技能人材候補生を年200人以上にすることを目指す。高齢化の進行で日本の介護業界は人手不足が慢性的な課題となっており、日本語のできるインド人材の活用を通じて改善を目指す。
宿泊分野の特定技能人材の候補学生は、NSDCIが設立した全寮制の日本語研修センターで6ヶ月間、日本語等の教育を受ける。その上で日本語能力試験(JLPT)N4及び特定技能宿泊試験を受験する。
両方の試験に合格した学生は、Zenkenが日本の宿泊施設等に紹介、採用面談を実施する。内定後、さらにインドで3ヶ月間の日本語研修を実施し、より高い日本語力を養ってから日本の宿泊施設等に送り出す。
宿泊業界は長時間労働の上、休みがとりづらいといったイメージがあり、離職率も比較的高い傾向にある。
一方、外国人観光客の増加などの影響で、需要は増加しており、人手不足につながっている。インドを含めた海外人材の活用が必要との声は強まっており、今回のZenkenとNSDCIの人材育成は課題解決の一助となりそうだ。
NSDCIはインド国家技能開発公社(National Skill Development Corporation)の100%子会社。インドの首都デリー近郊の都市・ノイダと、サハスプール、ハイデラバードグルグラムに全寮制日本語研修センターを持ち、インド人学生に日本語を教育している。
Zenkenは2023年7月にNSDCIとインド人特定技能人材、及び高度人材の紹介事業について、MOU(基本合意書)を締結した。