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タイ・パタヤで日本人観光客が女性美容師に“スカートめくり” タイの全国ニュース化で「日本の恥」と批判相次ぐ

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「軽いノリ」のはずが職場ハラスメントに発展

タイ美容院、日本人に怒る

タイ東部、リゾート地として知られるパタヤのビーチ近く、美容室「K.K Hairstyles @ Pattaya Barbers & Salon」。この店で10月19日午後、観光で訪れていた日本人男性が勤務中のタイ人女性美容師に対し、スカートをめくるという軽率すぎる行為を行った。監視カメラ映像や店側の通報により、事件は警察出動にまで至った。

女性美容師(34歳・カノッカーさん)は「ショックを受けた」と語ったという。報道によれば、男性側は片手を上げて「ソーリーソーリー」とだけ言い、深刻な謝罪には至らなかった。

“ただの遊び”が転じて、海外で起きた「職場でのセクハラ事件」として瞬く間に拡大した。

 

タイ全国ニュースが報じた“外国人観光客のモラル問題”

現地報道では、この事件が単なる観光中の不祥事ではなく「外国人観光客によるタイ人女性への軽視行為」として扱われた。タイの英字ニュースサイト「The thaiger」では「3名の日本人観光客がスカートめくりで罰金対象に」などと報じられている。

報道画面には、店内のCCTV映像や警察到着時の謝罪の場面が映されており、店長兼美容師のカノッカーさんが「タイ女性およびこの国を侮辱された」と語ったと伝えられている。

このように、タイ国内での報道の温度は“被害者の尊厳”“観光客の責任”というテーマが強調されており、日本国内のSNSでの“ネタ化”とは明らかに趣が異なる。

 

観光地パタヤが突きつける「観光公害」と日本人モラルの緩み

この事件が特筆されるのは、リゾート観光地特有の解放感と、働く現地女性に対する敬意の欠如が交差した点にある。パタヤは夜の歓楽街としても知られるが、あらためて問われるのは「観光立国」であるタイにおける訪問者の振る舞いである。

日本人観光客はかつて「マナーが良い」と評されたが、今回のような“軽いノリ”が現地の職場を侵害することで、イメージの逆転が生じている。

「遊びに来て浮かれるのは勝手だが、働く人の環境に介入してはいけない」。この一言が、観光地を支える労働者たちの共通認識となっている。

 

SNS炎上は国境を越えた波及へ 「日本の恥」がグローバル化

この事件は日本語圏だけでなく、英語・タイ語圏のSNSでも「Japan’s shame」「変態ญี่ปุ่น(変態日本人)」といったラベルを引き出した。SNSでは、現地ニュースの画面キャプチャや映像が拡散され、「礼をもって旅すべき」「せっかくの観光先で国辱を晒した」といった批判が相次いでいる。

特にタイ語圏の投稿では、「外国人観光客による職場での軽視行為は観光地の恥である」といった論調が見える。

このように、炎上は単なる国内問題ではなく、“世界における日本人観光客の信用”という次元に転化している。

 

現地テレビは“ハラスメント事件”として硬派に処理 日本のネット消費との温度差

店内で撮られた監視カメラ映像を用いた現地テレビ報道では、テロップに「ชลบุรี – ช่างผมปรี๊ด! นักท่องเที่ยวญี่ปุ่นรุมเปิดกระโปรง-ถ่ายคลิป」(チョンブリー–美容師激怒!日本人観光客がスカートをめくり撮影)と掲出され、事件性は明確に “職場ハラスメント”として示された。

一方、日本国内ではSNS投稿において、映像はバズりネタとされる節もあり、「あ〜あ、やっちゃったね」と軽く消費されるトーンも散見された。

この温度差が、事件そのものの受け止め方を大きく変えており、「許されたからいいではないか」という国内論調が、現地では「許されていいわけではない」という切迫感に変換されている。

 

被害者の“赦し” それでも残る観光地の信用リスク

店長兼美容師のカノッカーさんは、男性客の謝罪と和解の申し出を受け、「今後、こういうことが起きないよう願う」と語ったという。

しかし、映像もSNSも一度拡散すれば消えない。今回のような事件は「許されたかどうか」ではなく、「どう受け止められたか」で観光地のイメージを決定づける。

日本人観光客として、改めて問われるのは「他国で愚行を撮られてしまうという覚悟」だ。遊びを楽しむのも良いが、“働く現地の人々の間”に土足で入ってはいけない、という原則を忘れてはならないだろう。

 

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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