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広末涼子の“165キロ発言”めぐり所属事務所がTBSに抗議 「オールスター後夜祭’25秋」での放送に騒動

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広末涼子
広末涼子さん Instagramより

女優・広末涼子(45)をめぐる発言が、またしても物議を醸している。10月4日深夜に放送されたTBS系『オールスター後夜祭’25秋』のクイズコーナーで、広末の名前が「時速165キロ」という文脈で扱われたことを受け、所属事務所が抗議文を公表。さらに内容証明を送付したことを明らかにした。テレビと芸能事務所、そして“笑い”の境界線が問われる展開となっている。

「不適切な放送」として正式抗議 公式サイトに声明を掲載

9日までに、広末涼子の所属事務所が公式サイトを更新し、「TBS番組における不適切な放送について」と題した声明を掲載した。
文書では「2025年10月4日に放送されたTBSテレビ『オールスター後夜祭’25秋』において、弊社所属の広末涼子に関する不適切な内容が放映されました」と報告。問題となったのは、番組内のクイズコーナーで提示された設問だ。

出題は「次のうち、時速165キロを出したことがないのは誰でしょう?」というもの。出演者たちは一瞬、笑っていいのか迷うような空気に包まれた。
事務所によれば、クイズの正解が発表された後、出演者が「広末さんは事故を起こした際、時速165キロを出していたと報じられています」と発言し、そのまま放送されたという。

声明では、「この発言のもととなる情報は公的機関からの発表ではなく、また当該事故は現在も警察による捜査が継続中」と説明。そのうえで、「そのような状況下で、本人が関わる事件を笑いの題材として扱うことは極めて不適切であり、名誉を著しく毀損する行為と考えております」と強い口調で抗議した。

内容証明を送付 「名誉回復措置」を正式に要求

声明の後半では、「2025年10月6日付で、株式会社TBSテレビに対し、正式に抗議および名誉回復措置を求める内容証明を送付した」と明記された。
さらに「報道・表現の自由は尊重されるべきものでありますが、他者の尊厳や人権を侵害する表現が許されるものではない」と付け加え、「今後も所属タレントの権利と名誉を守るため、必要な対応を誠実かつ適切に行ってまいります」と結んでいる。

所属事務所による“内容証明”という対応は、単なる苦情や申し入れの域を超え、公式な抗議手段だ。
SNS上では「これはさすがにやりすぎ」「バラエティとはいえ、本人がまだ話せない状況なのに」といった声が広がり、TBSの倫理観を問う議論が巻き起こった。

問題の放送シーン スタジオに走った一瞬の沈黙

番組でのやりとりは、まさに“笑いと空気の狭間”にあった。
MCの高山一実が問題を読み上げると、スタジオには一瞬の静寂が訪れた。選択肢は「1 大谷翔平」「2 佐々木朗希」「3 伊良部秀輝」「4 広末涼子」。
その後、高山が「正解は3番の伊良部秀輝さん。広末さんは事故を起こした際、ジープ・グランドチェロキーで時速165キロを出していたと報じられています」と“解説”を加えると、観覧客の間からは苦笑混じりの拍手が起こった。

だが、SNSでは放送直後から「これ笑えない」「TBSがやるべきことを間違えている」「広末さん、また傷つくのでは」と批判が相次いだ。
TBSは放送後も特に公式コメントを出しておらず、事態の沈静化を見守る構えだが、炎上の火はまだ消えていない。

広末の沈黙と、テレビの“笑い”が抱えるリスク

広末涼子は、夏に報じられた交通事故以来、公の場に姿を見せていない。事件は現在も捜査中であり、本人からの公式な説明はないままだ。
そんな中で、自身の名前が軽いジョークとして扱われたことに、本人や家族が心を痛めていることは想像に難くない。
事務所の抗議文は、タレントの権利を守るための当然の行動とも言えるが、一方で「テレビはもう笑いに慎重すぎてつまらない」との意見もある。

“自由な表現”と“モラル”のせめぎ合いは、今に始まったことではない。だが、SNSが瞬時に反応する現代では、番組の一言一句がすぐに拡散され、文脈を超えて独り歩きする。
今回の件は、テレビがかつての“笑って許される時代”を完全に過去にした象徴とも言える。

バラエティの「安全速度」を再考する時

『オールスター後夜祭』は、昭和のテレビ文化を継承するような奔放な空気で人気を保ってきた。
だが、時代が変わった今、笑いの速度をどこまで上げてよいのか、誰もが考えざるを得ない。
放送コードだけでは測れない「人の尊厳」という見えない制限速度が、テレビ界に突きつけられている。

広末の名前をめぐる“クイズ”は、単なる失言では終わらない。笑いの場で扱うことの重さを、改めて浮き彫りにした。
「誰が165キロを出したか」よりも、「誰がブレーキを踏まなかったのか」――問われているのは、テレビ局の判断と、社会全体の感覚である。


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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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