「犬猿の仲」との自己演出、その裏にある焦り

この日のトークで、みちょぱは世界陸上の観戦チケットを逃した悔しさを語る流れから、突然「今回のアンバサダーが今田美桜ちゃんか……。そうだ、私、今田美桜ちゃんと犬猿の仲」と発言した。
「美酢（みちょ）のCMは私しかいないと思ってたのに、取られた」「（世界陸上特集でも）“大好き”ってアピールしてたけど結局取られた」――こうした言葉は、笑いに見せかけた苦味の吐露だ。
「もちろん向こうの方が断然上だけど」というフォローも、「取られた」という発想を先に吐いたことで、逆に被害妄想的な欺瞞感を強めてしまった。
25歳という若さもあり、言葉の軽さは“キャラ”として許される部分もあるが、いまや芸能キャリアは10年近い。視聴者の期待値は「新人の失言」とは違う段階に移っている。

X上では「勝ち目ないのに嫉妬？」の大合唱

番組放送後、SNS・Xでは辛辣なコメントが相次いだ。

《今田美桜とみちょぱで好印象はどう見ても今田美桜。どこで勝ってると思った？》
《“取られた”って、元から相手にされてないだけじゃないの》
《みちょぱの言葉、最近トゲありすぎ。前は好きだったのに》

といった声が並び、明らかに「冗談」で済まされない空気になっている。ファンの間では「最近はテレビに出るたびに嫌悪感が増す」という指摘まで出ており、発言の度に信頼残高を食いつぶしている格好だ。

かつてはバラエティでの率直さが「飾らない」「ギャルらしくて気持ちいい」と支持を集めていたみちょぱだが、今はその直球さが“攻撃性”と見なされつつある。

『有吉の夏休み』炎上後遺症――野呂佳代いじりに乗ったみちょぱ

今回の発言が注目を浴びるのには、直近の炎上事件が影を落としている。9月に放送された『有吉の夏休み』では、新たに参加した野呂佳代への“体型いじり”が繰り返され、視聴者から「ただの悪口」「笑えない」と批判が殺到した。
この場で、25歳のみちょぱは野呂をかばうでもなく、同調して笑っていた姿が目立ち、「守るどころか加担している」と失望を買った。

その後のラジオでは「楽しかったのにあんなに叩かれて」「捉え方次第」「あんなの書くやつ、絶対に忘れない」と発言。楽しさを強調しながらも批判に苛立ちを隠さない姿は、むしろ炎上の傷口を広げただけだった。
芸能歴を積んだ今だからこそ、「若さゆえの軽率さ」では済まされなくなっている。

フワちゃん復帰願望発言で“矛盾”が露呈

さらに問題を複雑にしたのが、フワちゃんの名前を持ち出した件だ。
「フワって言っちゃった。隠してるわけじゃないから」「じゃあフワ帰ってこいよ、お願いだから。私に（批判が）来るんだったら（笑）」――と冗談交じりに口にしたが、世間には「批判をかわすためにフワちゃんを盾にしているだけ」と映った。

活動休止中の人物を都合よく“防波堤”にする態度は、25歳のタレントとして成熟不足を露呈するものでもある。フワちゃん不在で浮き彫りになった自分の存在感の弱さを、本人自身が一番自覚しているのかもしれない。

最近の言動――納税発言なども波紋を呼ぶ

炎上の積み重ねはこれだけにとどまらない。みちょぱは過去に「超払ってます」と高額納税を自慢気に語ったこともあり、「金持ちマウント」「鼻につく」と冷ややかな反応を浴びた。
“率直なギャル”の素直さが売りだった彼女だが、25歳を迎えた今、いまや「発言力を制御できない自己主張型」に見られている。かつて称賛された明け透けなスタイルは、立場が変わった今、むしろ嫌悪感を呼ぶ材料へと変質している。

今回、今田美桜への発言を引き金とした波紋は、単なる“嫉妬”や“冗談”の範疇を超えている。背景には、野呂佳代へのいじり炎上、フワちゃん発言の矛盾、そして過去の納税マウント発言といった失点の積み重ねがある。

“軽口”“飾らないキャラ”という武器はいまや裏返りやすく、視聴者への刃と化す。25歳という節目を迎えた彼女に求められるのは、大人の視点を踏まえた自己コントロールだ。
笑いを取るなら誰かを引きずり下ろすのではなく、自嘲と冷静をまぶした表現を選ばねば、炎上の連鎖は止められない。