
TBS系日曜劇場『19番目のカルテ』の最終回が9月7日に放送された。放送は55分遅れ、出演者の逮捕による全カット再編集、そして生瀬勝久の「アレクサ」発言で家庭のスピーカーが反応する珍現象まで。波乱続きだったが、SNSには称賛と笑い、そして続編を望む声があふれた。
生瀬勝久の「アレクサ」発言に全国のスマートスピーカーが反応
中盤、院長・北野栄吉を演じる生瀬勝久が「アレクサ、スイッチオン!」と呼びかける場面。すると全国の視聴者の自宅に置かれたAIスピーカーが次々に作動し、「すみません、よくわかりません」と返す声がリビングに響いた。X(旧Twitter)では「突然しゃべって爆笑」「両親が見てたら勝手に返事してた」といった体験談が溢れ、真剣なドラマに思わぬ笑いのアクセントを添えた。
清水尋也容疑者の全カット 存在を消した編集に称賛
一方で、内科医・鹿山慶太役の清水尋也容疑者が直前に逮捕されたことを受け、最終回ではすべての出演シーンが削除された。ラストのクレジットにも名前はなく、あたかも最初から存在していなかったかのような編集。視聴者からは「違和感がなかった」「完璧な編集」とスタッフへの労いの声が目立ったが、「同期3人のシーンを見たかった」「オリジナル版を観てみたい」という惜しむ声も後を絶たなかった。
松本潤「非常に残念」 座長が語った胸中
主演の松本潤は前夜の情報番組で、共演者の逮捕について「まさかと思い、信じられない思いで非常にショックを受けた」と率直な胸中を明かした。同時に「出演シーンをすべて外し、つなぎ直して、ストーリーがつじつま合うように再編集した」と制作の舞台裏を説明。医療ドラマとして「総合診療を知ってもらいたい」という思いを込めた作品だからこそ、最後まで届けたいという決意があったと語った。
視聴者が選んだ、心に残る場面
放送は世界バレー延長の影響で55分遅れのスタートとなったが、SNSには温かい感想が並んだ。院長と外科部長が昔の関係を取り戻す一瞬や、師匠と徳重(松本潤)のやりとりに「じんわり来た」「心に残る」といった声が集まった。派手な演出よりも、人と人のつながりを描いたラストに多くの共感が寄せられたのだ。
アレクサが象徴した生活と医療
生瀬のセリフに家庭のデバイスが応答した光景は、まるでドラマのテーマを体現しているかのようだった。医療は病院内だけでなく、患者の生活や日常と結びついている。そのリアルを笑いとともに視聴者に刻んだ。SNSには「編集スタッフに拍手」「続編を待ってます」という言葉が並び、ドラマは波乱を越えて温かな余韻を残して幕を閉じた。