ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

マクドナルド、ハッピーセット「シナモロール」延期 相次ぐ施策見直しの背景とは

コラム&ニュース コラム
リンクをコピー
マクドナルド
日本マクドナルドホールディングス公式サイトより

相次ぐキャンペーン延期や中止に揺れるマクドナルドのハッピーセット。人気キャラクターとのコラボは子どもたちに夢を届ける一方で、転売や混乱を招きやすい側面もある。「シナモロール」と「ワンピースカード」の施策見直しの背景には、ポケモンカード配布での大混乱があった。消費者の信頼回復に向けて、マクドナルドは今どのような課題に直面しているのだろうか。



 

 

29日開始予定から9月12日へ

日本マクドナルドは8月26日、公式サイトを通じてハッピーセットのキャンペーン「ほんのハッピーセット『シナモロールとあそぼう!』」を延期すると発表した。当初は8月29日開始を予定していたが、実施日は9月12日に変更される。理由は「ハッピーセット関連施策の見直しの一環」と説明されている。

同日に予定されていた「ハッピーセット『ワンピースカードゲーム』」については、すでに20日に実施見送りが発表されていた。マクドナルドは「キャンペーン期間中、ハッピーセットを購入した顧客には過去のキャンペーンで提供したおもちゃ等を提供する」と案内している。

 

背景に「ポケモンカード」騒動

今回の相次ぐ施策見直しの背景には、8月8日から展開された「ハッピーセット・ポケモンカード」キャンペーンでの混乱がある。配布予定期間が3日間とされたカードが、初日で配布終了となり、SNSでは「おもちゃだけ抜き取られた食品が店内に放置されている」といった報告も拡散。多くの店舗で購入希望者が殺到し、マクドナルドは急きょ購入制限を設ける事態となった。

この出来事を受けて、マクドナルドは施策全体の見直しに着手したとみられる。

 

消費者調査「好感度が下がった」47%

消費者データ分析サービス「Knowns 消費者リサーチ」が19日に実施した調査(有効回答1,009件)によると、今回の「ポケモンカード」施策をきっかけに「マクドナルドへの好感度が下がった」と回答した人は47%に上った。
理由としては「一部購入者のモラル問題」が最多だったものの、「仕組み設計の甘さ」を指摘する声も半数近くを占めた。子どもに喜んでもらう目的の購入が最多である一方、自分のコレクション用と答えた人もほぼ同数に上り、子ども向け商品のはずが大人需要にも強く依存している実態が浮き彫りとなった。

 

キャラクター依存からの脱却は?

ハッピーセットは長年、人気キャラクターとのコラボレーションで集客を狙ってきた。しかし、近年は限定カードやグッズを巡る“転売ヤー”の参入で混乱が頻発している。
一部の消費者からは「本来のマクドナルドキャラクターや独自開発のおもちゃに戻るべきではないか」との声も聞かれる。子どもの笑顔を軸に据えた商品企画が求められている。

 

フリマアプリの責任も問われる

転売が法律違反でないとしても、企業は社会的責任として転売対策を模索している。一方で、フリマアプリでは依然として転売品の出品が横行しており、通報した利用者が逆にアカウント制限を受ける例も指摘されている。
「企業が努力しても、転売を容易にするサービスが規制や監視を行わない限り、同じ混乱が繰り返されるのではないか」という疑問も強まっている。

 

信頼回復へ問われる次の一手

マクドナルドのハッピーセットは、子どもが喜ぶ商品であると同時に、企業の売上を支える重要な施策だ。しかし、人気キャラクターへの依存と転売リスクはブランドの信頼を揺るがす要因となりつつある。
今後は「子どもにとって健全で持続可能な商品作り」を軸に、販売方法やキャンペーンの設計を見直すことが、企業としての信頼回復につながるだろう。

 

Tags

ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

関連記事

タグ

To Top