ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

ニンテンドースイッチ2、発売1か月で150万台突破 初代スイッチやプレステ2超え、史上最速の大記録

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー

かつての名機を凌駕 任天堂の“戦略の継と進化”が実を結ぶ

ニンテンドースイッチ2

任天堂の最新型家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」が、発売から1か月で150万台を突破し、ゲーム機史上最速となる驚異的な販売ペースを記録した。ゲーム情報メディア「ファミ通」が読売新聞の取材に明らかにした。2025年6月5日に発売された本機は、発売5週目までに153万826台を売り上げた。

これは初代スイッチの同期間販売台数(55万6633台)の約3倍に相当し、名機「ゲームボーイアドバンス」「ニンテンドーDS」「プレイステーション2」をいずれも大きく上回った。

ソフトの面でも好調が続く。スイッチ2と同時に発売された「マリオカートワールド」は、パッケージ版だけで118万本超を売り上げ、早くもミリオンセラーを達成。ハードとソフトの相乗効果により、販売は加速度的に拡大している。

 

ゲームは「家族のもの」に 任天堂が広げた“新しい常識”

今回の爆発的ヒットの根底には、スペックや新機能に加え、長年にわたる任天堂の「社会戦略的視点」がある。

SNS上では次のような声が目立つ。

「単純にゲームを遊ぶ層が増えました。『ゲームは子供がやるもの』『頭が悪くなる』というレッテルが薄れ、今や家族で一緒に楽しむ時代です」

任天堂は2000年代、ゲームボーイアドバンスやニンテンドーDS、Wiiといったプラットフォームを通じて、「非ゲーマー層」に意識的にアプローチしてきた。脳トレやWii Fitといったソフトは、高齢者や女性、親子を巻き込む仕掛けとして機能し、それまでゲームと縁のなかった層を“プレイヤー”に変えてきた。

スイッチ2の快進撃は、この20年に及ぶ「裾野拡大戦略」の延長線上にある。任天堂が長年かけて築いてきた「誰でも遊べるゲーム機」という文化資産が、今なお購買意欲を支えているのだ。

 

“家庭内共通体験”としてのスイッチ 教育・福祉現場への広がりも

ゲームが家庭の中で果たす役割も、かつてとは大きく様変わりしている。近年では、教育現場や福祉の場でもスイッチの活用が始まっている。

実際、一部の小学校では協調性やタイムマネジメントを学ばせる教材として、スイッチのソフトが使われており、高齢者施設では運動不足解消や認知機能の維持を目的に、Wii Fitの系譜を継ぐゲームが導入されている例もある。障害のある子どもが直感的に操作できるツールとして、スイッチは“多世代・多機能メディア”として定着しつつある。

ある教育関係者は「読書や勉強と同じように、ゲームを家族で共有する時代が来ている」と語る。スイッチ2は、家庭の中に「共通体験」を生む媒体として、従来の娯楽機器とは異なる立ち位置を築いている。

 

「進化なき進化」でも売れる理由 任天堂のブランド戦略

ハードウェアとしてのスイッチ2は、初代スイッチに比べて画面が一回り大きくなり、処理能力も向上しているものの、外観や基本機能は大きく変わらない“保守的進化”である。それでも売れる理由は、任天堂ブランドがもたらす安心感と、すでに家庭内にゲーム文化が根づいているという現実にある。

また、日本国内向けの価格が税込49,980円と、米国市場向け(約66,000円)より1万円以上安く設定されたことも、購買層の拡大を後押しした。物価上昇が続くなかで、価格設定の妙は購買心理に強く作用したと言える。

 

品薄と転売で“幻のゲーム機”化 任天堂に問われる次の一手

ただし、売れ行きの加熱に対して、供給は追いついていない。公式抽選は5回目に入り、当選しても商品が届くのは9月以降。一部店舗での販売も限定的だ。メルカリでは通常価格より3割高い6万円台での出品が目立ち、電子機器の買い取り業者は定価より高く買い取る姿勢を見せるなど、転売市場は過熱の一途をたどっている。

任天堂の古川俊太郎社長は6月の株主総会で「供給体制の拡充に努める」と述べたが、サプライチェーンの分断や米中の経済政策など、外部要因によるリスクは依然として残る。過去には品薄が長引いたことで購買意欲が落ち、販売が失速した例もあるだけに、今後の対応が注目される。

 

スイッチ2は、単なる“新型ゲーム機”ではない

150万台突破という数字の裏には、20年以上をかけて形成された文化と戦略がある。スイッチ2は「家族が同じ画面で遊ぶ」体験を再構築しながら、娯楽の意味をアップデートし続けている。

この機体が真に意味するのは、“次世代ハード”の登場ではなく、“誰もがプレイヤーになる社会”の進化の証だ。

ライター:

サブカル分野を中心に執筆するフリーライター。アニメを中心とした二次元をこよなく愛し、推しへの愛とリスペクトを忘れず、作品の魅力やキャストの想いを届ける記事を心がけています。レビュー、考察、インタビュー、イベントレポートなど、多方面からアニメ・サブカルの魅力を発信。

関連記事

タグ

To Top