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「もう応援できない」井川意高が絶縁宣言、有本香の“バクチ投稿”が火に油…百田尚樹・河村たかしの党内戦争

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日本保守党分裂

6月22日に投開票が行われた東京都議会議員選挙で、日本保守党は擁立候補を当選させることができず、議席ゼロに終わった。ペットボトル投擲疑惑に端を発した党内の混乱と、それに続くSNS上の応酬が続く中、有権者の信頼をつなぎとめることはできなかった。

参政党との過去の分裂騒動を想起させる展開とともに、保守票の分裂、そして支持層の冷却が今回の結果に直結した。

 

河村氏の告発と有本氏の“決別”宣言

騒動の発端は6月20日。日本保守党関係者である河村たかし氏が公開した動画で、「百田尚樹代表からペットボトルを投げつけられた」と明言。さらに「脅迫・強要もあった」と述べ、法的対応の可能性にも言及した。

続いて翌21日、有本香氏が自身の配信で「いつものように丸めて済ますつもりはない。週明けからはっきりさせる」と発言。河村氏との路線対立を認めるとともに、「志が同じでないと齟齬は起きる」「私自身の選択が甘かった」として、党内の分裂状態を事実上認めた。

 

井川意高氏が“離反宣言”「組織の幹部の倫理に欠ける」

この騒動を受け、元大王製紙会長の井川意高氏が21日に投稿した内容が波紋を広げた。井川氏は次のように綴った。

組織の幹部は他の組織を露骨に貶してはいけない(批判はいい)。
組織内ではない人間を実名で批判しては敵をつくるだけ。
元組織内にいた人間を批判してはいけない──そんな人間を組織に入れたという己の見識の無さを晒すことになるから。

この投稿は名指しこそしていないものの、SNS上では明らかに有本香氏・百田尚樹氏の振る舞いを批判したものと解釈され、実質的な“絶縁宣言”として受け止められた。

 

“博打”投稿で火に油──有本氏の比喩表現が裏目に

井川氏の投稿を受け、有本氏は「博打」「大企業」「ベンチャー」などの表現を使ってSNSに投稿。これが井川氏への当てこすりと受け取られ、火に油を注ぐ形となった。百田代表は「比喩的な表現だ」と擁護したが、「もしこれにも噛みつくなら親交を断つ」と突き放した。

「都議選で選ばれたのは誰か」──有権者の冷めた視線

 

SNSでは、日本保守党の敗因を「他責思考と承認欲求に基づいた組織運営」にあるとする声も目立った。

他責で逃げるにも限界があるんだよな。
崩壊の始まりは、飯山陽氏による『日本保守党への質問』に正面から答えず、逃げたところから。
批判されるのが怖くて逃げたのかもしれないが、それなら政治に出るべきではない。

一方で、「河村さんは国民から信任を得た議員。一方、有本氏は選挙で選ばれたわけではなく、単なる目立ちたがりの承認欲求オバケ。どちらが偉いかは明白」といった投稿も見られ、今回の選挙結果に影響を与えたとみられる有権者心理を示している。

 

“自己責任回避型の組織”では信頼は得られない

結果的に、日本保守党は議席を一つも得ることができなかった。党の混乱ぶりは、かつての参政党における内部対立と極めて類似しており、「また同じ構図か」と冷めた目で見られていた。

かつては“保守の新星”として期待を集めたが、リーダーシップ不在、組織統制の未熟、そして危機時に自己責任を取らずに他者批判に終始した態度が、有権者の信頼を損ねたとの見方が強まっている。

参政党は、その後、組織を立て直し、選挙戦を通じて着実に地盤を広げてきた。理念の明確化とリーダーシップの再構築によって信頼を取り戻したこの保守勢力は、いまや地方議会でも一定の存在感を放ち始めている。

一方、日本保守党はどうか。

組織の緩み、責任の所在不在、そして炎上型広報が繰り返される中で、有権者の信頼は徐々に失われていった。保守を名乗るなら、まずは内なる秩序と矜持を取り戻すべきだったのではないか。選挙という国民の審判は、そうした問いかけへの一つの答えでもあった。

今はただ、静かにこう問い直すしかない──
あの時の分かれ道で、日本保守党は何を誤ったのか。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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