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三鷹市名門企業・有名企業一覧 売上ランキング 研究都市が育む“精密通信とモビリティ”の横顔

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三鷹市企業ランキング

東京都三鷹市は、戦前から国際電信・天文観測の研究施設が集積し、戦後は自動車設計や精密光学が発展した「技術者の街」だ。

人口約19万人ながら都心直結の交通網と大学・研究所の近接性を武器に、無線通信、機械設計、航空宇宙、包装資材、都市型農業など多様な業種が共存する。本稿では登記上の本店所在地が三鷹市にある法人のうち、最新決算を一次資料(決算短信・官報公告・公式PDF)で確認できた9社を対象に、売上(銀行・JAは経常収益)順でランキングを作成した。

 

第9位 竹内運輸工業株式会社(本社:三鷹市野崎)

売上高:18億9,700万円〈2024年3月期・単体〉
竹内運輸工業は、1953年創業の総合物流企業として、一般貨物輸送から重量物の搬入・据付、国際梱包、倉庫管理、さらには不動産賃貸に至るまで多様なサービスを展開している。特に精密機械や大型設備の搬送・設置では、長年のノウハウと専門技術を強みに、公共・民間問わず高い信頼を集めてきた。

ISO9001の取得に加え、東京都の貨物輸送評価制度で高評価を受け、安全性優良事業所として東京運輸支局長から表彰された実績を持つ。近年は社員の健康管理にも注力し、健康診断結果に基づく個別面談の徹底、ストレスチェック制度の導入、歩数記録アプリを活用した社内イベントなどを通じ、「健康優良企業(銀)」認定を継続。地域の法人会でも積極的に発言力を持ち、業界のモラル向上にも貢献している。物流の枠を越えた“地域の産業インフラ”として、その存在感は際立っている。

第8位 斎藤容器株式会社(本社:三鷹市牟礼)

売上高:47億0,200万円〈2024年1月期・単体〉
斉藤容器は、香辛料びんやPETボトルを主力とする包装資材メーカーであり、容器設計から製造・印刷まで一貫対応する技術力に定評がある。中でも自社開発した耐熱PET容器は、ガラスに代わる軽量・耐熱・耐衝撃性に優れた製品として、調味料・飲料分野のOEM用途で採用が急増。

三鷹工場では、成形とUV硬化印刷をワンラインで完結させる体制を構築し、小ロットでも約3週間で納品できる短納期対応が差別化要因となっている。また、多品種少量生産の現場においても品質管理を徹底し、業界内での信頼を築いてきた。ニッチ市場において顧客の使い勝手とブランド価値向上を両立する容器提案を重ね、単なる包材メーカーにとどまらない開発型企業として存在感を放っている。

 

第7位 JRCエンジニアリング株式会社(本社:三鷹市牟礼)

売上高:20億9,600万円〈2024年3月期・単体〉
JRCエンジニアリングは、日本無線グループのフィールドエンジニアリング中核を担う企業で、無線通信インフラの安定稼働を支える縁の下の力持ちだ。海上・陸上を合わせて6,500局にのぼる無線局を24時間遠隔監視する独自の「e-Service」は、トラブルの予兆をリアルタイムで検知し、即応する高度な保守体制を構築。契約更新率は驚異の98%に達し、その技術信頼性を裏付ける。さらに、無線測定器の校正においてはISO/IEC17025の認定を取得しており、日本の航空・港湾・防災通信を支える「目に見えないインフラの番人」としての役割を果たす。

三鷹市に拠点を置きながら、実は世界中の通信の“静寂”を守っているという事実に、静かな驚きと技術の奥深さを感じさせる存在である。

第6位 三鷹市農業協同組合(本社:三鷹市新川)

経常収益:63億2,700万円〈2024年3月期〉
三鷹市農業協同組合(JA三鷹)は、都市型JAの代表格である。都市農業に特化した組織として、生産緑地を生かした地場野菜の直売所「三鷹緑化センター」を運営。年間来店者数は約8万人に上り、地域住民とのつながりを深めるハブ機能を果たしている。金融面では住宅ローン残高が350億円を超え、都内JAの中でも上位規模。

こうして集めた資金を、農家の環境配慮型ハウス建設やスマート農業設備投資に再循環させるという独自の資金循環モデルを構築しているのが特長だ。都市の中にありながら、農業・暮らし・環境を有機的に結び直す仕組みを築くJA三鷹は、都市農業の未来を先取りする“地域金融の実験場”とも言える存在である。

 

第5位 株式会社テスコ(本社:三鷹市下連雀)

売上高:100億3,800万円〈2024年3月期・単体〉
株式会社テスコは、防災無線・空調・電源工事の推進会社ではなく、ファシリティ・ケアを通じて施設の安心・円滑な運営を支える“ケアする設備会社”である。店舗・飲食店、介護・保育施設などの設備を日常的に把握し、修繕・保守・予防・緊急対応を包括的に担う体制を構築している 。特に24時間365日のコールセンターを運営し、全国1,600社超の協力会社と連携した緊急メンテナンス体制は、営業停止リスクを最小化する“圧倒的スピード”を実現している 。

加えて、計画的修繕(Pメンテ)によって設備の長寿命化を促進し、害虫・害獣対策も建築知識をもとに実施する環境事業を展開するなど、広範な施設ケアを提供 。これにより、顧客は本業に専念でき、施設利用者へのサービス向上に集中できる。“施設の安心と継続性”に主眼を据えた総合力が際立つ、都市型ファシリティ・ケア企業である。

 

第4位 株式会社アビスト(本社:三鷹市下連雀)

売上高:100億0,200万円〈2023年9月期・連結〉
株式会社アビスト(本社:三鷹市下連雀)は、3D-CADによる設計開発支援を中心に、電子回路・組込みソフト・AI・ARなどの先端分野にも事業領域を広げる総合エンジニアリング企業である。自動車、電機、精密機器メーカーなどの設計開発部門に技術者を派遣し、顧客の製品設計力を支えてきた。加えて、社内に設計請負や3D-CAD教育、技術翻訳の専門部門を持ち、設計現場の多様なニーズに応える体制を構築。品質・情報セキュリティの両面で国際認証を取得しており、長年にわたり高水準のBtoBサービスを維持している。

働き手の語学力やマネジメント力を育成する制度も充実し、国内外での技術力の発揮を促進。近年はベトナム拠点を設立し、グローバル展開にも本腰を入れ始めている。“技術をサービスに変える”設計の専門集団として、ものづくり企業の成長を支える隠れた名門である。

 

第3位 SUBARUテクノ株式会社(本社:三鷹市大沢)

売上高:104億9,200万円〈2023年3月期・単体〉
SUBARUテクノ(本社:三鷹市大沢)は、自動車と航空機分野に特化したSUBARUグループの技術集団である。1985年の設立以来、カーデザインからエンジン・トランスミッション、衝突安全解析、生産技術、CAE解析、動的走行試験、航空機設計など、範囲の広いエンジニアリングを一貫して手掛け、グループ全体の技術基盤を担ってきた。2023年度は売上104億円に達し、東京本社に加え群馬・宇都宮・埼玉に拠点を展開。

高度な技術供給体制を整えている。技術者教育ではOJTとOff‑JTを併用し、自己啓発を支援する制度を構築。柔軟な働き方も推進し、平均有給取得日数18日、育休取得率60%以上と、ワークライフバランスも重視している。また、「アイサイト」やAWDなど、自社独自技術を支える縁の下のスペシャリスト集団として、革新的な商品開発を後方支援する存在感が際立っている。都市型エンジニアリング企業として、SUBARUブランドの“品質の根幹”を支え続ける名門企業である。

 

第2位 JRCシステムサービス株式会社(本社:三鷹市牟礼)

売上高:132億8,200万円〈2024年3月期・単体〉
JRCシステムサービス(本社:三鷹市牟礼)は、日本無線グループに属する情報通信の専門会社であり、防災無線や河川・ダム管理、道路監視など社会インフラ向けシステムの設計、施工、運用、保守を一貫して担う。全国に張り巡らされた施工・保守拠点網と24時間365日の体制を備え、緊急時にも迅速対応が可能な堅牢なサービス体制を構築。長年培ってきた無線通信設備の専門技術に加えて、AI・IoTを活用したスマートインフラ構築にも着手し、社会の変化に柔軟に対応する先進性も備えている。

建設業許可・社会保険対応・インボイス登録といった企業基盤の整備によって、発注者から信頼される体制を確立。現場と本社の情報を統合管理するツール導入により業務効率の向上も図られており、技術と信頼を両輪に持つ“都市型ICTインフラの守り手”としての存在感が際立っている。

 

第1位 日本無線株式会社〈JRC〉(本店:三鷹市牟礼)

売上高:1,482億9,000万円〈2024年12月期・連結〉
日本無線(JRC、本社:東京都中野区、三鷹に事務所を構える)は、1915年創業の老舗通信機器メーカーとして、海上・航空・社会インフラ向けの無線技術を柱に事業展開している。航海レーダーや衛星通信、GMDSSをはじめ、防災無線や鉄道線路情報システム、気象観測装置など多様な分野で、国際水準に合致した高信頼性を提供。

ISO9001やJIS Q 9100の認証取得によって、品質管理体制を制度面からも担保。三鷹の技術拠点では、老朽化したインフラの更新や新技術の開発にも取り組み、100年超にわたる無線技術の蓄積を活かしつつ、新たな安全・安心を創出し続けている。海・陸・空をつなぐ“静かな巨人”として、無線の可能性を未来へ届ける存在感が際立つ。

 

総評

三鷹市は大企業の研究拠点が多いが、登記本社を構える法人は通信・自動車設計・高度設備工事など技術志向の中堅が主体となる。ランキング上位の日本無線と関連会社が無線通信クラスターを形成し、SUBARUテクノは自動運転開発を支える。

都市型農協 JA 三鷹や包装資材メーカーが生活基盤を支え、物流・容器など周辺産業もコンパクトに集積することで、研究都市ならではの多様性と専門性を維持している。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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