
東京都・歌舞伎町および北海道・すすきのでホストクラブを展開する「NEW GENERATION GROUP」。このグループのオーナーを務めるのは、YouTubeチャンネル『令和の虎』などでも知られる実業家・桑田龍征氏だ。だが、同氏がオーナーを務める店舗の一つで、所属ホストによる複数の暴行事件が発生していたことが、被害女性Aさんの告発によって明らかになった。
Aさんは関西在住の女性経営者。2024年4月、観光で訪れた北海道・すすきのでホスト瑠希亜氏と出会い、「本気で好きだ」と繰り返す彼の言葉を信じたという。だが、その関係はやがて大きなトラブルに発展する。
“1000万円シャンパンタワー”と“同棲”の交換条件
2人の関係における転機は、同年8月に開かれたX氏のバースデーイベントだった。Aさんによると、X氏はイベントの直前、「1000万円のシャンパンタワーをしてほしい」と要求し、その対価として「同棲用のマンションを借りる」「週3日帰ってくる」と持ちかけたという。Aさんはその言葉を信じ、イベント当日に500万円を支払い、残りは同棲が実現したら支払うと約束して店を後にした。
だが、イベント後に店舗伝票を確認すると、未払いの500万円は“売掛金”として処理されていたという。Aさんはこの処理に同意していないと訴える。
暴力は3度にわたって
トラブルは金銭面にとどまらなかった。Aさんの告発によれば、瑠希亜氏からの暴力は3度に及んでいる。
- 1度目は2024年8月21日。北海道内のホテルで口論となり、Aさんは殴る・蹴るの暴行を受け、全治3週間の怪我を負った。
- 2度目は同年9月11日、沖縄旅行中のホテルで傘で足を刺され、小指にヒビが入る重傷を負った。
- 3度目は10月9日、再びホテル内で首を絞められ、警察が出動して現場検証が行われたという。
これらのうち、8月の件についてはすでに被害届が受理されており、残る2件も届け出が準備中とされる。
逃げた運営、インスタ全削除も
Aさんは瑠希亜氏の暴力と金銭トラブルについて、同グループのオーナーである桑田氏に対してInstagramのDMで救済を求めた。桑田氏は一度「事実関係を調べてから返答する」と返したものの、その後は「スケジュールが埋まっている」として直接の対話は拒否。統括責任者Y氏からの謝罪はあったが、再び音信は途絶えた。
また、SNS上では事件発覚後、瑠希亜氏が“運営”を名乗っていたことや、その後にInstagramを全削除したことが話題となり、〈「こんな記事が出た日によくやるよ」「髪を引っこ抜き、足を刺すってやってることやばすぎ」〉といった批判の声が飛び交っている。
“色恋営業”の現実と制度の限界
今回の事件は、ホストクラブ業界における“色恋営業”の危険性を改めて浮き彫りにした。2024年2月には、売掛金の強引な取り立てによる逮捕者も出ており、2023年12月には業界内で自主規制ルールの策定が協議されていた。中でも「売掛金の全廃」が2024年4月からの目標として合意されていたはずだったが、Aさんの事件はその4か月後に起きている。
Aさんは「冷静な判断ができなくなる。それが色恋営業の怖さ」と話す。加えて、「私にも落ち度はある」と前置きしつつ、「このような被害が繰り返されないためにも、ホストクラブ業界はより厳格なルールと責任体制を持つべきだ」と訴える。
法改正で“アウト”とされる色恋営業とは
このような「色恋営業」はただ今春、国政レベルで明確に禁止された。2025年5月20日、改正風俗営業法が成立し、「客の恋愛感情に付け込んで高額な飲食を促す行為」が禁止されると定められた。具体的には「注文していない商品を提供したり、恋愛関係を匂わせることで飲食をさせる行為」などがこれに該当し、「ホストクラブの色恋営業は即アウト」とされる。
多数の規制は今後次の通りで施行される:
- 公布から1か月~6か月以内に施行(2025年内)
- 大部分は2025年6月28日以降、正式施行予定
改正法は売掛金に対する強制や人身売買の温床化を防止する目的から、警察・風営局による行政処分(営業停止や許可取り消し)も含まれる厳格な内容だ。
瑠希亜の行為は法律明記の違反に該当
A子さんが語る「1000万円シャンパンタワー強要」「“残りの金は払わなくていい”と言いながら売掛金にされた」「暴力や脅迫による心理的支配」は、まさに改正法で禁止される「料金に関する虚偽説明」や「顧客を困惑させ高額利用させる行為」に該当する。
また、売掛金を濫用し、失敗すれば2000万円の違約金を請求するような一方的契約は、法律の趣旨と真逆だ。
SNS上の声は?
被害の実情が報じられるなか、SNS上では以下のような怒りの声が相次いでいる:
「詐欺師暴力ホストの瑠希亜のカスよ。桑田に迷惑かかっとるやんけ。」
「令和の虎とか通販の虎は面白いんだけど、元のお金が女を泣かせて作っている邪悪なお金って思うと、この桑田ってのもなんだかな」
「結局、ニュージェネも他のホストと変わらないんだな。この業界にまともなところってないのかね」
「こんなん違法すぎてヤバすぎるしこんなグループのオーナーがホスト健全化とか言ってるのおかしくない?」
また、事件当日に瑠希亜氏が“運営”アカウントとしてSNSに戻り、その後全アカウントを削除した行動に対し、批判が巻き起こっている。
オーナーの責任と今後の焦点
A子さんが桑田氏に責任を問うためDMで救済を求めたが、「秘書が管理」「スケジュールが埋まっている」などで逃避されたことも明らかになっている。SNSの指摘どおり、「こんなグループのオーナーがホスト健全化とか言ってるおかしい」という批判は、国の法令が整備された今、特に重く響く。
NEW GENERATION GROUPと桑田氏は、瑠希亜への厳正な処分と、早急な系列店舗の接客体制再確認を求められる。
桑田オーナーの責任は?
現在のところ、桑田龍征氏がオーナーを務める「NEW GENERATION GROUP」からの公式なコメントはない。だが、桑田氏は著書やSNSで「ホストクラブを日本最高のエンターテインメントに」と語ってきた人物であり、今回の対応がその理念にふさわしいものだったのか、問われて然るべきだろう。
事件の深刻性とグループの対応の不透明さは、業界全体への信頼を揺るがしかねない。今後、被害届の進捗と行政の対応が注目される。