
「イーロン・マスクが日本のポップスターとの間に子どもをもうけた」
そんな突拍子もない話が、海外メディア経由で日本に飛び火したのは2025年5月下旬のことだった。真偽のほどは一切不明。にもかかわらず、ネット上では“その相手は誰なのか”という考察が沸騰。
憶測、冗談、妄想が入り混じるなかで、ネット上で噂として浮上してきたのは意外にも“10人の女性”と“まさかの男性1人”だった。
今回は、過去のイーロン・マスク氏の恋愛遍歴を参照しながら、「彼が好みそうなタイプ」をあぶり出し、ネットで浮上した“候補者たち”の真贋を検証していく。
マスクの好みを探る:過去の女性たち
まずは、マスク氏の歴代のパートナーを確認しておこう。
・ジャスティン・マスク:第1夫人。カナダ人作家。5人の子どもをもうけた。
・タルラー・ライリー:英国女優。結婚と離婚を2度繰り返すほどの愛憎劇。
・アンバー・ハード:映画『アクアマン』などで知られる女優。短期交際。
・Grimes(グライムス):カナダのアーティスト。芸術性と奇抜さが際立つ人物で、3人の子どもをもうけている。
この面々から共通項を導き出すとすれば、「強い個性」「アーティスティックな表現力」「メディア対応も苦にしない自己表現の達人」といったキーワードが並ぶ。となると、候補者には単なる“アイドル”ではなく、ある種の“思想や宇宙観”を感じさせる人物が浮かび上がる。
ネットに名を連ねる10人の日本女性とは?
浜崎あゆみ
ネットでも有力視されている、言わずと知れた平成の歌姫。過去の栄光だけでなく、現在も二児の母でありながら、その父親の情報は一切明かされていない。プライベート非公開の姿勢が、「相手がマスクなのでは?」という声に説得力(あるように見える幻)を持たせてしまっている。
てんちむ
元子役→炎上系YouTuber→“現代的シングルマザー”という変遷をたどった女性。2024年の出産発表で、「恋愛感情なし」「結婚もしない」「でも子どもは産んだ」と堂々宣言。相手の名前は明かさず、「ただ尊敬している人」と表現。これが「イーロン・マスクしかいないのでは?」と、ネット妄想班に火をつけた。
中島美嘉
独自の世界観を持ち、ファッション性の高いアーティスト。海外公演や欧州での人気も高く、声の個性やミステリアスな雰囲気が“グライムス枠”的にマッチするとの声も。恋愛遍歴も比較的謎が多く、妄想の余地はあり。
坂本美雨
音楽家・坂本龍一の娘であり、自身もシンガーとして活動。NY在住経験があり、国際的な音楽シーンとの接点も深い。環境や人権に関心を示す発言も多く、「思想的にもマスクと共鳴するのでは」との見方もある。
きゃりーぱみゅぱみゅ
サブカル・ポップアイコンとして世界進出も果たした彼女。かつてYouTubeの流行を牽引し、マスク氏がSNSで取り上げたこともある。「あの髪型と衣装の宇宙感がマスクの琴線に触れたのでは?」との“色物説”も含め、ネットでは候補として再浮上中。
UA
唯一無二の歌声と民族的・哲学的なアプローチで知られるUA。海外生活を経て、自然派・精神世界への傾倒も見せるなど、“宇宙意識”と“子育て観”の文脈でマスク氏と重なる可能性を想像する声もある。
華原朋美
小室ファミリー全盛期を支えた“平成のシンデレラ”。2019年に第一子を出産しているが、こちらも相手の男性の情報は非公開。本人が過去にテレビで涙ながらに語った姿も、「謎の外国人ハイテク実業家に愛されたのでは?」という物語を生む余地を与えてしまっている。
Ado
“顔出ししない歌姫”として知られるAdoは、2025年2月に自身の楽曲がSpaceXのロケットに搭載されたことで注目された。これだけでも十分インパクトはあるが、SpaceXはマスク氏が率いる企業。ネット上では「宇宙に曲を飛ばしたのは、彼女への私信では?」と憶測が飛び交った。プライベートが一切見えないミステリアスさも、マスク好みか。
かしゆか(Perfume)
テクノポップユニット「Perfume」の一員でありながら、最近は個人活動も活発化。2025年からは報道番組『news zero』にレギュラー出演するなど、知的イメージも強まっている。さらに、Perfume自体が“テクノロジーと音楽の融合”を掲げるスタイルだったこともあり、「マスクとの親和性が高い」との声も。
リナ・サワヤマ
ロンドン育ち、ケンブリッジ大卒の才女。全英チャート3位の実績を持ち、グローバルな音楽シーンで活躍する「クイーン・オブ・オルタナポップ」。英語堪能で国際的。つまり「マスクが知ってても不思議じゃない日本人女性」筆頭だ。接点は不明だが、“雰囲気”だけで噂が一人歩きしている。
そして異次元へ…まさかの「平井堅説」
だが、これらの説をすべて超越する“異次元”の候補が存在する。それが、平井堅である。
「ポップスター」というワードを性別で限定せず、声のセクシーさ、海外活動歴、ニューヨーク滞在歴、そして“プライベートが謎”という条件で選出されたのが彼だった。
一部の海外掲示板やXでは、「マスク氏はLGBTQ+に理解がある」「平井堅はソロであり、感情表現が豊か」といった突飛なロジックで、“日本のポップスター=KEN HIRAI”説が躍り出る事態に。現在ではさすがにネタ扱いになっているが、「もしかして…」と想像する余地があること自体が、現代のゴシップの恐ろしさである。
真相は藪の中。それでも騒ぎ続けるのが人間だ
現時点でマスク氏本人は追加の言及をしておらず、子どもの存在も含めて裏付けは一切存在しない。だが、「言った」「言ってない」「でも言ったっぽい」という揺らぎがある限り、憶測は止まらない。
ネットとは、情報が欠けている部分に“物語”を生む装置だ。そしてそれは、我々週刊誌的妄想クラスタにとって、最高の遊び場でもある。
今後、真実が明かされる可能性は極めて低い。だが、マスクがまた別の形で意味深な発言を繰り出せば、我々は再び踊る。
浜崎か、それとも平井堅か——それは誰にもわからない。