
札幌市西区の建設会社「花井組」で発生した社長による従業員暴行事件に、新たな事実が加わった。暴行を加えた七戸義昭社長の名前が、北海道警察の「交通安全活動推進委員」名簿に記載されていたことがわかった。交通マナー啓発を担う立場でありながら、自らが長時間にわたり従業員を殴打していたことは、制度の信頼性そのものを揺るがす。
被害従業員、全治3週間の重傷
事件の被害者である元従業員の男性は、今年3月、社内で約1時間にわたり社長から暴行を受けた。医師の診断によると、けがは全治3週間。耳の聴覚障害や股関節・膝の痛みも訴えている。被害男性によれば、この暴力は単なる私憤ではなく、「お前らもミスするとこうなるぞ」という見せしめの要素を含んでいたという。
また、社内では日常的に暴力が横行していた実態も浮かび上がった。上司ですら社長に逆らうことができず、同席していた専務らが暴行を止める様子もなかった。被害者は事件後に退職したが、その後元上司から「さらいに行くぞ」と脅迫の留守電を受けている。
社長は全身に紋々(もんもん)だが、鯉にあらず!
さらに、七戸社長とその夫人はともに全身に刺青を入れていることが、社内外からの証言やSNS上の写真から確認された。背中に鯉の絵柄を背負っていたら、鯉好きも本物だったが、拡散される写真を見るに、何かしらの武者絵のようにも見える。
鯉にまつわる薬剤のミスをきっかけに暴行が起きたという経緯からも、落胆の色を隠せない“がっかり情報”となった。
この他にも、同社の事務所には日本刀やショットガン(猟銃)とみられるものが所持されていたとの情報もある。現在、警察による事実確認が進められている。
レバンガ北海道は即日契約解除
花井組はこれまで、SDGs宣言企業として札幌市からの認定を受けていたほか、プロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」の公式パートナーでもあった。だが、暴行映像の確認後、レバンガ側は即日で契約解除を発表した。SNS上では「健康経営とは名ばかり」「SDGsより先に人権を守れ」といった厳しい声が飛び交っている。
何より、北海道警察の交通安全推進委員の話が本当なのであれば、さすがにこんな不良チックな人と警察が仲良しこよしっていうのは昭和の時代ならいざ知らず、令和の時代にはコンプラ的に許されないことは明白であり、警察に迷惑をかけることからも、七戸社長は自ら引くべきではないだろうか。
同社は創業88年の老舗企業であり、地域インフラ整備を担ってきた実績もある。しかし、映像に映る現場は、そうした歴史や社会的信頼を根底から覆す内容だった。
近年まれにみる、悲惨な暴行動画であり、被害者に何の落ち度もないというところからも七戸社長に同情できる余地はあまりない。とはいえ、地域インフラを支えてきた企業としての実績はあるだろう。この先、同社がやり直すことができるのかはわからない。
長寿企業として企業体質の刷新なるか?
ただ、長寿企業として100年企業を目指すというからには、過去を真摯に受け止めた上で、自身の過ちを直視し、関係各所に土下座謝罪を重ねながら、企業体質の刷新と信頼回復に向けた再出発を強く望みたい。
そのためにも、七戸社長は、鯉を愛するその情熱を社員にも惜しみなく注ぐためにも、もう生きている鯉にご執心するのは止めにして、鯉の滝登りの刺青でも自分の身体に彫り直すことからはじめたらどうだろうか。