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CDP「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」最高評価を獲得した花王の取り組み【SDGs関連ニュース】

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森の中 フリー画像
Unsplashより

英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)CDPでは、企業や自治体を対象とした世界的な環境情報開示システムを運営し、資本市場と企業の調達活動を介して、企業に環境情報開示、温室効果ガス排出削減、水資源保護、森林保護を他に先駆けて働きかけています。

このほどCDPでは、全世界における環境先進的な上位2%の企業を「CDP Aリスト」として選出しました。評価対象となった12,000社近くの企業の中からAリスト入りしたのは272社。なかでもさらに先進的な14社が、気候変動、水セキュリティ、フォレストの3分野すべてでAスコアを獲得しています。

今回は、この14社に選ばれた花王株式会社の環境保護の取り組みについて見ていきましょう。

花王が取り組むサステナビリティ

花王では、2019年4月にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定。経営にESGの視点を導入しています。洗剤やシャンプー、化粧品など、私たちが毎日使う生活用品を多く手掛ける企業なだけに、エコへの取り組みも積極的に行ってきました。

例えば、2019年春に新発売された衣料用液体洗剤「アタックZERO」。こちらはアブラヤシの実から食用油を採取した後に残ってしまう固体状の油脂を原材料として開発された新しい洗浄基剤「バイオIOS」を使ったものです。

また、最近よく見る洗剤の「コンパクトボトル」は、内容物の濃縮化によって容器を小型化するだけでなく、強度を保ちながらボトルを薄くする設計により、40%近くのプラスチック使用料を削減しています。容器のつめかえ・つけかえ用製品の開発し、普及を促進してきたのも花王の功績です。

2020年10月には和歌山市と、SDGs(持続可能な開発目標)推進に関する連携協定を締結。海洋プラスチックごみの調査、リサイクルの推進など、海洋環境保全に向けた活動にも着手しています。

CDPが評価した花王の取り組み内容

花王では、CDPの評価は昨年に続いて2回目のトリプルA獲得。これまでに「気候変動」分野は3回、「フォレスト」分野は2回、「水セキュリティ」分野は5回のAリスト入りを果たしています。

「気候変動」分野における取り組み

「脱炭素」の実現に向けては、RE100(使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力にする事に取り組んでいる企業が加盟している国際的な企業連合。日本では62社が加盟)に加盟。

2030年までにマイナス1.5℃を目指すシナリオのCO2排出量削減目標達成に向けて取り組んでいます。2020年には新たに、すみだ事業場、フィリピンのピリピナス花王、花王(オーストリア)で自家消費用太陽光発電の導入を開始

2020年末時点では購入電力の再生可能エネルギーの比率が、日本で65%、グローバル全体で41%を実現しています。そのうち18工場においては、購入電力の再生可能エネルギー比率100%です。

「フォレスト」分野における取り組み

花王は、2020年には自社のパーム油サプライチェーンの中に存在する課題を認識。パーム油の持続可能なサプライチェーンの構築をめざし、小規模パーム農園の支援プログラム「SMILE」(Smallholder Inclusion for better Livelihood & Empowerment program)を開始しました。

環境や社会に配慮したサプライチェーンの構築を実現するために、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)での活動や、農園までのトレーサビリティの確保といった取り組みを進めています。この事業はインドネシアの約800の小規模パーム農園に対して行われていますが、2030年までに対象を5,000農園に拡大することを目指しているそうです。

小規模パーム農園の生産性を高めることによって、農園の生産者の生活の向上に貢献し、新規農園開発による森林破壊の抑制にもつなげていきます。

「水セキュリティ」分野における取り組み

花王のプロダクトは洗いものや洗濯など水と深いかかわりがあるものばかりです。高い洗浄力と節水を両立させた商品を、独自技術で開発・提供するだけでなく、さまざまなステークホルダーとともに水保全をはじめとしたさまざまな環境保全活動を推進し、水保全に関する教育や花王の取り組みの周知を行なっています。

花王本体でも、2030年に水使用量を2005年比45%削減する目標を掲げ、製品の開発から廃棄に至るすべての過程に
おいて、水に関する影響を最小化する活動を継続的に実施しているそうです。

エコというと「水道料金」や「電気料金」など、使用した料金の節約を考えてしまいがちですが、私たちが使う量をみんなで少しずつ減らすことこそが重要なのだと改めて考えさせられます。

【参照】
花王プレスリリース 花王、昨年に続き、CDPから「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」の分野で最高評価を獲得
花王のエコへの取り組み
花王プレスリリース 「脱炭素」を加速し、国内・グローバル全体の購入電力の再生可能エネルギー比率100%目標年を早期化
花王プレスリリース 花王、アピカルグループ、アジアンアグリがインドネシアの小規模パーム農園の支援プログラム「SMILE」を開始

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