
家電業界で廃棄物の資源化が進む。コーヒー器具を展開するエペイオスジャパンが、抽出後の廃棄物に着目した製品を投入した。環境負荷の軽減と機能性の両立に挑む循環型のものづくりを追う。
捨てられる残渣から生まれた1000台の異色作
エペイオスジャパンが、看板商品である電動歯ブラシの限定モデルを送り出した。最大の驚きは本体の素材だ。なんと抽出後に捨てられるはずのコーヒーかすを、成分の10%相当も混ぜ込んでいる。
コーヒー器具も手がける同社だからこそ、業界が抱えるごみ問題に直接一石を投じた格好だ。今回は限定1000台の特別な登場となる。
共通の文脈が生んだ独自の素材選定と機能の共存

単なるリサイクル樹脂とは一線を画す。自らの事業で生まれる廃棄物に着目した着想が実に見事だ。年間数十万トンにも上る廃棄リスクに対し、同社は何度も試作を重ねて強度と美しさを両立させた。
素材ごとの微妙な色合いの違いが味わいを生む一方、最長180日持つバッテリーや完全防水といったすぐれた機能はそのまま守り抜いている。
自社のフットプリントを直視するブランド精神
歯ブラシとコーヒー道具。一見バラバラに見える自社の事業領域だからこそ、見えてきた課題があった。代表の駒崎竹彦氏をはじめとする開発陣は、業界への責任感からこの企画を立ち上げたという。
たとえ1000台という小さな一歩であっても、自社の原点に向き合い行動を起こす姿勢には、ブランドとしての確かな筋が通っている。
行動を起こす勇気が示す次世代ものづくりの解
自社とゆかりのある課題を見つけ出し、新しい魅力へと変えるアイデアは、多くの企業にとって大きなヒントになる。環境配慮をただの義務やコストで終わらせず、商品の個性へと昇華させた。
完璧を求めて立ち止まるのではなく、まずはできる形から世に問う。そんな同社の実践は、これからの時代のものづくりに爽やかな風を吹き込んでいる。



