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築55年のビルが表参道の聖地に リノベるが挑む建築の循環革命

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提供:リノベる株式会社

表参道の裏通り、築55年の老朽ビルに異変が起きている。一見、時代に取り残されたようなこの建物に今、感度の高いビジネスパーソンやクリエイターが続々と吸い寄せられているのだ。仕掛け人は、リノベーション界の風雲児、リノベる株式会社。彼らが「東京建築祭2026」で仕掛ける、常識破りの「オフィスの全貌」を追った。

 

廃墟寸前のビルが放つ異様な熱気

「古臭い」という言葉は、ここには存在しない。リノベるの本社に足を踏み入れた瞬間に感じるのは、圧倒的な「新しさ」だ。剥き出しのコンクリート、時を刻んだ床の質感、そこに最新のデジタルアートと洗練された家具が溶け込む。かつて、日本の建築業界を支配していた「壊しては建てる」というスクラップ&ビルドへの、これは強烈なアンチテーゼだ。

2026年5月。彼らはこの「実験場」を一般公開し、さらには海洋ゴミをアートに変えるワークショップや、一点モノのヴィンテージが集う蚤の市まで開催するという。なぜ、一企業のオフィス公開がこれほどまでの熱を帯びるのか。そこには、衰退する日本社会を逆転させる「循環の思想」が隠されていた。

競合他社が手を出さない「負動産」を宝に変える

築55年のビルが表参道の聖地に リノベるが挑む建築の循環革命
提供:リノベる株式会社

「古いものには価値がない」という不動産業界の通説を、リノベるは根底から覆した。他社が敬遠するような築古物件こそ、彼らにとっては最高のキャンバスだ。彼らの手法は単なる改修ではない。ライフスタイルから逆算し、住む人や働く人の「偏愛」を空間に流し込む。

今回の公開イベントで見られる「Crossing field」と名付けられたオフィスも、まさにその結晶だ。9つの仕掛けが施された空間は、効率を求めるだけの四角い箱とは一線を画す。資材高騰で新築が手の届かない存在となる中、彼らが提示する「既存ストックの活用」は、いまや最も賢く、最もクリエイティブな生存戦略となっているのだ。

山下智弘が描く「愛着」という名の経済圏

 

リノベるを率いる山下智弘氏の哲学は明快だ。「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」この言葉の裏には、大量生産・大量消費の波に呑まれ、自分たちの個性を失った日本人への問いかけがある。

彼らが重視するのは、単なるエコではない。手間をかけ、手入れをしながら使い続けることで生まれる「愛着」だ。今回のイベントで展示されるアップサイクルアートも、ゴミとして捨てられるはずだったものに新たな魂を吹き込む試みだ。この「価値の再定義」こそが、リノベるを急成長させ、政府系ファンドからも一目置かれる存在へと押し上げた原動力に他ならない。

私たちは「建物の寿命」を諦めていないか

リノベるが示す未来は、どこか懐かしく、そして刺激的だ。彼らのオフィスを訪れた者は皆、自分の住まいや働く場所を見直したくなるという。それは、私たちが無意識に受け入れてきた「使い捨て文化」の終わりの始まりかもしれない。

古き良きものを継承し、そこに新しい感性を上書きしていく。表参道で繰り広げられる3日間の狂宴は、単なる建築イベントではない。失われた30年を経て、日本が再び「豊かさの本質」を取り戻すための、重要なマニフェストになるだろう。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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