
SNS上で今、格闘技イベント「BreakingDown」のCOOや多数の事業を手掛ける連続起業家、溝口勇児氏が2025年に始動した、既存のメディアがタブー視するテーマに切り込む動画メディアプロジェクト「NoBorder」が主導したとされる暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン)」が大きな波紋を呼んでいる。
資金決済法違反の疑いすら囁かれる中、事態が動いたのは3月3日のこと。突如として「すべて自社の責任だ」と名乗り出る謎の人物がSNS上に現れたのだ。しかし、そのあまりに不自然な登場とタイミングに、ネット上では「典型的なトカゲの尻尾切りではないか」と呆れ声が殺到している。
専門家が指摘する違法性の疑いと「身内の利確」騒動
事の発端であるサナエトークンについては、法律の専門家からも厳しい目が向けられている。「筋肉弁護士」こと桜井ヤスノリ氏は、暗号資産の販売・交換業に必要な内閣総理大臣の許可を得ていないとして、資金決済法違反の可能性を強く指摘。サイトが日本語で作られている以上、「日本居住者には販売していない」という免責事項は当局には通用しないのではないかと疑問を呈している。
さらに事態を泥沼化させているのが、運営内部からの「利確(利益確定の売り)」疑惑だ。インフルエンサーのZ李氏がSNS上で、配布された仲間内ウォレットから売りが出ていると指摘し、その人物が過去に「TAKAICHI TOKEN」や「ISHIBA TOKEN」なるものをローンチしていた不穏な背景も示唆した。
この暴露に対し、なんと主宰の溝口氏自身が反応し、「運営の中に利確してるやついるの?話が違くないか」と怒りを露わにしたのだ。溝口氏はさらに「志で立ち上げたはずなのに、こんなタイミングで利確とかしてるなら、もう信用できないんだけど。説明しろよ」と投稿し、まるで自身も被害者であるかのようなスタンスを見せている。
突如現れた「責任者」の丁寧すぎる声明文
運営トップが身内に説明を求めるという異例の大炎上の中、3月3日午前10時29分に一つのアカウントが産声を上げた。「neu Ken Matsui(松井健)」と名乗るその人物は、株式会社neuの代表だという。彼は長文のポストを投下し、今回の騒動の全責任を背負い込む姿勢を見せた。
松井氏の声明によると、「Japan is Back」プロジェクトの一環として発行されたサナエトークンについては、トークンの設計および発行に至るまでの一切の業務を株式会社neuが主体となって行い、責任を負ってきたという。そもそもこの企画自体、彼らがNoBorderへ提案したものであり、NoBorder側は趣旨に賛同したものの、詳細な運営についてはすべてneu社に一任していたと主張している。
最後は「世間をお騒がせする事態となりましたこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪し、後日改めて経緯や対応方針を説明すると結んでいる。
PR専門家も苦言「守りのスタッフがいない」
しかし、この松井氏のアカウントは作成されたばかりで、過去の投稿はゼロ、フォロワーも数人という出来立てほやほやの状態だった。大炎上した直後に新キャラが急遽登場し、すべての泥を被るというあまりにも露骨な展開に、SNSでは「溝口氏を守るためのトカゲの尻尾切りだ」という声が噴出している。

この稚拙な対応には、経営に効くPR参謀として知られる下矢一郎氏も苦言を呈している。下矢氏は自身のSNSで、第一声は溝口氏、もしくはNoBorder公式から出すべきであり、この謎の実務者のターンにするのはその後にすべきだったと指摘した。
さらに同氏は、彼らについて「攻めには異様に強くても、守りの局面を支えられるスタッフがいないのかも」と分析し、危機管理体制の脆さを鋭く突いている。
暴かれたズサンな実態と「元格闘家」の噂
ネットの特定班が動くと、全責任を負うとした株式会社neuのズサンな実態が次々と浮かび上がってきた。登記上は2023年に7500万円以上の増資が行われているものの、厚生年金の適用事業所検索では該当が見当たらず、実態のないダミー会社ではないのかとの疑惑が浮上。
極めつけは同社の公式ウェブサイトで、海外サイトで約79ドルで販売されているテンプレートをそのまま使用した可能性が高いのだ。「BUY TEMPLATE(テンプレートを購入)」というボタンすら消し忘れている有様だった。
そして事態をさらにカオスにしているのが、代表である松井健氏に関する奇妙な噂だ。
SNSの一部では、彼が過去に格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」に「北九州最凶の男」という触れ込みで出場していた人物と同姓同名であることから、同一人物なのではないかという憶測がまことしやかに囁かれているのだ。
あくまでネット上の噂に過ぎないが、ブレイキングダウンといえば溝口氏がCOOを務めるイベントであることも、この噂の拡散に拍車をかけている。
「私が全部やりました」で逃げ切れるのか
愛国心という大義名分と、仲間内での利確疑惑。そして炎上後に現れた79ドルのテンプレサイトを構える謎の会社と、元格闘家という噂。「私が全部やりました」という急ごしらえの主張だけで、この複雑な騒動の幕引きを図ることはできるのか。今後の当局の動きを含め、さらなる波乱が予想される。



