
スクリーンの中でも現実でも、彼はいつも体を張る男だった。
ジャッキー・チェン主演『パンダプラン』が、2026年1月23日(金)に日本公開される。長いキャリアで初めて本人役に挑む本作では、赤ちゃんパンダ“フーフー”を守るために悪党たちと戦う。
笑いとスリル、そして温かさが交錯するモフアクションが、再び世界中を笑顔にする。
初の“本人役”で描く、リアルと虚構のあいだ
眩しいライトに照らされた撮影現場。監督の「アクション!」の声とともに、ジャッキー・チェンが跳ぶ。
だが今回の彼は、スクリーンの中でもジャッキー・チェン本人として生きる。街を歩けば人々が歓声を上げ、スターの日常を謳歌する。そんな彼に、動物園から赤ちゃんパンダ“フーフー”の里親にならないかという話が舞い込む。
温もりのある時間は束の間。フーフーが犯罪組織に誘拐された瞬間、物語はアクション映画そのものの展開へと突入する。
パンダを守るため、再び拳を握る
銃弾が飛び交う夜の倉庫街。ジャッキーは車を乗り入れ、ぬいぐるみに紛れて敵の目を欺く。
その動きは70歳を超えてなお俊敏で、軽やかだ。
宙に投げ出されたフーフーを片手でキャッチする姿に、観客は思わず息を呑む。
「守るために戦う」。それは、これまで数え切れないほどのアクションを通して描かれてきた、彼の信念そのものだ。
ジャッキー・チェン映画の“面白さ”とは?
ジャッキー映画の魅力は、単なるアクションではない。
彼の作品には、笑い・痛み・人間味が同居している。
たとえば敵と戦う最中にも、バナナの皮で滑って転ぶ。痛そうなのに、どこか笑えてしまう。そんな“痛快なユーモア”が、彼の映画を唯一無二のものにしてきた。
『ポリス・ストーリー』『プロジェクトA』『酔拳』。どの作品にも共通するのは、「命を懸けてでも観客を楽しませよう」という姿勢だ。
『パンダプラン』では、その精神がフーフーを守るという物語に重なり、まるで現実のジャッキーそのものを見ているような感覚に陥る。
ファンにとっては懐かしく、初めて観る世代にとっては新鮮な、原点回帰のジャッキー映画だ。
石丸博也の吹替で甦る、“あの頃のジャッキー”
日本公開では、長年ジャッキーの声を務めてきた石丸博也が限定復活。
タイトルコールを聴くだけで、1980年代の金曜ロードショーを思い出す人も多いだろう。
字幕版と吹替版、どちらでもあの頃のジャッキーと今のジャッキーが同時に味わえるのも、本作の大きな魅力だ。
中国で記録的ヒット、そして世界へ
中国では2024年10月の公開からわずか1日15時間で興行収入6000万元(約13.6億円)を突破。
「予想外のスリーパーヒット」として口コミが拡散した。
監督はチャン・ルアン。次回作『パンダプラン2(仮)』もすでに製作が進んでいるという。
半世紀にわたり、骨折しながらもカメラの前に立ち続けてきたジャッキー・チェン。
『パンダプラン』は、その勇気と優しさがひとつになったような映画だ。
子パンダを抱く彼の笑顔の向こうに、世界中の観客を幸せにしてきた不屈のエンターテイナーの姿が見える。



