ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

高市早苗総理、トランプ大統領と笑顔の会談 「日米同盟の黄金時代」掲げ、経済と防衛の両輪で接近

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
日米首脳会談
首相官邸 Instagramより

東京・元赤坂の迎賓館に、満面の笑みが交錯した。10月28日午後、来日中のドナルド・トランプ米大統領を迎えた高市早苗総理大臣は、「日米同盟の新たな黄金時代を切り開く」と語り、握手を交わした。トランプ氏も「とても親しい友人だ」と応じ、場を和ませた。
2022年7月の安倍晋三元総理銃撃事件から3年余。盟友を失ったトランプ氏と、安倍氏の“後継者”を自任する高市総理の再会は、哀悼と友情、そして新たな同盟関係の象徴として注目を集めた。

 

「シンゾーは私の大親友だった」——安倍元総理が結んだ縁の再確認

午後2時、迎賓館に到着したトランプ氏を迎えた高市総理は、「大統領、日本におかえりなさい」と声をかけた。
トランプ氏はすぐさま「シンゾーは私の大親友だった」と応じ、安倍晋三元総理の名を口にした。
短いやり取りの中に、安倍元総理を介して築かれた特別な信頼関係がにじんだ。

会談冒頭でも、トランプ氏は「安倍氏はあなたを高く評価していた。総理になったのも驚きではない」と称賛。
高市総理は「安倍総理に対する長きにわたる友情に感謝しています」と述べ、安倍元総理を共通の“記憶”として共有した。
両首脳の笑顔の裏には、安倍外交を受け継ぐという日本側の明確なメッセージがあった。

 

ドジャース観戦で氷を溶かす——親密演出と贈り物外交

会談の開始が少し遅れた理由を問われると、高市総理は笑顔でこう説明した。
「トランプ大統領の部屋で野球を見ていました。1対0でドジャースが勝っています」
この一言に会場が和み、ホワイトハウスは後に2人が観戦する写真を公開。演出効果は抜群だった。

その後、両首脳は二つの合意文書に署名した。
一つは石破政権から継承した関税合意の拡大、もう一つはレアアースなどの重要鉱物で協力を強化するものだ。
会談後、高市総理は「日本とアメリカをより強く豊かにするために、新たな黄金時代を共に作り上げていきたい」と述べた。

さらに、用意された贈り物も注目を集めた。松山英樹選手のサイン入りゴルフバッグ、そして昭恵夫人から託された「晋三が使っていたパター」。
これを受け取ったトランプ氏は「力強い握手だ」と笑顔を見せ、終始上機嫌。
形式ばらない“笑顔外交”が、初会談の空気を決定づけた。

 

ノーベル平和賞への推薦 外交カードの裏に見える計算

会談の冒頭、高市総理はトランプ氏の外交実績を称えた。
「タイとカンボジアの停戦を実現し、中東で歴史的な合意を築かれた。世界をより平和にされた功績は大きい」
この発言を受け、アメリカ政府は「トランプ氏がノーベル平和賞に推薦された」と発表した。

木原稔官房長官は「ノーベル委員会が50年間は資料を開示しないため、推薦の有無については答えを差し控える」と述べ、詳細を避けた。
CNNはこの動きを「貿易交渉でトランプ氏をヨイショする常套手段」と分析したが、外交筋は「安倍外交の文法を継承した戦略的賛辞」と解釈する。
“ヨイショ”ではなく、同盟深化のための計算された言葉だったという見方が強い。

 

拉致被害者家族との面会実現 「真剣に取り組んでほしい」

この日、トランプ大統領は横田めぐみさんの母・早紀江さん(89)ら拉致被害者家族と面会した。
「全員の素敵な表情を覚えている。今後も総理と取り組みたい」と語り、家族に寄り添う姿勢を示した。
早紀江さんは「会えるとは思っていなかったが、思いがけなく来てくださった。真剣に取り組んでほしいとお願いした」と語った。

当初はルビオ国務長官との面会だけと伝えられていたため、この“サプライズ訪問”は大きな驚きをもって受け止められた。
外交儀礼にとどまらず、人道課題への配慮を前面に押し出した点で、トランプ訪日は新たな意味を帯びた。

 

空母「ジョージ・ワシントン」での異例の演説

日米首脳が並び立ち、中国をけん制

夕刻、両首脳は米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」に到着。
トランプ大統領と高市総理が肩を並べて甲板に立ち、数百人の米兵を前に演説した。日本の総理が米空母で演説するのは戦後初のことだ。

トランプ氏は「戦争をするなら絶対に勝つ。ただ、戦争なしで済ませる方がいい。力による平和だ」と強調。
高市総理も「インド太平洋を自由で開かれたものとする」と応じ、「日本の防衛力を抜本的に強化する」と宣言した。

この映像は即座に世界へ配信され、アジア諸国に強い印象を残した。
政治部の千々岩森生官邸キャップは「中国への抑止を明確に示すメッセージ」と分析。
韓国・聯合ニュースも「戦後体制の脱却がアメリカの支持の中で加速する」と報じた。
“黄金時代”という言葉の裏に、軍事的緊張を帯びた現実が透けて見える。

 

財界を巻き込む“80兆円ディール” 実利重視の新スタイル外交

夜にはアメリカ大使公邸で夕食会が開かれ、ソフトバンクの孫正義会長、トヨタの豊田章男会長ら日本の財界トップが集まった。
壇上ではラトニック商務長官が、日本企業による総額80兆円の対米投資を次々と紹介。
「ソフトバンクのマサさんは電力インフラに250億ドル」「東芝は変圧器事業に250億ドル」——。
企業代表らが署名文書を手に握手を交わす場面は、事実上の“経済合意セレモニー”となった。

この“投資ファクトシート”は、エネルギー・AI・鉱物資源など60兆円超の具体的案件を列挙。
三菱重工、日立、IHI、パナソニックなどが参画を検討している。
政治部の千々岩キャップは「アジア歴訪で“ディール”を持ち帰るのがトランプ流。日本政府はそれを読み、企業と調整して最大の成果を演出した」と指摘。
寿司店での“おもてなし外交”から、“実利外交”へ。高市政権はその象徴的転換を演出した。

 

“黄金時代”の先にある現実 防衛費と投資が問う日本の覚悟

ワシントン支局の梶川幸司記者は「空母での演説は中国へのシグナル」と語る。
「トランプ氏は『アメリカ海軍は最強だ』と誇り、高市総理が同調することで、同盟の結束を示した。だが同時に、トランプ氏は“チャイナ”という言葉を避けた。習近平主席との首脳会談を前に、慎重さを保った」と分析する。

高市総理にとって今回の訪問は、就任後初の大型外交。
安倍氏譲りの親密演出に加え、経済・安全保障の両輪を軸に実利を得る戦略を明確にした。
だが、防衛強化と80兆円投資という“成果”の裏には、国民負担という現実が控える。
「黄金時代」は本当に輝くのか——。
その答えは、今後の日本外交と財政運営が示すことになる。

Tags

ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

関連記事

タグ

To Top