若手投資家、21歳で1億円超の損失に直面 副党首として挑んだ政治投資の結末とは Xで「1億5000万円溶かしました」

NHK党の副党首を務める大学生投資家・造船太郎氏(21)が、2025年7月21日、自身のX(旧Twitter)で「1億5000万円溶かしました。無念です」と投稿し、同党への巨額出資が損失となったことを明かした。続けて「負けました。NHK党と書いていただいた有権者の皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪の言葉を述べた。
NHK党は同月20日に実施された参議院選挙で、選挙区・比例代表ともに議席を獲得できず、造船氏の出資も回収不能となる可能性が高まった。
「高い勉強料」と割り切る一方で苛立ちも
造船氏は2月のインタビューで「立花さんの方針をすべて支持する立場。若者の政治参加を推進し、被選挙権を引き下げたい」と副党首としての意気込みを語っていた。だが今回の敗北を受け、「浜田聡を当選させずに、参政党を大躍進させる国民には失望しました」と国民への強い不満も吐露。「こんな人たちのために仕事をしようとは1ミリも1ナノも思いません」と語り、自身と家族の将来に注力する意向を表明した。
また、「失った1億5000万円は医師免許で必ず国庫から取り返します」と投稿し、本業である医学生としての道に改めて軸足を移す決意を見せた。
X上では励ましと皮肉が交錯
造船氏の投稿を受け、ネット上では賛否が入り混じる反応が寄せられている。
「NHK党に頑張ってほしくて投資したのなら、本来の投資家の姿だと思う」「あなたはよくやった」と励ます声がある一方、「投資先を誤ったとしか言いようがない」「いつもは損切り早いのに、今回ばかりは読み違えたようだ」といった辛辣なコメントも多く見受けられた。
まだ4億円の資産、再起を誓う
一方で、造船氏はすでに気持ちを切り替えた様子で、「気持ちの切り替えはもう終わった。まだ4億残ってる。サンクコスト(埋没費用)に囚われずに粛々と期待値を積むしかない」とも述べており、冷静な投資スタンスを取り戻している。
4月のインタビューでは「1億5000万円がゼロになるか、3億円になるかというギャンブルをしています。今はそれが一番大事な賭けです」と語っていたが、今回の損失はまさにその「賭け」の結果であった。
贈与税問題にも波及か SNSでは新たな疑念も
今回の出資に関して、SNSでは税務的な問題にも注目が集まっている。兼業投資家「藍染ガレソ」氏は、「造船太郎は『権利を放棄する』と明言。これは贈与にあたるのでは」とし、贈与税の課税対象になる可能性を指摘。「個人は年間2,000万円までしか寄付できず、1億3000万円は贈与にあたる」と警鐘を鳴らしている。
Z世代の異色投資家、「政治投資」の意味とは
医学部1年生でありながら、投資歴8年、書籍の出版やYouTubeチャンネル運営を行う造船太郎氏。プロフィール欄には「株しかできません」と自嘲気味に記すが、NHK党への巨額出資は若き政治投資家としての挑戦だった。
今回の損失は確かに大きいが、彼にとっては「高い授業料」となるのか、それとも再起の原動力となるのか。Z世代の異端児は、次にどこへ舵を切るのか注目される。