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シンガポールのアートスクールで「つまみ細工」キット販売開始

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シンガポールのアートスクールで「つまみ細工」キット販売開始
提供:Palette Japan

【シンガポール発】日本の伝統工芸「つまみ細工」を再構築したDIYキットが、シンガポールのアートスクールで販売開始された。堺の伝統染色「注染」の端布を活用し、サステナブルかつ芸術性の高い商品として注目を集めている。

 

注染×つまみ細工、伝統とサステナブル素材の融合

販売されているキット「花いろは×堺注染」は、伝統的な技法と環境配慮を両立したクラフトキットである。注染は、手仕事によって布地に独特のグラデーションを生み出す染色技法で、古くは浴衣の生地などに用いられてきた。今回のキットでは、通常であれば廃棄される端布を再利用し、1枚ごとに異なる色柄を持つ素材として採用している。

また、つまみ細工の制作にピンセットを用いず、初心者でも取り組みやすい構成となっている点も特徴だ。素材の多様性と使いやすさにより、誰もが「世界に一つだけの作品」を生み出せる仕様となっている。

アートとしての認識と市場ニーズの合致

シンガポールにおいて、つまみ細工はクラフトではなく「アート」としての認識が定着しつつある。今回の販売拠点となったOur Art Studioは、国内に複数拠点を展開する教育機関で、創造性を育むアートスクールとして高い評価を得ている。中でもStar Vista店は、文化芸術への感度が高い層の来訪が多く、伝統工芸の展示・販売にも適した環境にある。

さらに、現地では環境配慮やサステナビリティに対する意識が高まっており、本キットの「アップサイクル」「伝統技法の継承」という要素は、これらの関心と合致する形で支持を集めている。

国際認定講師の誕生とワークショップ展開

 

Palette Japanによると、2024年には現地でつまみ細工の国際認定講師が7名誕生した。全員がシンガポール出身者であり、現在はOur Art Studioを拠点に、毎月ワークショップを開催している。講師たちは単なる技術指導にとどまらず、日本の伝統美やマインドフルネス、さらにはマーケティングや色彩調和の知識もあわせて伝えており、受講者からは高い満足度が得られているという。

今後の展望:東南アジアに広がる日本工芸の未来

Palette Japanは今後、ワークショップのさらなる拡充と、東南アジア各国への展開を見据えている。同社は「日本の伝統を一方的に教えるのではなく、現地文化と融合させ、相互の価値を高め合う交流の場を創出することが目標」とし、単なる輸出ではない“文化の橋渡し”を意識した事業展開を掲げている。

また、「東南アジアにこそ、日本の工芸の未来がある」と明言しており、今後も同地域を中心に海外展開を強化する方針だ。伝統を継承しながらも、時代に応じた柔軟な形で“世界とつながる工芸”の在り方を模索している。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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