
日本マクドナルドは3月12日から、新たなセットメニュー「セット500」を導入し、10年ぶりにハンバーガーセットを復活させると発表した。税込500円のワンコイン価格で提供し、消費者にとって手軽な選択肢を増やす狙いがある。一方で、同日から単品メニューの値上げも実施される。値上げと値下げが交錯する今回の価格改定は、外食市場にどのような影響を与えるのか。
「セット500」、時間帯を問わず提供
「セット500」は、以下5種類のメイン商品に、サイドメニューとドリンクを組み合わせたセット商品だ。
- ハンバーガーセット:500円(税込)
- マックチキンセット:500円(税込)
- スパイシーマックチキンセット:540円(税込)
- マックチキンチーズセット:560円(税込)
- エッグチーズバーガーセット:560円(税込)
このセットは、朝・昼・夜問わず、平日・休日も同じ価格で提供される。
一方で単品は10~30円の値上げ
同時に、原材料費や人件費の高騰を受け、単品商品の価格が引き上げられる。主な改定内容は以下の通り。
- ハンバーガー:170円 → 190円
- ダブルチーズバーガー:430円 → 450円
- マックチキン:180円 → 190円
ただし、「ビッグマック」(480円)や「てりやきマックバーガー」(400円)など、一部定番商品の価格は据え置かれる。セットメニューも大幅な変更はない。
「トクニナルド」キャンペーンでさらなる値引きも
2025年を通じて、マクドナルドは「トクニナルド」キャンペーンを実施。第一弾として、3月10日から14日間限定で「マックフライポテト(M/Lサイズ)」を250円で提供する。今後も特定の商品が期間限定で値引きされる予定だ。
マクドナルドが人気の理由
マクドナルドがこれほど多くの消費者に支持される理由は、単なる価格の安さだけではない。以下の要因がその人気を支えている。
1. コストパフォーマンスの高さ
マクドナルドは、他のファストフードチェーンと比較しても手頃な価格設定で、ボリュームのある商品を提供している。特にセットメニューの導入や、キャンペーン価格での販売が、消費者にとって魅力的な選択肢となっている。
2. 圧倒的なブランド力と安心感
世界的に展開するブランドであり、「どこで食べても同じ味」が保証されている安心感がある。日本国内では品質管理も徹底されており、安全性が高いことも支持される要因だ。
3. 豊富なメニューと期間限定商品
定番メニューに加え、「グラコロ」「月見バーガー」などの期間限定商品を定期的に投入し、消費者を飽きさせない工夫がなされている。こうした期間限定メニューは、SNSなどでも話題になりやすく、リピーターを増やす効果がある。
4. 全国展開と利便性
全国に約3,000店舗を展開し、都市部・郊外を問わずアクセスしやすい。また、ドライブスルーの充実や、モバイルオーダー・デリバリーサービスにも対応し、利用のしやすさが強みとなっている。
5. キャンペーンとマーケティングの強さ
「ハッピーセット」などの子ども向けメニューの充実や、デジタルマーケティングを駆使したプロモーションにより、幅広い層の消費者に訴求している。2025年の「トクニナルド」キャンペーンのように、定期的にお得な企画を打ち出すことで、新規顧客の獲得やリピーターの増加につなげている。
「値上げかお得か」消費者はどちらを選ぶ?
マクドナルドの価格改定は、値上げと値下げの両面を持つ。単品を購入する場合は負担増となるが、セットメニューを利用すればお得感が増す仕組みだ。外食産業全体で価格上昇が続く中、消費者はどのようにこの新価格戦略を受け止めるのか。
今後の売上や消費者の反応にも注目が集まりそうだ。