![レオス・キャピタルワークスのHP](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/02/reosu-capital-works-HP.jpg)
SBIホールディングス傘下の資産運用会社であるレオス・キャピタルワークスは、フジ・メディア・ホールディングス(4676)の株式を5.12%取得したことが分かった。
2月7日に財務省へ提出された大量保有報告書によると、レオスは1,200万株を取得し、新たに5%を超える大株主となった。報告義務発生日は2月6日で、取得の目的は「純投資」とされている。
レオスはNHKの取材に対し、「フジ・メディアHDは保有する不動産の価値が高く、収益も安定しているため、倒産リスクが低いと判断した。また、経営変革のきっかけとなる会長と社長の辞任を機に、投資対象に組み入れた」と説明した。
フジ・メディアHDの株主構成を基にすると、レオスは信託銀行を除けば個別企業として上位の大株主に位置づけられる。また、フジ・メディアHDの大株主には、同社の7%超を保有するアメリカの投資ファンド「ダルトン」も存在しており、ダルトンはすでに経営刷新を求める書簡を3通提出するなど、影響力を強めている。
レオス・キャピタルワークスとは
SBIグループの資産運用会社
レオス・キャピタルワークスは、2003年に藤野英人氏を中心に設立された資産運用会社で、2020年にSBIホールディングスの連結子会社となった。2023年4月には東京証券取引所グロース市場へ上場し、2024年4月に持株会社「SBIレオスひふみ株式会社」へ移行した。
創業の背景と理念
同社の創業の背景が、コーポレートサイトのインタビューで開示されているが、藤野英人氏は、外資系運用会社での経験を積む中で「真に顧客のための運用会社を作りたい」という思いを抱いていたとのこと。特定のテーマに沿ったファンド運用が主流の中、自らの視点で成長企業を発掘し、投資を行う独立系の運用会社を設立することを決意したそうだ
この志に共鳴した湯浅光裕氏、五十嵐毅氏もまた、既存の証券業界の慣習に疑問を抱き、自由度の高い運用を実現するために藤野氏とともにレオス・キャピタルワークスを設立。
社名「レオス(Rheos)」はギリシャ語で「流れ」を意味し、投資市場の流れを見極め、時代に即した資産運用を行う姿勢を象徴している。また、「キャピタルワークス」は職人が精密な仕事をする工房のように、質の高い投資を行うことを目指したネーミングだ。
「ひふみ投信」などの運用
リーマンショック後に設定された「ひふみ投信」は、日本の中小型株を中心に投資し、独自の銘柄発掘力で高い成績を上げたことから個人投資家の支持を集めた。特に2010年代には運用資産を急拡大させ、他の運用会社との差別化に成功した。
しかし、資産規模の増加に伴い、より多様な運用戦略が求められるようになり、新たに「ひふみワールド」「ひふみプラス」などのファンドも展開。現在は中長期的な視点での投資に重点を置き、個人投資家向けの資産形成を支援している。
今後の展望
フジ・メディアHDでは、大株主のダルトンが経営刷新を求める動きを見せており、今後の株主総会で経営陣の変革が焦点となる可能性が高まっている。ダルトンは、長年にわたりフジを支配してきた日枝久・取締役相談役の辞任を求め、取締役会の過半数を社外取締役にするよう要求している。
また、フジ・メディアHDをめぐっては、堀江貴文氏も株式を取得しており、株主総会で経営責任を追及する姿勢を示している。市場では個人投資家の買いが集まり、株価が大幅に上昇する動きも見られる。
この状況の中、SBIグループ傘下のレオス・キャピタルワークスが大株主に加わることで、経営権を巡る駆け引きがさらに激化する可能性がある。かつて2005年のフジテレビ買収騒動で対立した北尾吉孝氏(SBIホールディングス代表)と堀江貴文氏が、今度は同じ側に立ち、フジ・メディアHDの経営改革を推し進めるのか。二人が手を組むことで、フジの未来に新たな展開が生まれるのか、今後の動向が注目される。