ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

東京美容外科麻生泰氏、釈明も火に油注ぐ結果に 黒田あいみ氏の解剖実習写真投稿問題

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
東京美容外科 麻生泰統括院長
東京美容外科のHPより。麻生氏の「過去は変えられない。でも、未来は変えられる。」は今回の騒動で自分たちにも当てはまりそう。この逆境をどう乗り越えていくのか注視していきたい

東京美容外科の黒田あいみ医師が、グアムでの解剖実習中に撮影した不適切な写真をSNSに投稿した問題で、同院の麻生泰統括院長が12月24日、X(旧Twitter)で釈明コメントを発表した。しかし、その内容が火に油を注ぐ結果となり、批判はさらに激化。美容外科業界全体のイメージダウンは避けられない見通しだ。

解剖実習写真投稿問題とは

東京美容外科の黒田あいみ医師が、グアムで行われた解剖実習に参加した際、遺体を背景にピースサインをする写真をSNSに投稿し、写真が「死者への尊厳を欠いている」として、医師や一般ユーザーから批判を浴び、炎上している問題。

事の経緯は既報の通りだが、12月24日夕方、東京美容外科の統括院長である麻生泰氏が、「黒田医師への処遇について」という書き出しでXに謝罪のコメントを公開したことがさらなる炎上を招く結果となっている。

麻生院長の釈明コメントと過去の炎上騒動

麻生院長は問題発覚後、数回に分けて謝罪のコメントをだしている。ただ、その都度火に油を注ぐ事態に。とくに医療関係者と思われる人たちからの批判は高まる一方だった。こうした背景のもと本日、24日夕方にだした釈明コメントは、これまでとは異質となる「反論」的なものだった。

麻生氏は、黒田医師の解雇を求める声があったことを認めつつ、「不適切な投稿はございましたが、黒田医師は東京美容外科の方針に従って、より患者さんに対して安全な治療を学ぶためにグアム解剖に参加した」と説明。解剖実習の必要性を強調した上で、黒田医師の行動について「動機は善で、彼女に他意はありません」と擁護した。黒田医師を解雇する気はないとはっきり内外に宣言したと言える。

しかし、この釈明コメントは多くの批判を浴び、「海外ではfresh cadaverを用いたセミナーで記念撮影が一般的」といった海外の慣習を持ち出したことや、同じような研修風景の写真を投稿。さらに、「日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか」と批判者を非難するような言葉が含まれていたことが、火に油を注ぐ結果となった。

ここにきて、麻生院長の過去の発言も掘り起こされ、今回の騒動はさらに炎上。以前にも不適切な発言で批判を浴びていたことが明らかになり、今回の釈明も誠意がないと受け取られた。

高須克弥氏、ひろゆき氏、そしてSNS上の医師、一般ユーザーからの批判

美容外科医の高須克弥氏は、麻生院長の釈明コメントに対し、「警告します。 コミュニティノートを読みなさい。いい加減にしないとアメリカでみな処罰されるよ。 間違った情報を拡散するな!」と強く批判。

ひろゆき氏も美容外科医の倫理観に疑問を呈し、「医師と弁護士は人の不幸で儲ける仕事だからマジ倫理観の欠如は大問題」と非難した。

SNS上では、同じような研修時の集合写真を掲載したことに対して、「誰もピースなどしていない。写真はふざけた感じもない」「献体の画像はモザイクをかけてくれ」といった意見が殺到している。

他にも、医師や一般ユーザーからは以下のような批判的なコメントが殺到している。

  • 「『新鮮な遺体で解剖できる感動を伝えたかった』『彼女の動機は善だった』など、麻生院長の釈明は的外れで、事態を悪化させている」
  • 「遺族の気持ちを理解していない」
  • 「医学の発展を阻害しているのは、あなたたちだ」
  • 「白菊会に献体が集まらなくなり、医学の発展に支障が出る」
  • 「美容外科医全体のイメージが悪くなる」

白菊会とは

白菊会とは、医学および歯学の発展のため、死後に自分の肉体(遺体)を解剖学の実習用教材とすることを約し、遺族が故人の意思に沿って医学部・歯学部の解剖学教室などに提供する「篤志献体」の組織。各大学の医・歯学部、また自治体に支部組織を持っており、献体登録者数は約20万人(平成16年3月31日現在)となっている。

今回の騒動により、白菊会への献体が減少する懸念が高まっていることが問題視されている。

美容外科業界への影響

広報支援のプロである下矢一良氏は、麻生院長の危機管理対応のまずさと、美容整形業界の社会的評価の低さを指摘。

「今回の献体写真は論外な話なのだが、反発のコメント見ると、元々美容整形の社会的評価が相当に低いことがよくわかる。恐らく当事者も自覚しているので、心の隙間を埋め合わせるためか、日頃『金持ち自慢』に走りがち。それがまた、問題発生時に一般からの反発を強くする土壌となるという悪循環か。」とコメント。

また、麻生氏の対応のまずさをもって、危機対応の難しさを以下のように指摘してもいる。

「麻生先生のようなビジネスで大成功した経営者ですら、誰の目にも明らかなレベルで、危機対応を誤ってしまう。やはり危機の際、自分を客観視して対応するのは相当優秀な経営者でも不可能。あのクラスになったら、普段から危機管理チーム組んで、危機時には「自動的に」対応を移行させる方が良さそう。」

今回の騒動は、美容外科業界全体のイメージダウンに深刻な影響を与えるだろうと懸念を示した。

美容外科医の解剖実習写真投稿問題は、医療倫理、情報発信のあり方、そして美容外科業界の在り方について、改めて議論を巻き起こす結果となった。黒田医師の不適切な投稿だけでなく、麻生院長の釈明コメントも火に油を注ぐ結果となり、美容外科業界全体のイメージ悪化は必至の状況だ。

業界全体として、今回の問題を真摯に受け止め、倫理観の向上、情報発信の適切な管理、そして社会からの信頼回復に向けて早急に取り組む必要がある。

【美容外科医の解剖実習写真投稿問題のその他の記事はこちらから】

Tags

ライター:

ライターアイコン

寒天 かんたろう

> このライターの記事一覧

ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

関連記事

タグ