AIとサステナビリティの融合。サステナビリティ推進の新たな「ご縁」創出へ
![BAKUTANとREFINVERSE Groupの取り組み](https://coki.jp/wp-content/uploads/2024/12/BAKUTAN-REFINVERSE-GROUP.jpg)
リファインバースグループ(東京・千代田区)と東大発スタートアップのBAKUTAN(東京・世田谷区)は、2024年11月より、生成AIを活用した社内知見マッチング・レコメンドシステムの開発および実証実験を開始した。両社はこの取り組みにより、企業内外の知見を結びつけ、新たなビジネス機会の発見とサステナビリティの推進を目指す。
リファインバースグループは、20年以上にわたり、廃棄物の再資源化を通じてサーキュラーエコノミーを実践してきた企業だ。一方で、BAKUTANは「ご縁テック」を掲げ、AI技術を活用して人や物のつながりを最適化する東大発スタートアップである。異なる強みを持つ両社が協業することで、サステナビリティ分野における革新的なプラットフォームの実現に挑む。
サーキュラーエコノミー促進への挑戦
リファインバースグループが掲げる「サーキュラーエコノミープラットフォーム構想」は、既存のビジネスの枠を越え、廃棄物の再資源化と循環型社会の実現を目指す長期戦略だ。同社はこれまで、タイルカーペットや廃漁網、廃車エアバッグなどの廃棄物を再生素材として蘇らせる事業を展開してきた。最近では鳥の羽根を原料にした新しいバイオ素材「ReFEZER(リフェザー)」の開発にも着手している。
一方、サーキュラー化を目指す多くの企業が抱える課題は、適切な「人、モノ、技術」との出会いをどのように実現するかという点にある。本プロジェクトでは、BAKUTANが持つ生成AI技術を活用し、企業内部の知見を可視化、必要とするリソースとのマッチングを図ることで、この課題を解決する一助となることを目指している。
実証実験の狙いと期待される成果
今回の実証実験では、リファインバースグループが持つ営業データを基盤とし、BAKUTANがAIレコメンドシステムを開発。これにより、社内のサステナビリティに関する課題やアセットを可視化し、それらを最適にマッチングさせる仕組みを検証する。具体的には、社内で共有されていなかった知見やリソースを結びつけることで、課題解決の効率化や新たな提案内容の強化を狙う。
BAKUTANの代表取締役CEOである小森谷周大氏は、「AI技術の応用先が急速に広がる中、社会課題とリンクした技術の実装は重要なテーマだ」と述べる。また、「生成AIを活用することで、サーキュラーエコノミーの実現に向けたご担当者様の事業課題を可視化し、相互に適切なマッチングを行うことで潜在的なビジネス機会を発見していく」と述べ、技術と社会課題の融合がもたらす変化への期待を語った。
「ご縁」の力で社会を変える
リファインバースグループの代表取締役社長である越智晶氏は、「リニアエコノミーの枠組みを超えた人や企業のご縁を生み出すことが、サーキュラーエコノミーへの移行において重要な要素だ」と指摘する。同氏は、BAKUTANのAIアルゴリズムを活用することで新たなつながりを創出し、循環型ビジネスの起点となることを期待しているという。また、「将来的には、人のご縁だけでなく、物質的な資源創出のマッチングプラットフォームへと進化させたい」とその構想を語った。
未来を見据えた持続可能な社会の実現へ
リファインバースグループとBAKUTANの共同開発プロジェクトは、単なる社内システムの改善にとどまらず、サーキュラーエコノミーを実現するプラットフォーム構想の基盤となる可能性を秘めている。AI技術の力を駆使し、サステナビリティに向けた企業間の「ご縁」を育むことで、持続可能な社会を牽引する新たなモデルケースとなることが期待される。
両社の取り組みは、循環型社会の未来に向けた重要な一歩であるといえる。