ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

アデコ株式会社

https://www.adeccogroup.jp/

本社所在地:東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル

LHH Japanのトップに聞く、3つの強みと人材サービスの魅力

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
リンクをコピー
LHH_itakura01
アデコ株式会社 執行役員 兼 LHH Japan Country President 板倉啓一郎さん (画像提供: LHH Japan 以下同)

人材サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupの日本法人で、総合人事・人材サービスを展開するアデコ株式会社で人材紹介・転職支援、人材育成・組織開発、そして再就職支援を手掛けるLHH Japanを率いるJapan Country Presidentの板倉啓一郎さんは、人材サービスのスペシャリストでありながら、外資系企業の経営経験をもつジェネラリストでもある。「人材サービスが本当に好き」と熱を込める板倉さんに、人材業界との出会いから、LHHの3つの強み、将来に向けた青写真までを伺った。

LHH最大の武器は「人の介在価値を発揮できる」こと。人材サービスの魅力とは?

AIによる企業と人材のマッチングシステムが台頭するなか、LHH Japan Country Presidentの板倉啓一郎さんは、「人が介在するところにこそLHHの価値がある」と断言する。

「当然、我々もAIをはじめとする最新の技術を積極的に取り入れています。ただ、会社もどんな組織も、人によって良くも悪くもなります。だからこそ我々は、人をど真ん中におき、人が人に対してサービスを提供していることを常に意識しています。私は人の介在価値を発揮できるこの仕事が大好きですし、それができることが当社の最大の武器だと自負しています」

板倉さんは理工学部出身、卒業後は「幅広い仕事ができるステージで、自分がどう成長し、どんな道に進んでいくかを見てみたい」と、伊藤忠商事株式会社に入社した。機械部門での輸出・輸入業務から、新規事業の立ち上げ、合弁会社の役員まで、13年近いキャリアを通してさまざまな仕事に携わった。

その後、同社の系列会社だったキャプラン株式会社に誘われ、人材業界へと転身。背景には、伊藤忠商事という看板に頼らず、自分の名前で仕事をしたいという野心もあった。しかし人材サービス業界に入るやいなや、その魅力にとりつかれた。

「この業界に入ってすぐに、求職者一人ひとりの人生に大きな影響を与え、なおかつ企業の成長に貢献することもできる人材サービスのやりがいを感じました。企業というのは、いい人材を採用できれば成功しますし、そうでなければうまくいきません。人材サービスは実に、人のため、企業のため、そして社会のためになる仕事だと実感しました」

LHHitakura02

この想いは、米系の人材サービス会社ケリーサービスジャパンの代表取締役社長、テンプスタッフ株式会社の海外事業部VPを経て、LHH Japanの責任者となった今も、変わらない。

もっとも、現在に至るまでに「大きな谷があった」と、板倉さん。ケリーサービスジャパンの代表に就任して3年目の時、リーマンショックで同社が日本撤退を決めたのだ。

「これは本当にショックでしたし、『人生最大の選択ミスだった』と嘆きました。あのときはもう、人材サービス業界をやめようと思ったほどです」

そんなとき、ケリーサービスジャパンと提携していたテンプスタッフに、海外事業の立て直し要員として声がかかった。一旦切れそうになっていた人材サービス業界との縁がつながり、同社で海外拠点の立て直しや新規拠点の立ち上げを経験。役員として香港や上海にも滞在した。板倉さんは、テンプスタッフでの日々を、「異なるカルチャーのもと、ダイバーシティあふれる環境で濃い経験をさせてもらいました」と振り返る。

とはいえ、海外での単身赴任生活をあまりに長引かせるわけにはいかなかった。2014年にアデコの人材紹介部門の責任者就任のオファーを受けたことを機に、帰国。グループ内のブランドチェンジを経て、現職に至る。

「私は人材サービスが本当に好きで、『皆さまのお役に立てている』という確かな思いがあります。そして、この業界で私が蓄積してきた経験や知識を、事業の成長という形でマーケットも認めてくれました。その結果として今の私があります。現在は、LHHでお客様にも貢献するだけでなく、社員が生き生きと成長していけるよう、組織運営を通じて社会にも貢献したいと思っています」

板倉さんはまさに、人材業を軸にもつスペシャリストでありながら、経営の視点と実績をあわせもつジェネラリストでもあるのだ。

ジョブ型雇用のトレンドに先駆け、13の専門分野に特化した採用支援を開始

そんな板倉さんが率いるLHH Japanが提供するサービスの柱は、「人材紹介・転職支援」「人材育成・組織開発」「再就職支援」の3つ。従来Spring ブランドで展開していた「人材紹介・転職支援」事業と、LHHとしてすでにサービス展開していた「人材育成・組織開発」事業、「再就職支援」事業を、1つのLHHブランドに統一し、フルサービスラインとして提供している。

LHH_1
LHHの人材紹介の3つの強み。これら3つが相互につながり合い、同社のサービスを際立たせている

なかでも6割を占めるサービス「人材紹介・転職支援」事業では、同社の特徴が際立つ。1つ目の特徴は、専門分野に精通した採用コンサルティングだ。IT、セールス&マーケティング、管理系(財務/経理・人事・法務)、ライフサイエンスなど、13の職種・業界に特化した約300人のコンサルタントが採用を支援する。

「我々は2014年からこうした専門分野に特化したビジネスモデルを採り入れています。当時、日本国内ではまだ『ジョブ型』という言葉はほとんど聞かれませんでした。しかし、海外で人材サービスに携わってきた我々は、日本でもこれからのトレンドはジョブ型になっていくだろう見ていました。海外ではジョブ・ディスクリプションに基づいて仕事を探したり採用をしたりするのが普通になっていましたから」

実際のところ、近年日本でもジョブ型雇用が進み、専門性を軸にキャリアパスを描く傾向が見られる。人材業界の企業も同様のアプローチをとるようになっている。

一方で、「360度式コンサルティング」を実践している企業は稀だ。なぜなら、1人のコンサルタントが企業側と求職者側の両方に対応するこの手法は、「非常に手間がかかる」からだ。それでもLHHは、一貫して「360度式コンサルティング」にこだわっている。

「例えば、ITの専門チームのコンサルタントは、お客様であるIT関連企業から『今度こういう分野に注力したくて、システムをこう変えていきたい』と、深いニーズまで聞くことができます。そのうえで、その仕事を希望しており、相応のスキルもある求職者に話を伝えるわけです。当然ながら、双方にとってより精度が高く、より専門性の高い支援ができます」

専門性、360度式コンサル、ビジョンマッチングの三位一体で満足度の高い転職を実現

LHH_2
2015年を1としたときの転職紹介実績数は右肩上がり。新型コロナの影響で2020年は減少傾向が見られたものの、
「2023年現在は2019年を上回る勢い」(板倉さん)

また、転職によって3人に2人が年収増を実現している。同じ会社で大幅な給与アップを期待できない現状も、転職者数の増加を後押ししているといえそうだ。

LHH_3
LHH Japanの2022年転職決定者のデータ。転職者の年収増額は平均101万円、率にして15%もアップしている。

一方で、同社が実施した入社後3ヵ月調査によると、「企業の理念・ビジョンに共感している」という要素と入社後の満足度との相関が最も高いことが判明している。

「満足度が高いということは、定着率も高い。生産性も上がります。モチベーションが高い人材が揃っている方が業績に良い影響をもたらすというのは当然のことと言えます」

だからこそ同社は、ビジョンマッチングを重要視している。

「私たちは、スキルや経験のマッチングもさることながら、企業が目指すビジョンに求職者自身が共感できるかどうかを大事にしています。

ただ、確固たるビジョンを持っている求職者の方はそう多くありません。なので私たちは、ビジョンの明確化をお手伝いする際に、『この企業のビジョンやパーパスに共感できますか?』という質問をします。

自身のビジョンは曖昧でも、ある企業や経営者の語るビジョンに強く賛同できるかどうかは判断しやすい。そしてビジョンへの共感は、入社後の双方の満足につながります」

このようなビジョンマッチングも、専門分野に精通したコンサルタントが企業と求職者の両方にアプローチするからこそ実現できる手法といえよう。

多様な人が躍動できるカルチャーのもと、自身も躍動し続ける

それでは、LHH Japanは将来に向けてどのような青写真を描いているのだろうか。

「1つは、再就職支援、そして人材育成・組織開発にも力を入れたいと考えています。

同社が掲げている『適財・適所』の創出を進めるうえでも、再就職支援は重要な仕事です。また、人材を採用しても組織が変わらなければうまくいかないケースもありますから、人材紹介と両輪で、会社の中の人が変わるための人材育成や組織開発も行う必要があります」

たしかに、DXを推進しようとDXの知見が豊富な人材を採用したとしても、会社のカルチャーが前例踏襲、旧態依然のままでは、その人材はすぐに辞めてしまうだろう。

「人が入れ替わればよいというわけではなく、企業の方もバージョンアップしなくてはなりません。当社は、人材ソリューションの一環として、それを実現するための支援を提供できます。このような付加価値の高いサービスを成長させ、かつ融合させていきたいと考えています」

ブランドチェンジを経て統合されたLHHの人材紹介・転職支援、再就職支援、そして人材育成・組織開発支援。フルサービスラインとして、今後その真価を発揮することが期待される。

では、板倉さん自身はどのような将来像を描いているのだろうか。その問いに対しては、ブレない答えが返ってきた。

「私は、本当にこの仕事が好きです。どんな形にしても、できるだけ長くやりたいと思っています。この業界に長く携わって貢献していきたいし、自分自身もそこで躍動したい」

板倉さんはまた、「LHHをより多様な価値観をもつ人々が集まる組織にしたい」と期待を込める。顧客である企業も、相談に来る求職者も、それぞれに異なるカルチャーを持っている。多様な背景、異なる考え方をもつコンサルタントがいればいるほど、多くの企業や求職者に伴走できる。

「だからこそ、LHHでは多様な人材が躍動できるカルチャーを大切にしています。自分たちの組織が多様性もなく、躍動もしていないのでは、嘘になってしまいます。自らの目標を達成することは決して甘くはありませんが、LHHでは、様々な価値観を持ったメンバーが満足度高く、いきいきと働いています。これからも、そんなメンバーが集まり、躍動できる組織でありたいですね」

◎プロフィール
板倉啓一郎
アデコ株式会社執行役員 兼 LHH Japan Country President
1963年生まれ。慶應義塾⼤学理⼯学部卒。大学卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。ケリーサービスジャパン代表取締役社長、TSケリーワークフォースソリューションズ株式会社CIOなどを経て、2014年にアデコ株式会社に入社、転職支援・人材紹介事業日本責任者に就任。2023年より現職。

◎企業概要
Adecco Group Japan
https://www.adeccogroup.jp/
代表者:川崎 健一郎
本社所在地:東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル
従業員数:41,000名

Tags

ライター:

1985年生まれ。米国の大学で政治哲学を学び、帰国後大学院で法律を学ぶ。裁判所勤務を経て酒類担当記者に転身。酒蔵や醸造機器メーカーの現場取材、トップインタビューの機会に恵まれる。老舗企業の取り組みや地域貢献、製造業における女性活躍の現状について知り、気候危機、ジェンダー、地方の活力創出といった分野への関心を深める。企業の「想い」と人の「語り」の発信が、よりよい社会の推進力になると信じて、執筆を続けている。

関連記事

タグ