企業や団体におけるサステナビリティの追求として、SDGs達成に向けた事業や取り組みをアピールするケースが増えてきました。
実際にSDGsへの取り組みを行うとなると、どの目標に向けてどのような施策を企画したら良いか悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
cokiでは、みなさまのサステナビリティ・トランスフォーメーションのお役に立つべく、SDGsに対して積極的な企業の取り組みをピックアップしてご紹介しております。
今回取り上げる事例は、文具でおなじみのコクヨです。
本ページをご参考に、事業におけるサステナビリティ、SDGsに関する活動を進めるヒントにしていただければ幸いです。
コクヨ株式会社のSDGsへの取り組み
コクヨでは事業を通じた社会的課題解決への取り組みをさらに加速させるため、社内だけでなくステークホルダーへの影響を加味し、サステナビリティ活動において特に注力すべきマテリアリティ(重要課題)を以下の5つに特定しています。
それぞれのマテリアリティに関するSDGsへの取り組みを進めています。
- 新しい働き方の提案(目標5・8)
- ダイバーシティ&インクルージョンの推進(目標5・8)
- 気候危機への対応(目標7・13)
- 循環型社会への貢献(目標11・12・17)
- 自然共生社会への貢献(目標4・6・8・12)
コクヨでは、これらの取り組みについて、社外評価を一覧にして掲載しています。
ステークホルダーに対して、わかりやすく発信されています。
(出展:サステナビリティ:コクヨHP)
コクヨのマテリアリティに基づくSDGsへの取り組みは多岐に渡ります。ここでは、最近の取り組み事例を3点ほどピックアップして見ていきましょう。
※取り組み事例の中には、複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表的な目標を掲げて記載しています。
目標8「働きがいも経済成長も」への取り組み
目標8「働きがいも経済成長も」の ゴール は「包摂的かつ持続可能な経済成長及び全ての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」です。
コクヨでは「働き方改革」に率先して取り組み、社員がテレワークなどを活用しながら自律的に働く時間と場所を選択する働き方を実践しています。
コアタイムなしのフレックスタイム制を導入済みです。
グループのダイバーシティを広げるため、自己都合で退職した正社員を再雇用する制度に続き、2020年には生き方・働き方を見直すための特別休暇が新設されました。
社外で過ごした間に培われた経験・知識を新しい風として呼び込むのが狙いです。また、1940年から障がい者雇用に積極的に取り組み、2003年9月に特例子会社として「コクヨKハート」が設立されました。
さらに2006年12月、知的・精神障碍者の雇用を目的としたハートランドを設立。
2022年時点の障がい者雇用率は2.30%、これは一般的な企業と比較しても高い水準となっています。
ダイバーシティ&インクルージョン推進の一環として、互いの「違い」を超えて共に持続的成長を目指すための全社プロジェクトを立ち上げ、コクヨグループの業務フローにコクヨKハートの社員が参画することを全グループを挙げて推進中です。
目標12「つくる責任つかう責任」への取り組み
目標12「つくる責任つかう責任」の ゴール は「持続可能な生産消費形態を確保する」です。
コクヨグループでは2008年より商品のライフサイクルの各段階(「つくる時」 「はこぶ時」「つかう時」「すてる時」)において、そのいずれかひとつでも環境配慮が十分でない自社商品について、「エコバツマーク」を表記し、それを3年間でゼロにする取り組みを行い、2011年度版のカタログからは、エコバツマークのゼロを達成しています。
また、「環境負荷の少ない商品」を提供できるよう、商品が生まれてから廃棄・リサイクルされるまでのCO2排出量を把握して、商品のCO2排出量を「見える化」するカーボンフットプリントを算定し商品の環境負荷削減を進めています。
また、小さな梱包物は簡易梱包にし、簡易梱包で使用するプラスチック袋を環境に配慮したバイオマス原料配合のプラスチック袋に切り替えを推進中です。
製品だけでなく配送時の梱包についても環境に配慮した製品・サービスの展開に勤めています。
目標15「陸の豊かさも守ろう」への取り組み
目標15「陸の豊かさも守ろう」のゴールは「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、並びに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」です。
日本の森林の約4割は、木材として使うために育てられてきた人工林です。健康な森を育てるためには、人間が適正に手入れをしなければなりません。
そこで、コクヨでは2006年10月、高知県の大正町森林組合(現:四万十町森林組合)とともに、四万十川の中流域、川面を臨む一帯について「結の森」プロジェクトをスタートさせました。
(出展:結の森プロジェクト:コクヨHP)
プロジェクトには、大正町森林組合をはじめ、高知県立四万十高校や地域の方々、筑波大学大学院なども参加しています。
2006年に106haの森を対象として始まった結の森は、年々その対象範囲と間伐面積を拡大、2014年には、対象面積が4897haになりました。
面積の拡大にともない、CO2吸収量も増加傾向にあります。また、間伐などの手入れを適切に行うことで、現地の生態系にも保全しています。
cokiは、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)を支援します
cokiは、法人のサステナビリティをステークホルダーの声で可視化するメディアです。
「社会の公器」を体現する企業を増やし、サステナブル社会を実現することをミッションとし、企業や法人のSX支援をしています。
ステークホルダーの個別インタビューをおこない、サステナビリティの観点から企業価値を高める情報発信をおこなったり、想いを同じくする会員の企業・団体・個人との交流を可能にするビジネスコミュニティをご提供しています。
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SDGsの目標への取組事例~cokiの記事より
coki では、サステナビリティについて考え、実際に取り組んでいる様々な団体・企業への取材をおこなっています。
SDGsの目標に取り組む、他の企業事例をご覧になりたい方は、下記記事も一緒にご一読いただければ幸いです。
ここでは、SDGsの目標8に取り組む、「行政書士YTRメディア法務事務所」の事例を少し紹介します。
厚生労働省は、2060年には日本人の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になるという見込みを発表。団塊世代が75歳以上となる2025年問題では、介護サービスを利用する高齢者の急増が予想されます。
一方、介護・障害福祉業界では人手不足によるサービス低下や労働環境の悪化による離職率の上昇、経営状態の悪化が危惧されています。
業界全体の変革が必要とされるなか、行政書士として課題解決に取り組んでいるのが行政書士YTRディア法務事務所代表の篠原雄太郎さんです。
自らも障害福祉業界の現場に在籍していた経験を生かし、様々な福祉事業者を支える篠原さん。
障害福祉領域に特化した仕事内容や、お世話になった様々なステークホルダーへの感謝、そして今後福祉業界を志す若者への思いを伺いました。