企業や団体におけるサステナビリティの追求として、SDGs達成に向けた事業や取り組みをアピールするケースが増えてきました。実際にSDGsへの取り組みを行うとなると、どの目標に向けてどのような施策を企画したら良いか悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
cokiでは、皆さまのSX(サステナビリティトランスフォーメーション)のお役に立つべく、SDGsに対して積極的な企業の取り組みをピックアップしてご紹介しております。
今回取り上げる事例は、株式会社島津製作所です。
本ページをご参考に、事業におけるサステナビリティ、SDGsに関する活動を進めるヒントにしていただければ幸いです。
SDGsについては、“ 「SDGs」と「サステナブル」の意味|私たちはなぜSDGsに取り組む必要があるのか ”を、ご覧ください。
株式会社島津製作所のSDGsへの取り組み
- 株式会社島津製作所
- 業種:精密機器
- 創業:明治8(1875)年3月
- グループ従業員数:13,308名(2021年3月31日現在)
- 参照公式サイト:https://www.shimadzu.co.jp/
島津グループでは「地球・社会・人との調和を図りながら、“事業を通じた社会課題の解決”と“社会の一員としての責任ある活動”の両輪で企業活動を行い、明るい未来を創造します。」からはじまる「サステナビリティ憲章」を定めて推進に取り組んでいます。SDGsが採択されたことによって目標、ターゲットが具体的に明示されたことを機に、SDGsとこれまで取り組んできた社会課題の解決との関係性を新たにとらえ直し、事業機会と捉え共有価値を創造することを目指しています。
- 企業活動とSDGsとの関係
- 人の健康
- 安心・安全な社会
- 産業の発展
島津製作所では、事業との関係性だけでなく、これからの経営における重要な事業機会としてSDGsを捉えるためにバリューチェーン全体で、SDGsが経営に及ぼす影響を検討しています。上記の3店の課題克服につながる有効な解決策を提供することは、事業拡大につながると考えているからです。一方で、バリューチェーン上では、SDGsが少なからず負の影響を与えることもあります。これらの課題に対しても、持続可能な社会への配慮に取り組むことで、品質の向上や操業効率の向上、ブランド力の強化といった負から正への方向へと転換させるべく取り組んでいるところです。
島津製作所のESGならびにSDGs目標への取り組みは非常に多岐に渡ります。ここでは最近の取り組み事例をピックアップして見ていきましょう。
※取り組み事例の中には、複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表的な目標を掲げて記載しています。
目標3「すべての人に健康と福祉を」への取り組み
目標3の ゴール は「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。
コロナ禍の中で、ニュースで「〇〇株」と聞いた時、どうやって判別しているのか、また検査の正確性はどうなっているのか気になったことはないでしょうか?
島津製作所では、新型コロナに対して立ち向かうべく2020年5月に横断的なプロジェクトを立ち上げました。既存技術を応用したPCR試薬や隔離病室やICUでも肺炎診断が可能なX線撮影装置などを次々と開発。新型コロナウイルス感染症に対する様々な取り組みを行っています。2022年1月には、複数の検体を混ぜて一度に検査する「プール検査法」用の検体前処理装置を開発、さらに従来必要とされる煩雑な核酸(RNA)の抽出・精製工程が省ける「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬、2020年4月発売)をベースにオミクロン株のスクリーニングに貢献する「E484Aプライマー/プローブセット」も開発・発売しています。
目標6「安全な水とトイレを世界中に」への取り組み
目標6の ゴール は「全ての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」です。
水質汚染の原因として、近年問題視されているマイクロプラスチック。マイクロプラスチックの多くは、陸に放置されたプラスチックが、太陽光からの紫外線や地面からの熱にさらされ、外力がかかることによって細かく砕かれることで発生すると言われています。マイクロプラスチックが河川や海に出るのを防ぐために、まずは発生源に近い河川でのマイクロプラスチック汚染状況について調査が必要です。
しかし、マイクロプラスチックの国際標準の分析法については、いまだ議論中で、確固たる基準が定まっていません。そこで島津製作所では調査・研究目的に最適な分析・計測法を選択できるよう、幅広い製品群と多角的な分析アプリケーションを提供しています。こうした手法は、水、大気、土壌中の環境汚染物質や環境ホルモンの測定、モニタリングにも役立てられています。
目標15「陸の豊かさも守ろう」への取り組み
目標15の ゴール は「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、並びに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」です。
島津製作所は、京都モデルフォレスト運動に参画して、京都府南丹市にある約52ヘクタールの森の整備に携わり、地域貢献や生物多様性の保全を図っています。
この森の間伐材を利用したアロマオイルとデフューザーが、ドイツの国際的なデザイン賞「Red Dot Design Award 2021」のBrands & Communicationデザイン部門で受賞しました。本社などのエントランスで使用するほか、顧客企業への贈答品として製作したものです。
木の幹と枝葉から天然のエッセンシャルオイルを蒸留したアロマオイルを、ローズマリー等の24種類の天然成分を添えて調製。デフューザーは、ヒノキの間伐材を用い、京都の伝統漆器工芸工房で漆を塗り制作しています。森林保護、間伐材の利用、伝統工芸の保護という3点において素晴らしい取り組みと言えるでしょう。
SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」への取組事例~cokiの記事より
coki では、サステナビリティについて考え、実際に取り組んでいる様々な団体・企業への取材を行っています。今回は SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」 について、一般社団法人エコロジー・カフェの記事をピックアップしました。ぜひご覧ください。
エコカフェ事始めとこれからの展望
エコロジー・カフェは、絶滅の危機にある野生生物の保護と消滅の危機にある生態系の保全、身近な自然を利活用する方法の開発及び提供をおこなっています。生態や環境に関心を持つ様々な人々に開かれたプラットフォーム。「自然に生かされる持続可能な社会にしよう」をスローガンに掲げ、子どもたちには身近な自然、各地で学びができるような地域ごとの仕組みつくりを模索しています。
【エコロジー・カフェ座談会】地方の未来を考える|一般社団法人エコロジー・カフェ
未知なる危機を乗り越えるために必要なのは、多様な「組み合わせ」です。エコカフェには様々な分野を専門とした方たちが集まっています。その学びの本質は、場所や世代を越えた活動です。今回は、主に地方を拠点にご活躍されている会員同士による座談会を実施。地方の現状とこれからの未来を語り合いました。
参照: coki
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