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米袋をバッグへ シコーと片岡商店が描く「循環型SDGs教育」の到達点

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米袋をバッグへ シコーと片岡商店が描く「循環型SDGs教育」の到達点
提供:シコー株式会社

単なる知識の伝達ではなく、実体験を通じた「手触り感」のある教育が、次世代の意識を根底から変える。包装資材のシコーと老舗カバンメーカー片岡商店が広島の中学校で挑んだ、廃棄米袋のアップサイクル授業を追う。

 

廃棄米袋を「エコバッグ」へ再生。地域を巻き込む特別授業の全貌

産業用包装資材を手掛けるシコー株式会社(大阪市)と、1897年創業のスクールバッグメーカー、株式会社片岡商店が、広島市立楠那中学校にてSDGs特別授業を実施した。今回で4度目を数えるこの試みの中核にあるのは、印刷不良によって廃棄されるはずだった米袋の再利用だ。

生徒たちは、広島県北広島町産の米袋を素材に、校内販売で使われるポリ袋の代替品となるオリジナルバッグを製作。完成したバッグは、次年度の新入生へ贈呈されるという。2026年1月23日に行われた授業には、生徒のみならず保護者も参加し、世代を超えて資源循環の重要性を肌で感じる場となった。

産学官連携を超えた「地域循環モデル」。他事例と一線を画す独自性

本取り組みが一般的な環境学習と一線を画すのは、その「徹底したローカルな循環」と「実利の伴うアウトプット」にある。

まず、素材となるのは地元の農業現場で出た端材であり、それを加工する知恵を授けるのは地元の老舗企業である。さらに、作って終わりではなく、実際に校内の備品として「ポリ袋の削減」という明確な成果に直結させている点が極めて合理的だ。

特筆すべきは、今年度から保護者も製造プロセスに加わった点だろう。学校という閉鎖的な空間を、地域社会や家庭を巻き込む「社会実装の実験場」へと昇華させている点は、他校や他企業のSDGs支援には見られない独自性といえる。

デジタル時代に「ものづくりの身体性」を問う。両社に共通する哲学

 

この活動の背景には、デジタル化が進む現代だからこそ、あえて「不自由さ」を伴う身体的な体験を重視する哲学がある。片岡商店の片岡勧社長は、「実際に手を動かし、失敗し、完成させるという身体的な体験には代えがたい価値がある」と説く。

また、シコーの白石忠臣社長が抱く「袋屋として社会のためにできることは何か」という問いも、本プロジェクトの純度を高めている。提供者側が単なる社会貢献活動(CSR)としてではなく、自らの本業を見つめ直す機会としてこの授業を捉えているからこそ、生徒たちの心に響く「本物の授業」が成立しているのだ。そこには、教科書的なSDGsの押し付けではなく、当事者意識を醸成しようとする一貫した姿勢がある。

持続可能なパートナーシップの要諦。継続が「自分事化」を加速させる

本事例から学ぶべきは、志を同じくする企業同士の「共創」が持つ可能性である。包装のプロであるシコーと、縫製のプロである片岡商店。それぞれの専門性が、中学校というフィールドで合流することで、単独では成し得なかった教育的価値を生み出している。

さらに、4年という継続期間が物語るのは、一過性のイベントで終わらせない「持続可能なパートナーシップ」の重要性だ。当時の校長のルーツという偶発的な縁を、確固たる地域教育の柱へと育て上げた両社の粘り強さは、サステナビリティを追求するすべてのビジネスパーソンにとって、プロジェクトを定着させるための大きな示唆となるだろう。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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