
建築リフォーム業界において、従来の商流や働き方の常識を覆す企業がある。大阪府を拠点とする株式会社クレバーだ。 同社は、産業廃棄物の削減という環境課題や、建設業界の深刻な人手不足に対し、独自のビジネスモデルで解決を試みている。代表の中島賢一氏は、その原点をこう語る。
「『建築リフォームで暮らしはもっと楽しくなる』。それが私たちのコンセプトです。日常的に使う空間に『くつろぎ・利便性・愛着』を生むことで、お客様の暮らしを豊かにしたいと考えています」
脱・下請け構造。職人が全工程を担う「多能工」の強み
建築業界には長年、多重下請け構造による中間コストの増大や、顧客の要望が現場に届きにくいという課題が存在した。クレバーの最大の競争優位性は、この構造を打破する「職人による一貫対応」にある。 施工を担当する職人自身が、ヒアリングからデザイン提案、予算調整、現場管理、そして実際の作業までをワンストップで行うのだ。
「お客様の理想に近づけるため、職人自身がデザインから工期まで一体で提案できるチームをつくりました。施工中の変更にも柔軟に対応できるのが私たちの強みです」
また、同社はオフィスに「カフェ」を併設し、リユース家具の販売やイベントも行っている。これらはすべて、リフォームの相談に対する心理的な敷居を下げ、顧客との接点をつくるための工夫だ。
「壊さない」選択肢。リフォームによる廃棄物削減
事業を通じて同社が注力するのが、建設業界由来の「産業廃棄物の削減」だ。住宅の解体や建て替えは大量の廃棄物を生み、環境負荷が高い。 そこでクレバーは、安易な解体・建替えではなく、メンテナンスとリフォームによる「建物の長寿命化」を推進している。
「これからは、ものを大切に使い続ける文化が必要です。私たちは断熱・遮熱性能の向上や、廃材を出さないリユース提案を通じて、SDGsの『つくる責任 つかう責任』を果たしていきたいと考えています」
外壁塗装や雨漏り対策を起点とした技術力で建物を守り、循環型社会の実現に寄与する姿勢だ。
次世代の職人像と「憧れる建設業」の実現
建設業界では、職人の高齢化と担い手不足が深刻化している。この課題に対し、クレバーは「大卒採用による多能工職人の育成」という新たなルートを開拓した。技術だけでなく、デザインや経営視点を持つ「モノづくりチーム」を育成し、5年後、10年後の業界を支える基盤を固めている。中島氏は未来への展望を強く語る。
「目指しているのは、『職人=カッコよくて、稼げる』という新しい価値観を広げることです。子供たちが将来憧れる職業になるよう、まずは近畿圏から、そして全国へと私たちのモデルを広げていきます」
暮らしの楽しみと持続可能な社会の両立を目指す株式会社クレバー。職人たちの挑戦は、業界に新たな風を吹き込んでいる。



