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有松絞りドレスがレンタル開始 T&G「MIRROR MIRROR」が“一点物×アップサイクル”で魅せるサステナブルウェディング最前線

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有松絞りドレスがレンタル開始 T&G「MIRROR MIRROR」が“一点物×アップサイクル”で魅せるサステナブルウェディング最前線
提供:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ

テイクアンドギヴ・ニーズの「MIRROR MIRROR」が、有松絞りを取り入れた一点物ドレスとアップサイクルドレスを発表した。伝統工芸の継承と廃棄削減を両立させ、ウェディングの新しい価値創造に踏み出す取り組みが始まった。

 

伝統工芸「有松絞り」を採用した一点物ドレスをT&Gが発表

婚礼大手テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)が運営するドレスショップ「MIRROR MIRROR」は、日本の伝統工芸「有松絞り」を取り入れた一点物の“トラディショナルクラフトドレス”3型と、廃棄予定ドレスを再構築したアップサイクルドレス4型のレンタルを12月1日から始めた。文化継承と循環型デザインを同時に進める取り組みは、ウェディングの体験価値を更新する新しい動きとして注目されている。

有松絞りは名古屋市の有松・鳴海地区に約400年続く伝統技法で、60種ほどの絞り技法が生み出す模様は機械では再現が難しい。今回のコレクションでは、最古の技法とされる「蜘蛛絞り」、点状の凹凸が連なる「横三浦絞り」、細い縦ラインを描く「杢目絞り」が用いられ、手作業ならではの陰影や立体感がドレスの存在感を引き立てている。

ブラックのマーメイドラインは蜘蛛絞りが袖に大胆な表情を与え、サテン生地の重みが立体的なフォルムを際立たせた。ブルーグレーのドレスは横三浦絞りの細かな凹凸が浜ちりめんのシボと調和し、柔らかさの中にメリハリをつくる。ホワイトのスレンダードレスでは、杢目絞りの縦筋が静かな緊張感を湛え、動きのある美しさを演出する。いずれも職人の技が一着ごとに異なる表情を生み、花嫁の個性を鮮明に際立たせる仕上がりとなった。

大量生産にない価値を生む“工芸×ウェディング”の独自戦略

「MIRROR MIRROR」が重視するのは、工芸の“唯一性”とウェディングの“非再現性”を重ね合わせる視点である。大量生産には向かない有松絞りの特性は、あらゆる人が同じものを身につけるウェディング市場ではむしろ希少性を生み、体験価値の向上に結びつく。

同時に発表されたアップサイクルドレスは、使われなくなったドレスの素材を再構成して新たな表情をつくるシリーズだ。初のパンツスタイルを含む今回の4型は、光沢のある生地を胸元に大胆にあしらったオフショルダー、マーメイドラインにシアー素材を重ね柔らかな陰影をつくるロングスリーブ、ワッフル生地を立体的に使ったパフスリーブ、ジャガード織りの表情が際立つビスチェ型など、素材の再編集をデザインの核に据えた。

アップサイクルラインは4年目に入り、単に環境配慮という枠を超え、「一点物として選ばれるドレス」という新たな需要を生み出している。誰とも重ならないデザインを求める花嫁にとって魅力が強く、サステナブル価値観との親和性も後押しする。

伝統技術の継承とドレス廃棄問題に向き合うT&Gの思想

 

今回の取り組みの背景には、伝統工芸の担い手不足と、ウェディング業界が抱えるドレス廃棄の課題がある。生活様式の変化や大量生産品との競合によって工芸技術の存続は難しくなり、ブライダル市場では一年のうちに数万着のドレスが短期間で役目を終える。

T&Gは「現代のドレスと伝統を融合させ、守るべき価値を未来につなぐ」としてサステナブルラインを推進してきた。職人が布を前に静かに針を進める姿に触れることで、同社は“技術の温度”そのものをドレスの価値として捉えるようになったという。担当者は「模様は意図ではなく、手の感覚によって生まれる。そこにしかない表情に惹かれる」と語る。ドレスが単なる衣装ではなく、文化と時間を内包する存在へと変わっていく視点が読み取れる。

サステナブルウェディングが示すブランド価値の新潮流

MIRROR MIRRORのコレクションは、ブランド価値の源泉が“作り手のストーリー”や“素材の生い立ち”へと移りつつある流れを象徴する。工芸品としての唯一性や、アップサイクルが持つ再創造の力は、ウェディングの体験に深みを与え、環境配慮が「選ばれる理由」に変わりつつある。

T&Gは今後、商品だけでなく式場やサービスにまでサステナブルな要素を広げる方針を示す。ウェディングの価値観が変容するなか、文化の継承と循環型のものづくりをブランドの核に据える姿勢は、他産業にも示唆を与える取り組みとなりそうだ。未来に向けた持続的な価値の創出が、ブライダル市場に新たな潮流を生むだろう。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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