学生と地域が共創する循環型社会

ブックオフグループホールディングス(神奈川県相模原市)の子会社ブックオフコーポレーションは、東北芸術工科大学(山形市)と連携し、循環型社会の実現をテーマにした「杜の都リユースフェス2025」を10月12日、仙台市中心部で開催する。学生がデザインしたポスターや、販売機会を得られなかった衣類を活用した参加型モニュメントが披露され、地域や来場者と共にリユースの価値を広げる。
学生たちはブックオフ社員と意見交換を重ね、ポスターには「付喪神の百鬼夜行」をモチーフに、長く使われたモノが新たな持ち主を探し歩き出す姿を表現した。デザインを担当した学生は「リユースの楽しさを可視化し、誰もが気軽に参加できる社会を描きたかった」と語る。
古着を活かした参加型モニュメント
会場にはBOOKOFF店舗で販売に至らなかった衣類を素材にしたモニュメントが設置される。来場者が古着を1枚ずつ通すことで作品が完成し、終了後にはラグとして店舗で再利用される。制作を担当した工芸デザイン学科の学生は「商店街を彩りながら、来場者の創造力でモニュメントが成長していく。リユース素材の新たな魅力を一緒に発見してほしい」と呼びかけた。
「杜の都リユースフェス」は2022年に始まり、今年で5回目。初回は学生の卒業制作を発表する場を提供するかたちでスタートし、毎年規模を拡大してきた。2025年は「サンモール一番町商店街」と「ぶらんど~む一番町商店街」を舞台に、19団体が出展。AIを用いた真贋鑑定の体験、制服やミシンの回収、アップサイクル衣装展示など多彩なブースが並ぶ予定だ。
ブックオフは国内外で約800店舗を展開し、年間利用者は8,900万人を超える。今回の取り組みについて同社は「学生や地域と共に循環の輪を広げることが、持続可能な未来を築く第一歩になる」としている。