
株式会社ストレージ王(本社・千葉県市川市)は、2025年9月1日から1カ月間、神奈川県川崎市の「梶が谷トランクルーム」において、ブックオフコーポレーションと株式会社BPLabが共同運営する不要品回収システム「R-LOOP」を活用し、衣料品などのリユースとリサイクルを推進する概念実証(POC)を始める。
トランクルームでのR-LOOP導入は国内初の取り組みであり、収納と循環を組み合わせた新たな生活動線の創出を狙う。
初のトランクルーム活用、循環型社会の実験場に
R-LOOPは不要になった衣料品や雑貨を回収ボックスに入れるだけで、リユースやリサイクル、さらには寄付にもつながる仕組みを持つ。すでに全国の自治体や商業施設、マンション、オフィスなど200拠点以上に設置され、累積回収重量は27トンを超えている。
今回の導入では、梶が谷トランクルームの1階エントランスにボックスを設置し、契約者が不要品を気軽に預けられる仕組みを整える。ストレージ王はこれにより、単なる荷物保管の場から「収納と循環をつなぐ拠点」へと役割を広げたい考えだ。
利便性向上とSDGsへの貢献
同社が掲げる実証の目的は、利用者にとって荷物をしまう利便性に加えて、不要品をスムーズに処理できる新しい動線を提供することにある。思い出の詰まった衣類や雑貨を「捨てる」のではなく「次の誰かに役立つ形で手放す」体験は、利用者に新たな価値をもたらすと同時に、循環型社会の実現に寄与する。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、「住み続けられるまちづくり」「つくる責任・つかう責任」「パートナーシップ」に資する取り組みとして位置づけられている点も注目される。
関係者の言葉にみる期待感
ストレージ王経営企画室の坂上正洋氏は「トランクルームはライフスタイルの快適さを創る“プラスワンルーム”。不要品の循環を支援できれば、顧客にもっと身軽でサステナブルな空間を提供できる」と語る。ブックオフのR-LOOP担当者も「すてないライフスタイルを広げることが目的で、トランクルームという新たな生活動線に導入いただけるのは意義深い」と強調した。
今後の展望
ストレージ王は実証期間中に回収量や利用者の属性、投入品目などのデータを蓄積し、成果を分析したうえで他の拠点への展開を検討する方針だ。都心部のトランクルームを中心に導入が広がれば、日本国内で普及率1%未満にとどまるトランクルーム市場に新しい利用価値を付与する契機となる可能性がある。
アメリカで普及率が10%前後に達している事例を踏まえれば、不要品循環との掛け合わせは市場拡大の切り札となるかもしれない。