
宅配水ブランド「クリクラ」を展開する株式会社ナック(東京都新宿区)は6月4日、東京都港区の山脇学園中学校・高等学校において、「環境問題と3R(リデュース・リユース・リサイクル)」をテーマとした特別講演会を開催した。
対象となったのは、同校の環境啓発プロジェクト「山脇学園Blue Earth Project」に参加する生徒たちなどで、2025年に開催される大阪・関西万博での発表を見据えた学びの場として、企業と学校が協働した形となった。
企業の取り組みを教材に サステナブルな実践を紹介
講演では、ナックが展開する「クリクラ」ブランドの環境配慮型ビジネスの取り組みが紹介された。講師を務めたのは、社内教育機関「クリクラカレッジ」の内田美希氏。冒頭、同社が設立当初から推進している「サステナブルなボトル」の再利用システムについて、CO2排出量の削減や全国43のプラント拠点を活用した配送効率の工夫など、具体的な取り組みが図表やデータと共に解説された。

また、使用済みボトルの再利用工程では、「臭いの検査」など独自の品質管理が行われていることに触れ、その実例として、生徒が実際に検査体験をするコーナーも設けられた。さらに、再利用不可となったボトルの素材をマテリアルリサイクルし、文房具やマイボトルへと転用している事例についても、ペレットプラスチックを実際に見せながら説明された。
「マイボトルチャレンジ」との連携 次世代の実践力育成
講演後半では、山脇学園中高が独自に取り組む「マイボトルチャレンジ」の事例にも触れた。同校ではペットボトル削減を目的に、生徒が水を補充するたびにマスを塗り、学年ごとに競い合う形式で取り組みを可視化している。講師からは「1人の行動も、仲間と取り組めば大きな力になる」と、企業側の視点からもエールが送られた。
講演後の質疑応答では、「3Rは知っていたけど、実際に何をすべきかがわからなかった」「未来のために今やるという言葉が心に残った」など、生徒から前向きな声が多数寄せられた。企業の取り組みと学校教育が有機的に接続され、持続可能な社会に向けた実践的学びが深まったことがうかがえる。
ナックでは今後も、次世代を担う若者たちが環境問題を「自分ごと」として考え、行動できるような機会を積極的に提供していく方針だ。