
日本一楽しいアウトドアストアが福岡・天神に誕生
「挑戦こそが人生だ。」をスローガンに掲げるマムートが、新たなブランド体験の拠点として福岡・天神に新店舗を開業する。都市と自然をつなぐこの革新的な試みは、アウトドアを日常に取り込む新たなライフスタイルを提案している。
マムート福岡天神がONE FUKUOKA BLDG.に出店
スイス発祥のアウトドアブランド「マムート」は、2025年4月24日、福岡市天神に新たな直営店「マムート 福岡天神」を開業する。同店舗は、再開発が進む天神ビッグバンの一環として建設された「ONE FUKUOKA BLDG.」内に出店されるもので、マムートの九州初となるブランド体験カウンター「ヒュッテ1862」を備える。
これに先立ち、4月20日にはオープン直前イベントとして「都市型登山イベント in アクロス山 powered by マムート」が開催される予定だ。天神の中心部に位置する超低山「アクロス山」を舞台に、登山雑誌『PEAKS』編集長の宮上大輔氏と、登録者数32万人を超える登山YouTuberのかほ氏によるスペシャルトークショーも行われる。
また、福岡の老舗菓子店「千鳥屋」との限定コラボレーションによる「マムート・オリジナルチロリアン」も発表された。製品購入者を対象に先着で提供され、地域文化との融合も見どころとなっている。
アクロス山で登山? 都市と自然を融合させる新提案
注目すべきは、都市空間において自然との接点を創出しようとする同社の試みである。従来、登山やアウトドアといえば、都市から離れた山岳地帯や自然公園を想起するが、「マムート 福岡天神」はその前提を覆す。
アクロス山は都市のど真ん中に築かれた人工的な緑化空間でありながらも、登山の基本を体験できる場として知られている。そこにブランドの世界観を持ち込むことで、「山に行く」のではなく、「山を暮らしの中に取り込む」という逆転の発想を提示する。
また、地域の伝統と結びついたプロモーション展開も特徴的だ。400年近い歴史を持つ千鳥屋の菓子「チロリアン」とのコラボレーションは、単なるノベルティにとどまらず、ブランドの根幹にある“アルプス文化”と“福岡の地元文化”を接続する象徴的な施策といえる。
「挑戦こそが人生だ」マムートが貫くアウトドア精神
マムートの2025年スローガン「Rise with the Mountain – 挑戦こそが人生だ。」は、単なる標語ではない。160年以上にわたりロープメーカーとしての原点を持つ同社は、あらゆる挑戦の場面で「信頼されるギア」を供給してきた。
このスローガンは、困難な環境に立ち向かう登山者たちへのリスペクトと、日常の中でも「挑戦する人」を支える意思を象徴している。福岡・天神という都市空間にその哲学を根付かせることは、ブランドにとっても一つの「挑戦」であり、それ自体が商品力や世界観の強化に直結する。
また、「ヒュッテ1862」というブランド体験カウンターには、スイスの象徴マッターホルンの造形があしらわれ、来店者が視覚的にも精神的にも「山とつながる」設計がなされている。
都市生活と自然を結ぶ、マムートのブランド体験戦略
都市と自然、伝統と革新、グローバルとローカル。これらをいかに融合し、ブランド体験へと昇華させるか──マムートの取り組みは、その問いに対するひとつの回答といえる。
特に、地域資源との協業やSNSキャンペーンの活用によって、生活者の参加を促すスタイルは、アウトドア業界にとどまらず、多くのブランドに示唆を与えるはずだ。
企業活動がサステナブルであるためには、単に環境負荷を減らすだけでなく、「人の心に届く接点をどう設計するか」が問われている。マムートの新店舗は、その問いに真正面から向き合い、都市生活者に新しい挑戦の種をまいている。